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「ちょっと感想が長いけど、こんな園だったんですよ。」の巻

その日はスペシャルオープンデーと銘打ってあった。園にいるウサギ、モルモット、亀とふれあったり、ヤギ、チャボ、あひるにもエサを持ってきてあげて良いようだ。最近ムスコはペット動画番組がお気に入りである。これなら声かけやすい。「ヤギのいる幼稚園に遊びに行こうよ」と誘う。ノリノリではないが、拒否はしなかった。

このK幼稚園は療育センターの近くだった。乗りなれたバスであったので、私の心の負担も少なかった。けどまだ、バスの時間に合わせて行動するのはイヤだなぁと思いながら、園に向かっていた。

バス停を降りると子連れのママ達がたくさんいた。おそらく2歳から3歳児。これから入園を希望してる子らを連れた親子。5歳児はウチだけだろうなぁ…と少し自虐的な気持ちになったが、遊んで帰ればいいや!と気を楽にした。

門をくぐると、広い園庭はたくさんの人でにぎわっていた。ゲージに入れられた動物をさわる人、ターザンロープにぶら下がり遊ぶ子、ギターを弾くおじさん(園長だった)、先生なのか保護者なのか分からないが大人も多い。もちろんその中で子ども達は元気に遊び回っている。なんだかすごい活気があるなぁ…と思った。

ヤギが見当たらず、近くの大人に声をかけると坂を登った先にあると教えてもらった。ヤギ小屋に向かうと園舎があり、教室の中が見えた。教室で遊んでる子もいるんだー。前の園なら、みんな外にいる時は教室にいてはいけない感じだった。怪我とか事故の関係上そうしてるんだと思うけど、ここは外にいても中にいてもいいのかぁ。

ヤギにキャベツを与え終わり、さてどうしょうか?となった。教室の前にもウサギがいたので、見せてもらおうと近くの園児に「ウサギも見ていい?」と聞いてみた。声をかけた男の子は、自分はウサギ組だと教えてくれ、教室教えてあげる!と言う。彼の言うままに靴を脱いで、園舎にスルスルと入らせてもらった。お世話にもキレイとは言えない園舎だけど、使い込まれた木の床に踏み潰された牛乳パックが転がっているのを見て、私は「ここはずいぶん自由な感じがする!」と確信した。

ウサギ組には男の先生がいた。「見学いいですか?」と聞くと「どうぞ、どうぞ」と気安い。何人かいた園児も、「誰のママ?」と聞いてくるが教室いても問題ないらしい。別の男の子は「これ使っていいよ」とクレヨンや粘土やハサミやらを持ってきてくれる。ムスコはアウェーでも平気なタイプだが、こんなにウェルカムな現場は初めてだ。ムスコは誰かが持ってきてくれた紙に絵を描いていた。

すげーなココ。壁がないよ。大人も子どもも心の壁がない。

オープンデーの締めくくりに年長さんがダンスを披露するとのことで、ウサギ組に紛れて園庭へ移動。曲名は分からないが、今どきの洋楽に子ども達は楽しそうに踊っていた。ドサクサに紛れて飛び入りしても怒られないだろうなぁ、と感じる何かがあった。

途中気づいたのは、ここの園児はマスクをしていない。先生達は透明な口元だけのカバーはしていた。園長の話も短く分かりやすかった。子ども達の力を信じること、大人が持ち込まないこと、この話をさっきしていた。園長は新型コロナに対する考えをしっかりもっているんだと、私は感じた。

すっかり時刻は降園時間(水曜なので半日)となっていた。通園バスが気になるムスコは、バスの中も見たい!と言う。さすがにそれはムリだろう、と思ったけど、念の為バスの運転手さんに聞いてみたら…「どうぞ、どうぞ」だって。

なんだよ、ここ!みんな壁なさすぎるー!

身構えて行ったオープンデー。驚きが多すぎて、来週も行くことにした。前の園とは空気が違う。この空気は誰が作っているの?そして翌週も意外な展開が待ち受けていた。乞うご期待!






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