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夫の駐在でキャリアを手放した私が、もう一度自分らしく生きるまで

はじめに

私は帰国子女として育ち、社会人になって子供を産んでも「また海外で生活したい」という思いを胸にずっと抱えていました。夫も、「会社員人生としてキャリアを積むために海外赴任のチャンスがあれば挑戦したい」と話してくれていたので、私たちは共に同じ目標を掲げていました。

その頃、私は2人目の子どもがまだ0歳ながらも、キャリアを積みたい一心で職場復帰し、仕事を頑張っていました。夫婦で家事も育児も協力しながら、目標に向かって進んでいたある日、夫がそのチャンスを早々に掴んだのです。

本来なら嬉しい出来事のはず。でも、当時の私は大きなプロジェクトを任されている最中で、心の中は複雑でした。 「こんなタイミングで仕事を辞めるなんて…」 そう思いながらも、「仕事を辞めたくない」という本音を夫に伝えられませんでした

代わりに、過去お世話になった上司や信頼できる同僚に「辞めたくない」と相談するばかりで、夫には一言も本心を話しませんでした。夫と向き合おうとしなかったことが最大の間違いだと気づくのはまだまだ先の話です。

結局、私は夫に何も本音を言えないまま、悔しさと悲しさを抱えて仕事を辞める決断をしました。このとき、Instagramで似たような経験をされてる人の投稿をたくさん読んで、"私も夫に人生壊された"と思い込むようになりました。そして、その後もその感情を引きずり、夫にキツく当たるようになってしまいました

この経験は、良くも悪くも私にとって大きな転機となっています。夫に対するモヤモヤを抱え、嫌な空気が漂う夫婦関係のまま駐在生活を始めた私が、どうやって夫と対等な関係を築き【夫婦はチーム】の考えを身につけたのか。この記事では、私の経験全てと、同じ悩みを抱える駐在妻さんに少しでも役立つヒントをお伝えできたらなと思います。



1. 家庭とキャリア、犠牲にするのはどっち?

海外赴任という話が出たとき、私の頭を占めていたのは「家庭かキャリア、どちらかを諦めなければならないの?」という問いでした。必死に積み上げてきた仕事のキャリアと、2歳と3歳の子供を大好きな父親から引き離したくない気持ち。その狭間で揺れ動いていました。「家族の幸せをとるためにキャリアを諦めた」と当時は思い込んでいましたが、心のどこかで、「なぜ私ばかりが犠牲を強いられるのだろう」と思う自分がいました。

夫にとっては"キャリアアップのチャンス"。でも、私には何のチャンスもないと思えて仕方がなかったんです。奪われるばかりで、まるで私は搾取される側なんだと感じていました。

さらに、会社側から提示された赴任スケジュールも、明らかに「妻が夫をサポートすること」を前提にしているものでした。海外引越しの準備も、9割を私が担ったんです。他の駐在妻さんたちも、きっと同じような状況だったのではないでしょうか?

「キャリアか家庭、どちらかを諦めなければならない」という考え方。それは日本社会の価値観が私たちの心に植え付けた「暗黙のルール」だったのかもしれません。

でも、本当にどちらかを犠牲にするしかないのでしょうか? 私はその答えを探していく中で、"家庭もキャリアも大切にしながら、自分らしく生きる"という道があることに気づきました。どちらかを諦めるのではなく、両方を自分らしい形で実現する方法です。

今この記事を読んでくれている(プレ)駐在妻さんが「どちらかを犠牲にしなければ成り立たない」という価値観を一度リセットできたり、"キャリアも家庭も大切にしながら、自分らしい幸せを築く"ためのヒントを見つけてくださったら嬉しいです。

2. 家庭もキャリアも、夫婦の土台があってこそ

海外赴任が決まったとき、私の心に湧き上がったのは「どうして私ばかりが仕事を諦めなければならないの?」という思いでした。夫は新しいチャンスに胸を膨らませ、家族での海外生活を楽しみにしている一方で、私はその陰でキャリアを失う喪失感とモヤモヤを抱えていました。

その気持ちを夫に伝えることができなかった私は、一人で悩みを抱え込み、不満を溜め込んでしまいました。そして、それが夫婦関係に大きな影響を与える結果となったんです。

夫も、慣れない海外での仕事に必死で余裕がなかったため、お互いに相手をリスペクト(尊重)できなくなり、誤解や不満が募るばかりでした。私は「私ばっかり辛い思いをしているのに!」と思い込み、夫は「俺は苦労して働いているのに、家のことも完璧じゃない」と感じていました。

