見出し画像

感情の「全波整流回路」はコトバで創る

こんにちは、AICLASS G2(ジーニー)です。

今日は「感情の『全波整流回路』はコトバで創る」というテーマでお話しします。感情には「ポジティブ」と「ネガティブ」がありますが、多くの人にとって「ポジティブ」な感情がいいもの、「ネガティブ」な感情はわるいもの、として排除しがちです。しかし、本来はどちらも自分の力に変えていくことができます。今回はその方法を一緒に考えてみましょう。

今日はソフトウェアエンジニアがひょっとしたら嫌いかもしれないけど、一度は勉強したであろう電気回路のはなしを使って説明します。心してかかってください(笑)

「ポジティブ」信仰の落とし穴

私たちの社会では、「ポジティブでいること」がとても良いことだとされています。ポジティブな気持ちがあれば、困難も乗り越えられるし、良い結果が得られると考える人は多いでしょう。でも、ポジティブ信仰が強すぎると、「ネガティブな感情はダメなもの」として避けたくなってしまいます。でも、そうすると逆に自分を苦しめることになることもあります。

ネガティブな感情をダメなもの、と思い込んでいませんか?

実際には、ポジティブな感情もネガティブな感情も、どちらも大切なエネルギーです。ネガティブな感情を無理に消そうとすると、それがたまって大きな負担になり、いつか突発的な病気のような形でぶり返してしまうことがあります。これを私は「13日の金曜日に復讐に来るネガティブ感情🤭」と呼んでいます。

生き埋めにしたネガティブ感情はいつか仕返しにやって来ます

だからこそ、ネガティブな感情も受け入れて、どうやって役立てるかを考えることが大事。そう、ネガティブ感情も「きちんと成仏させてあげる」ことが必要なのです。

電気の「交流」と感情の「流れ」

日常で使っている電気製品は「交流電源」で動いています。交流電源では、プラスとマイナスの電圧が交互に流れています。この両方の電圧があるからこそ、電気製品はちゃんと動くのです。

電化製品は+と-の電気で動いています

これを感情にたとえて考えてみましょう。私たちの感情にも、ポジティブな気持ちとネガティブな気持ちが不規則ではありますが交互に現れます。どちらか一方だけが良いというわけではなく、どちらも私たちにとって大切なエネルギーです。ポジティブな感情だけでなく、ネガティブな感情もうまく使うことで、もっと豊かな感情の流れを作ることができます。

「全波整流回路」とは?

電気製品には「全波整流回路」という仕組みがあります。この回路は、私たちの電気製品を動かす交流電源のプラスとマイナスの両方の電圧を、すべてプラスに変えて使いやすくするものです。(語弊がありますが、ここでは無視しましょう)

つまり、プラスとマイナスの両方を、必要なエネルギーとして最大限に活かす仕組みです。

感情でも同じことができます。ポジティブな感情もネガティブな感情も、どちらも「全波整流」することで、自分にとって役立つエネルギーに変えることができます。

そして、そのために必要なのが私は「コトバ」だと考えています。コトバを使って感情を表現し、ネガティブな気持ちにも意味を持たせることで、それを行動の力に変えていくのです。

ネガティブな感情を言葉で行動のエネルギーに変換する

ソフトウェアエンジニアが関わるプロジェクトだって、人が関与しています。プロジェクトメンバーの士気は、プロジェクトマネージャーや管理職の言葉がけで上がったり下がったりするのをあなたも感じたことがあるでしょう。

コトバで感情を整える

どうやって感情を「全波整流」するのでしょうか?その鍵は「コトバ」にあります。ポジティブな感情は自然に良い方向に働きやすいですが、ネガティブな感情はそのままにしておくと心に溜まってしまいます。そして、使用されないまま心の中に残り続けるため、私たちはたまに「ストレス発散」と称して、ネガティブな感情を捨て去ろうとします。

ネガティブな感情は、扱うのに手間がかかります

この時に、ストレス発散が上手い人は適度に受け流すことができますが、以前の私のようにそうでない人は、やがて脳内がストレスで支配されていき、休みの日も数分ごとに仕事のことを考えている…などということが起きます。

しかし、もしそのネガティブな感情を自分が前に進むためのエネルギーとして使うことができたらどうでしょうか?感じたくなかった「負の感情」、それが自分にとって「あってよかったもの」と思うことができたとしたら、自分が前に進むためのエネルギーとして使うことができるのではないでしょうか?

そんなうまい話があるのだろうか?そう思われるかもしれません。でも、私は可能だと考えます。

あなたも一度ぐらいは、嫌な経験をした時に「いい勉強だと思って」とか「授業料だと思って」みたいな捉え方を周りの人に提案されたことはないでしょうか?でも、そう思えないのが人間です。その後もはらわたが煮えくり返って、何度も何度も嫌な思いをする。場合によっては、何度も思い出すことで自分を否定して、鬱になっていく。私にもそんな経験があります。

薄っぺらい言葉ではネガティブな感情を前進する力に変えることはできない

なぜ、「いい勉強だと思って」とか「授業料だと思って」という言葉では、自分の感情が整えられないのでしょうか?

