画像生成AI時代のIP活用と可能性 #デルタもんイラストコンテスト
先日公開したこちらのAICU media記事が人気です。
🔷VRoid Studio を使ってキャラクター LoRA を作ろう!(AICU media)
追加学習「LoRA」(ローランクアダプテーション)はもともとLLMのために開発された技術です。Stable Diffusionにおいては多彩なキャラクターや画風を描くための追加ファイルとして「.safetensors」ファイル形式でCivitaiやHugging Faceで配布されています。
🔷AICU Inc. の Hugging Face でのキャラクターや学習素材の配布
https://huggingface.co/AICU/SDXL-LoRA
Stable DiffusionにおけるLoRA作成とキャラクター応用については現在AICU mediaが開発中の書籍でも扱っていますが、最新のテクニックも多く開発されています。
🔷デルタもんを例にキャラクターLoRAを作る (hakomikan 氏)
生成されたLoRAはCivitaiで配布されています
世界的に利用されているLoRA学習 Kohya-ss/sd-scripts の原作者 kohya_tech氏や LoRAの層別適用(LoRA Block Weight)を作った hakomikan氏のような日本の開発者も多く貢献しています。
このようなオープンソースの開発者は必ずしもX(Twitter)で目立った存在というわけではなく、主な活動場所はGitHubでのコード開発です。最新のLoRA開発に興味がある方はアカウントを作ってフォロー、ウォッチしていくことをお勧めします。
画像生成AIを趣味とする方々にできること
もしあなたが開発者でなく、画像生成AIに業務として関わる場合、共通の LoRA を制作し、企業、スタジオや制作チーム内で共有する使い方が知的財産(IP)管理や商品性、品質の管理として重要になってくるでしょう。
また、画像生成AIを趣味とする方々であればインターネット上で流通している LoRA をただ入手して楽しむだけでなく、応援していきたいところです。一般ユーザーに「ファンアートを描いてほしい」といった使い方で LoRA そのものや、LoRA 学習のためのデータを提供していく手法も今後広がっていくと考えられます。
かつて「東北ずん子・ずんだもんプロジェクト」では LoRA学習用画像を配布してきました。
https://zunko.jp/con_illust.html
画像生成AI時代のIP管理、二次創作やライセンスについても新たな取り組みがあります。
新しいライセンスとビジネスモデルに挑戦する「デルタもん」
BlendAI社のオリジナルキャラクター「デルタもん」はクリエイティブ領域でのAI利用を推進する目的で「デルタもん」というキャラクターを展開しています。興味深い点は『AI関係の利用は商用・非商用問わず自由』『すべてのデルタもん公式・二次創作著作物は、AI関連の学習をしてもよい』というルールなので、著作権法等の権利問題を気にすることなくAIを利用した創作や学習が可能になっています。画像や音声などの基本的な素材にとどまらず、LoRA や音声モデルなど既に学習されたデータも積極的に公開していくとのことで、生成AIを利用したクリエイションの商用利用を含めたIP活用に逆転の発想を投げかけています。また商業的にもクラウドファンディングを中心とした資金募集を行い、目標額を大きく達成しています。まだまだ小さな動きかもしれませんが、今後、数年をかけて拡大していくと予想します。注目していきたいところです。
クラウドファンディングはこちらで行っています。
目標額達成、おめでとうございます!
ハッシュタグ「#デルタもんイラストコンテスト」は今日も素敵な作品が共有されています。
画像生成AI時代のIP活用と可能性についてまとめてみました。
AICU mediaはこれからも「つくる人をつくる」を応援していきます。
おまけ
「花粉症なんですわ〜!センパイの卒業が寂しいんじゃないですわ〜!!」
賞金が目的ではありませんが、もうちょっと高くてもいい気はします。