お互いが自分のしんどさに必死で、相手の状況にまで意識を向ける余裕がなくなっていたのかもしれません。そうして、言葉にせずに勝手に「こうだろう」と決めつけてしまったことで、すれ違いはさらに深まっていったのです。

そんな中で、私が実感したのは、家庭もキャリアも大切にすることで家族全員の幸せを最大化できるということでした。どちらも犠牲にしないためには、まず夫婦の土台づくりがなによりも大事だと気づいたのです。そのためには、夫婦でお互いの気持ちを伝え合い、小さなことから会話を重ねることが欠かせません。

夫婦間で何気ない会話すらできていない状況では、重要な話題を話し合うことは難しいですよね。海外生活は日本で生活する以上にストレスが溜まります。そんな中で、安全地帯であるはずの家庭が居心地悪かったら、精神的限界があっという間に訪れてしまいます。

だからこそ、お互いの本音を言葉にし、気持ちを共有することが大切なんです。夫婦で二人三脚で支え合える強固な関係を築くことができれば、駐在生活という大きな環境変化も乗り越えていけるはず。これが、"キャリアも家庭も大切にしながら、自分らしく生きる"ための第一歩なのです。

3. 夫婦関係を見直す

駐在生活が始まってすぐの頃、私は夫との関係がうまくいかず、毎日モヤモヤしていました。夫も「俺だって大変なのに!」と感じていたようですが、私は「なんで私ばっかり!」と不満を募らせるばかりで、気づけば会話の大半が子どもを介したものになっていました。

漠然と「何とかしなきゃ」と思い、夫婦でデートに出かけることも試しました。でも、沈黙が気まずくなり、当たり障りのない話ばかりで、日常に戻ればまたモヤモヤが溜まっていくばかり。デートでは一瞬楽しい時間を過ごせたとしても、根本的な問題は何も解決しませんでした。そりゃそうですよね。仲は悪くないけど、本音が言い合えない夫婦がデートに行ったくらいで関係が大きく変わったら苦労しません。

そんな時に出会ったのが、2人のインフルエンサーさんでした。

ひとりは、当時同じ駐在妻としてInstagramで発信されていたなつこさん。「駐在離婚」という現実が少なくないことを教えてくれました。ここでやっと、本気でどうにかしないと私たちもダメになると気づきました。

画像クリックでなつこちゃんのインスタに飛べます👆

もうひとりは、ママインフルエンサー&起業家として活躍しているじママさん。メインアカウントでは15万人ものフォロワーがいるので、知育が好きなママさんなら知ってる人も多いはず。本気で夫婦関係について悩んでいた当時、DMで相談に乗っていただいていました。じママさんは他にも夫婦関係の相談を複数受けていたみたいで、『夫婦ONE TEAM』の考え方なら夫婦関係で悩めるママたちの力になれるとそのとき決心し、『G's community』というオンラインサロンを立ち上げました。運良く1期生として加わり、本気で夫婦関係と向き合うことを決意しました。

じママのサブアカウントはこちら👆

夫婦ONE TEAMを目指したい人ママの習い事はこちら↓

実は、最初は夫に隠れてじママのコミュニティに加入していました。言えなかった理由はいくつかあるのですが、当時の私は「私が稼いだお金は私のもの」という考えが強く、私のお財布から出すものに対して何も言われたくなかったんです。また、本気で夫婦関係というものに向き合うために加入したけど、何も得られなかったら「お金をドブに捨てた」と言われそうで怖かったのも事実です。でも、コミュニティで「夫に正直に言えないお金の使い方って…」と言われ、ハッとし、勇気を振り絞って夫に入会報告と共にこう伝えました。

👩🏻「あなたともっとわかり合いたい。子どもが巣立った後も、二人でより良い未来を築いていける関係でありたい。」

👩🏻「私の両親がドイツ駐在で家族の絆を深めたように、私たちも努力を重ねて夫婦関係を強固なものにしたい。」

これをきっかけに、私たちは少しずつ"お互いの本音"を話し合えるようになり、夫婦で協力する体制を整えられるようになりました。今では夫の協力を得ながら、InstagramなどSNSを通じて新たなキャリアを模索・構築しています。

