日本で唯一の常設保税展示場【Aichi Sky Expo DID YOU KNOW? #1】
日本で唯一の常設保税展示場である、Aichi Sky Expo。とは聞くものの、いったい保税展示とはどのような仕組みで、主催者、展示者にどのようなメリットがあるのでしょうか。今回は、保税展示について、さらにAichi Sky Expoで保税展示制度を利用するにはどうすればよいかなど、わかりやすくお伝えしていきます。
保税展示とは
保税展示場とは、"国際的な規模で行われる博覧会や公的機関が行う外国商品の展示会などの運営を円滑にするために、外国貨物を関税などを課さないままで、簡易な手続により展示したり、使用する場所として設けられたものです(税関HP引用)"。
一時的にイベントにより保税展示を行うことは、日本各地の会場で行われていますが、常設の保税展示場はAichi Sky Expoのみとなっています。先日、9 月9日から12日にかけて、Aichi Sky Expoで行われた「ワールドロボットサミット2020」でも保税展示が行われました。
また、名古屋税関の方が当イベントに合わせて、保税展示についての動画を作成してくださいました。保税展示の仕組みがカスタム君によってわかりやすく説明されていますので、ぜひご覧ください。
保税展示と通常展示の違い
保税展示のメリットとしては、関税が免除されるのはもちろんのこと、通常展示物が通らなければいけない税関でのステップが簡略化されるため、展示会場に届くまでの時間を短縮できるというメリットがあります。
ただし、保税展示物はあくまで展示物として関税が免除されているため、売却、譲渡、消費、廃却などは禁止されています。
さらに、通常展示物と同じく貨物に対する保険加入は必須となっています。また、通常展示物とは違い、保税展示物は日本へとの入荷時と出荷時、同じ状態(重さ、形、素材など)でなければいけないため、展示者は貨物の維持管理を徹底しなければなりません。
保税展示をする際は以下のことも禁止されています。
● 次回の展示会のために保税展示物を申請無しに自分自身で持ち帰る行為
● 保税展示を利用しなかった貨物(例えばプロモーション目的の贈答品のあまり)と一緒に梱包し、送り返す行為
● 正式な税関での認証プロセスを経ずに、保税展示物をイベント参加者に配布する行為
保税展示できるもの、できないもの
それでは、具体的にはどのような貨物を保税展示物として扱うことができるのでしょうか。
前述の通り、保税展示物は日本への入荷時、出荷時に同じ状態(重さ、形、素材など)でなければいけません。従って、配布、消費、売却などを予定しているものは、保税展示物として認定することができません。例えば、カタログ・パンフレット、プロモーション目的の自社のグッズ、販売用の商品、来場者への配布が想定されるサンプル品などは、保税展示物として日本に入荷することはできません。
従って保税展示が許されるものは、展示のみを目的としたもの。ワールドロボットサミットで展示されたロボットや、モーターショーの車などはよく保税展示物として扱われます。
Aichi Sky Expoで保税展示を利用するには
では、Aichi Sky Expoで保税展示制度を利用するにはどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。
1. 保税展示を希望される出展者より、貨物の内容、数量、梱包材のサイズをご連絡いただきます。
2. 貨物の内容から保税展示の利用が可能であるか確認をします。
3. 保税展示貨物が確定したら、貨物の展示場所や動線を考慮し、Aichi Sky Expoが荷物の大きさに合わせた保税地域の増坪(*)申請を行います。増坪の期間も貨物の搬入出日に合わせます。
4. 貨物が本邦に到着したら、出展者は簡易な申請を行い保税運送で貨物をAichi Sky Expoに輸送します。搬入確認後、貨物は展示されます。(保税地域外への貨物の移動はできません。)
5. 催事終了後、貨物搬出時に貨物内容が搬入時と変わりないか確認します。出展者は貨物を輸出用保税倉庫に送り、貨物を海外へ積戻します。
中部国際空港に隣接する立地を生かした、Aichi Sky Expoの保税展示、ぜひご利用ください!
お問い合わせは下記まで。
contact@aichiskyexpo.com