凸凹事件簿① 「中華そばはラーメンじゃないよ」の巻
コロナの緊急事態宣言が解除され、電車でお出かけした日のこと。
お昼ごはん、ラーメン屋さんで食べたいね!と中華そばを謳う店へ向かう。
店の外で食べるモノを確認し、ムスコに「何食べたい」と聞くと「ラーメン!」と答えた。
じゃあ、中華そばでいいなと券売機でチケットを購入。
席が空くのを待っていると、ムスコが不安そうに「ラーメンを食べるんだよ!」と訴えていた。
『中華そば=ラーメン』がつながらないのか…
実物見れば納得するだろうと、甘く考えていた。
順番が来て席に着く。
次第にムスコの不安が高まっているように見えた。テーブルに注文した中華そばとつけ麺が届く。
中華そばを見せても、ムスコはラーメンと認められず不安と怒りでパニックとなる。
店内に響くギャン泣きを落ち着けようと、スマホで動画を見せるが効果なし。
焦る両親はお店や他のお客に迷惑をかけまいと、ひたすら中華そばを平らげる。
せっかく楽しみで食べに来たのに、味わう余裕もないなんて…
よくよく聞くと『塩らーめん』が、彼の食べたい『ラーメン』だった。
この状況でさらに注文するのか…?
本当に頼めば落ち着くのか…?
両親はこの時、追加注文をせず早く店を出る方を選んだ。
お店の人も気遣ってシールくださったり、塩らーめんのスープ持ってきてくださった。
一応お礼を言って出たけど、本当に逃げるように店を出た。
店を出てから、ムスコの怒りはおさまらず。
白昼の中、ギャン泣きの子と40分くらい向き合う。
ラーメンの意味が分からず間違ってごめんね。お父さんお母さんが悪かったよと伝えたが、怒りはおさまらず。 あの店に戻って塩らーめん食べるんだ!と主張する。
正直、あの店には戻りたくない。
駅に向かおうとするが、全力で押し返してくる。
もう落ち着かせる術がない。
私はキレて「好きにしろ!一人でいってこい!」で少し空気が変わる。
「お父さんお母さんは謝った。それを許す心を持ってくれ!妥協を覚えないと困る!」
この『我慢』『許す』『妥協』は凸凹ちゃんには難しいと思うが、教えていかないとなぁ…
むりくり駅に着き、改札前にサーティワンがあった。何も食べれていないムスコ。
さすがに不憫と思い「アイス食べるか?」と聞いた。ムスコも我に返ったようで「食べる」と気を取り直してくれた。
このアイスで落ち着いてくれたけど
あのパニック時にアイスだの、オモチャだの言っても効果がない。
パニックを落ち着ける方法も見つけていかねば。
たくさんの人達がコロナで色んなモノを失ったと思う。
我が家は今まで積み上げてきた、こういった経験がゼロになった。
また一から出直しだ。頑張っていくしかない。