夫は、私が駐在終了後にジョブリターン制度で元の職場に戻るものだと当然のように思っていたそうです。でも、私は駐在期間中にさまざまな経験を積みながら、今後の働き方を考えたいと思っていました。本帰国後は子どものサポート等いろんな理由をもとに"在宅ワーク"という選択肢も視野に入れていることを、ようやく夫に伝えられるようになりました。

夫婦関係を見直すことはとてつもなく苦しく、一言で表せるほど簡単ではありませんでしたが、そのおかげで少しずつ前向きな変化が生まれています。そして何より、キャリアについて夫婦で話せるようになった今、駐在生活もより充実したものに感じられるようになりました。

4. 駐在を夫婦・家族の成長の機会に変える

海外駐在生活は、家族にとって大きな試練の連続。言葉や文化の違い、子どもたちの新しい環境への適応、夫の仕事の忙しさーーすべてが重なり、私たち夫婦はそれぞれ必死に役割をこなしていました。でも、その"必死さ"がかえってお互いを見えなくさせ、家族全体の雰囲気をぎくしゃくさせていました。

そんな中、「この駐在期間をどう捉えるか?」を考える必要があることに気づきました。駐在生活をただの試練としてやり過ごすのではなく、「家族全体が成長する良い機会」に変えるために、夫婦で具体的な話し合いを始めたんです。

例えば、こんなテーマについて共有しました。

  • 私(妻)の働き方をどうするか?

  • 本帰国後の子どもたちの転校先や学校生活のサポートをどうするか?

  • 駐在期間終了後の生活を見越して、今やるべきことは何か?

これらについて夫婦で話し合いを重ねるうちに、私たちは「夫婦でひとつのチーム」として物事を考えられるようになってきました。お互いの役割を押し付けるのではなく、同じゴールを目指して協力する意識が生まれてきたなと実感しています。

"夫婦関係は手間暇をかけてこそ強くなる"
いろいろと偉そうなこと書いてますが、理想的な夫婦関係を築くのは簡単なことではなかったですし、今もまだ道半ばです。夫婦関係ってこんなにも手間暇をかけないといけないものなんだと気づかされる毎日で、世の中の動きや子どもの成長に合わせたりで常にアップデートしていて終わりが見えません。でも、その都度【夫婦はチーム】という考え方を思い出し、小さなすれ違いも丁寧に話し合うようにしました。

例えば、「駐在が終わったとき、家族としてどうありたいか?」というゴール(目標)を共有するだけでも、夫婦間の会話が具体的になり、徐々に日常の中での信頼感が増していきました。最初は「子どもが巣立った後〜」とか「定年後は〜」とかなり遠い未来を目標にしていましたが、まずは渡米の次に大きな壁になる本帰国に焦点を当てようと決めて、夫婦で話し合いをしています。

"駐在生活は夫婦の絆を深めるチャンス"
そんな日々を積み重ねた結果、駐在生活はただの試練ではなく、夫婦や家族全体の成長を実感できる時間に変わりました。お互いの価値観を言葉にして共有し合うことで、子どもたちへのサポートも自然と一貫性が生まれ、家族全体が落ち着きを取り戻していきました。

今では、私たち夫婦も「一緒に未来を描ける関係性」になり、日々の小さな喜びを共有できるようになりました。振り返れば、駐在生活が私たち夫婦にとって大切な再スタートのきっかけになったのだと思います。海外駐在が「夫婦関係を強固にする」か「夫婦関係を終了させる」かの2択だと言われてる所以を身に沁みて理解しました。

5. 今悩んでいる駐在妻さんへ

いま夫婦関係に悩んでいる方にとって、「夫婦で話し合おう」と言われても、それが簡単なことではないのは、私自身がよく知っています。
私も最初は、夫に本音を伝えることが怖くて、何をどう話せばいいのかわからず、いつも言いたいことが言えずに泣いていました。

でも、どんな小さな一歩でも、行動に移すことで変化は必ず起こります。
たとえば、

  • 「最近、どう思っている?」 と素直に相手の気持ちを聞いてみる

  • 「私がいま考えていることを聞いてほしい」 と、自分の気持ちを伝えてみる

  • 「今日何食べたい?〇〇と△△のどちらが良い?」 など、日常会話のやりとりを増やしてみる

直接の会話が難しかったら、LINEやメッセージで聞いてみるのもアリ!