それは、本当のあなたは「いい勉強だと思って」とか「授業料だと思って」なんてことは、心の奥底では微塵も思っていないからなのです。他人が用意した安っぽい「感情変換機」としてのコトバでは、あなたの感情はひっくり返せなかっただけなのです。

では、どうすればいいのかと言えば、あなたが納得する「感情変換機」となるコトバをあなた自身の手で見つける必要があります。

あなただけの変換の言葉を自分でみつける必要があります

ストーリーを通して「全波整流回路」を作っていく

個人的にこの時におススメなのが、小説を読む、ということです。

私はソフトウェアエンジニアでしたから、読む本はほとんどが技術書でした。本と言うのは、情報を効率よく入手するための仕組みでした。インターネットに散らばる情報をまとめてくれているものが本であり、自己啓発書はともかく「小説なんて時間のムダ」だと思っていました。

本は時短のためにあると思っていました

そんな私が、何の因果か速読講師となったことをきっかけに、技術書以外の本を読むこととなりました。そうして、本を読むようになった時に薦められた一冊の本との出会いで人生が変わりました

それが、小説家 喜多川泰さんの「福に憑かれた男」という小説でした。中高生を教える塾講師だった喜多川泰さんは、多感な中高生の感情を「整流」するプロの作家さんです。小説というのは、場面を設定し、登場人物を用意し、複雑な感情を言葉で操ります。

小説は感情を言葉で扱い、すこしずつその方向を変えます

そこには、中高生だけでなく、大人も共感する「葛藤」のシチュエーションが数多く描かれます。それを、丁寧に丁寧に、一つ一つ紐解きながら考え方のプロセスを伝えてくれるのが喜多川作品の魅力でもあり、人によっては「自己啓発小説」と呼ぶ人もいます。

一般的な自己啓発書が、親や尊敬する人から聞いた「いい勉強だと思って」とか「授業料だと思って」ぐらいの薄いものだとしたら、「いい勉強だと思えるまでのプロセス」を十数ページをかけて、追体験できるのが喜多川さんの小説の魅力です。なんども、言い方を変えてそう思えるようになるまで言葉を尽くしてくれます。そして最後は、「それでもその考え方を採用するのはあなたですけどね」と、そっと「こちらの自由」も残しつつ手渡してくれる優しさを残しています。

エンジニアなら、ブラックボックスの中身を覗きたいと思いませんか?

ソフトウェアエンジニアならば、プログラムがブラックボックス化されているのはとても気持ち悪いでしょう。関数が使用通り動かないときに「外部ライブラリのバグなので分かりません」というときの気持ち悪さに似ています。感情も、あなたの無意識のプログラムコードの集まりだとしたら、その内部ロジックを知り、デバッグしたいと思いませんか?

きっかけとなる本はなんでもいい

もちろん、さまざまな著者の方がいますから、あなたにとって「浸透度」が高く「共感度」が高い作家さんを選んでください。それは、奇しくも効率化を第一に考えるソフトウェアエンジニアにとっては、鬼門ともいえる「小説」に隠されていると私は考えます。

忘れてほしくないのは、作品に出てきた言葉で、あなたの「負の感情」が少しでも上向いたのだとしたら、あなたはコトバにできないまでも、それをすでに知っていたからこそ「共感」できたのです。そうです、仕様としては持っていたのに、それを使用する方法を知らなかっただけなのです。

本はあなたの内側にあるあなたを動かす言葉を見つける音叉です

そうやって、あらゆる場面での「負の感情」を「ちょっとだけ上向きにするコトバ」を集めていくと、あなただけの「全波整流回路」ができ上ります。気づけば
嫌な感情を誘発する出来事にも飲まれない(Resilience:レジリエンス)
✅すぐに復活できる(Regain:リゲイン)
✅逆境すら味方にできる(Renewal:リニューアル)
そんな自分ができ上っていることに気づくでしょう。

まとめ:感情をすべてエネルギーに変えよう

ポジティブもネガティブも、どちらも私たちにとって大切なエネルギー源です。電気製品がプラスとマイナスの電圧で動いているように、私たちも感情の「交流」を受け入れて、そのエネルギーを使っていくことが大切です。

「全波整流回路」のように、どちらの感情もコトバを使って自分にとって役立つエネルギーに変えていきましょう。ポジティブだけでなく、ネガティブな感情も自分の一部として受け入れて活用することで、もっと強く、バランスの取れた自分を作ることができます。

さあ、今日もコトバで感情を整え、自分のエネルギーを最大限に活かしていきましょう。


いいなと思ったら応援しよう!