「一年前の自分に伝えたい。その答えは子どもの中にあるということを」
今日は保育参観と懇談会だった。
この時期、絵本を元に表現する楽しみや、仲間と作り上げる体験を年中さんはやっていたようだ。
参観でその劇のようなモノが観れるんだろなぁ…と思っていた位だった。
思い返せば去年の今頃、発表会の練習でムスコは何かしら受け入れられないモノがあり、登園拒否が始まった。
今は新しい園で楽しく行けてるだけで、親は満足していた。
昨日、幼稚園で作った招待状を持って帰ってきた。
演目に合わせて、手袋の形の招待状。
「一番に見に来てね!」とムスコから言われ、「わかったよ!」と答えた。
楽しみなんだなぁ、お母さんに観てほしいんだなぁが感じられる。
園に着いて教室の前に行くと、まだ準備中。
もう少し待っててくださいね〜、と先生。
お当番さんの二人が母親達に「入っていいですよ」と言いにきたようだが、モジモジしていてる。
業を煮やした他の園児達が、自分達の母を教室にひっぱりいれる形で開場となった。
ムスコは私にココに座って!と特等席に案内してくれた。
会場はいつもの教室。
舞台はなく、衣装もお面もない。
ただ部屋の真ん中に、大きな大きな手袋の形に切り取られたダンボール。
カラフルなガムテープで装飾されていた。
壁に沿って、いくつかの草むらを模したダンボールもあった。
最初に「どんぐり坂のどんぐり」を合唱してくれた。
元気よく歌う子、少し恥ずかしそうに歌う子。
歌詞がすこし紛らわしいのか、時々先生が導いてくれる。
目の前で子ども達がマスクも無しで歌っている。
今までなら当たり前が、今はとても勇気のいることに感じるから不思議。
そして、絵本「てぶくろ」のお芝居が始まる。
おじいさんが落としていった手袋に動物達がドンドン入っていくお話。
草むらに動物になりきった子ども達が潜んで、自分達の出番を待っている。
くいしんぼねずみ。
ぴょんぴょんがえる。
はやあしうさぎ。
おしゃれぎつね。
はいいろおおかみ。
きばもちいのしし。
のっそりぐま。
沢山の動物たちが、順番に手袋に入っていく。
みんなで声を合わせてセリフを言い合い物語が進んでいく、セリフを忘れて助け合う場面もあった。
それぞれの役に合わせて飛び跳ねたり、力強く歩いたり工夫が見られて、子ども達が生き生きしてた。
ムスコは一人で、きばもちいのししをやった。
とても大きな声で、身振り手振りを加えて役になりきっていた。
転園してまだ1ヶ月半、他のお母さんから見たら一人ですごいじゃん!て思ってくれるくらい立派だった。
けど私は、去年舞台袖で動けなかった姿が目の前に浮かんで涙が溢れてきた。
ムスコは、ムスコは本来これくらいの明るさとやる気と元気をもっている子なのだ。
それが去年、まったく発揮できなかったのだ。
嬉しくて、誇らしくて、色んな感情が一瞬で巻き起こって涙が出たんだと思う。
楽しい劇中に涙するのは子ども達に申し訳ないと思い、なるべく涙を止めようと思った。
けど、周りの母達は泣いてる私に気づき、「わかるよ、その気持ち」とやさしく肩をたたいてくれた。
劇を終え、ホッとしたような子ども達。
先生が感想を親に求めようとしたが、なぜか子ども達に聞いてくれた。
なんだか陳腐な感想では、この子達に失礼な気がした。
その代わり盛大な拍手と、握手をして参観は終了となった。
今日のやりきった姿を見て、答えはムスコの中にあったんだなぁと思う。
この姿をダンナにも見せてやりたかった。
環境て大事なんだな、と改めて思った。
今、小学校をドコにするか決めかねている。
けど、大事にすべきコトのひとつがハッキリした気がする。
今日という日を忘れないように、記録する。
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