最初から「モヤモヤしていることを全部話そう!」と思うとハードルが高くなってしまいます。だから、まずは夫婦の会話の量を増やし、少しずつ本音を話せる関係を築いていくことが大切です。


STEP1:まずは夫婦関係を見直す

夫婦のすれ違いが大きくなる前に、まずは「お互いの気持ちを話せる関係を作る」ことが最優先。日常の小さな会話から、少しずつ信頼関係を築いていってみて

STEP2:キャリアと家庭のバランスを考える

「駐在中は働けない」と決めつけるのではなく、未来につながる学びや挑戦をしてみるのも一つの方法。
VISAの種類や会社の規定で働けないこともありますが、「働けない=キャリアを諦める」ではないんです!と言いたい。

私自身、駐在当初は仕事ができない規定でしたが、その時間を活かしてデザインを学んだり、SNS発信を続けることでSNSマーケティングを学ぶことができました。その経験が、今では新しいキャリアの選択肢を広げるきっかけにもなっています。
リモートワークや副業ができる人はもちろん、スキルアップのための学び直し、オンライン講座の受講、ボランティア活動、コミュニティへの参加など、「今できること」に目を向けてみると、将来の選択肢がぐっと広がることもありますよ

STEP3:夫婦で「駐在後の未来」を話し合う

「駐在が終わったらどうする?」という話は、意外と夫婦でしっかり話せていないことが多いです。夫婦でお互いのキャリアやライフプランを話し合い、共通の目標を持つことが、これからの人生を豊かにしてくれると信じてます


駐在生活という特別な環境は、普段は避けがちな本音の話をするチャンスだと思っていて——
「夫婦で向き合うのが怖い…」「いまさら関係を変えられるのかな…」と思っている方も、完璧である必要はないし、焦る必要もないです。

私たち夫婦も、最初はお互いを誤解し、傷つけ合っていました。でも、小さな変化を積み重ねることで、夫婦としての絆を強めることができました。
そして今では、「駐在生活を家族全体の成長のチャンスに変えることができている」と心から思えます。

そして、夫婦がチームでいることのメリットは、駐在生活が終わった後も続いていきます
駐在期間中に築いた"本音を話し合う関係"や"一緒に未来を考える習慣"は、その後の人生でも夫婦の土台となり、次のキャリアやライフステージの変化にも対応できる強さになる。
子どもの受験や親の介護といった、世の中では扱いにくいとされる話題も、ふだんから夫婦で話す習慣があれば問題なくできるようになるはず。

「駐在が終わったら関係も元に戻る」ではなく、「駐在を通して夫婦のチーム力を高めたからこそ、その後の人生も一緒に乗り越えていける」—— そう思えるような関係を築いていけたら、最高じゃないですか?

いまこの記事を読んでいるあなたが、夫婦としての「最初の一歩」を見つけてみたいなって思えたら嬉しいです。
どんな小さな一歩でも、それが未来を変えるきっかけになるはず。
そして、駐在生活が終わる頃には「夫婦で一つのチームになれた」と実感できるような関係を築いていけることを願っています!


編集後記

ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

このnoteの公開は渡米して3年目に行っていますが、執筆自体は約1年前です。noteで公開するほどのものなのか?と踏みとどまり、Instagramで夫婦関係についてかいつまんで発信していました。ですが、想像以上に反響をもらい、私のかいつまんだ発信だけで夫婦関係を見直そうと行動に移してくれたフォロワーさんたちがいらっしゃいました。
それだけでも嬉しかったのですが、さらにフォロワーさんたちから「夫と本音でぶつかって、わだかまりがなくなりました😭ありがとうございました」と何通ものDMが届くようになり、私の経験がどこかのご夫婦・家族の幸せを助けたという実感が、いつの間にか迷いをなくしていました。

駐在が決まった瞬間から夫にモヤモヤし、渡米後も1年間、つまり合計1年半近く夫婦関係にモヤモヤ苦しんでいた無駄な時間を取り戻せるなら取り戻したい。でも、時間は巻き戻せない。
せっかくの期間限定の海外駐在なのに100%楽しめなかったり、海外にいるというアドバンテージを活かせないのは人生損してると、過去の海外駐在帯同経験から知っていたのにも関わらず、私は失敗しました。
ここまで読んでくださったプレ駐在妻さんであれば、どうか私と同じ道は歩んでほしく無いですし、同じように海外駐在帯同中であれば、一刻も早くモヤモヤを晴らして海外生活を大いに楽しんで欲しいと願っています。

さいごに…左上の♡いいね押してくれたら嬉しいです🥹✨


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