見出し画像

その先の景色

こんにちは、aicafeです。
40代、人生時計で14:00頃に差し掛かったところです。
これからの人生の午後の時間の過ごし方を模索中です。

大学時代の友人が、イギリスの大学院に留学すると知りました。

わたし達はアメリカの大学のサマースクールに一緒に参加し、その後彼女はアメリカの大学に一年留学。留学から戻った後はジャーナリズムの研究室に所属し、卒業後は新聞社に就職しました。若くして出産し、シングルマザーとしてお子さんを育てながら記者として地道に力を蓄え、署名記事を書くまでになり、お子さんも成人しました。
側から眺めれば輝かしい半生に見えますが、本人の内ではさまざまな葛藤を抱えながらの20年だったとのこと。

子育てがひと区切りし、ふと昔の自分が本当にやりたかったことを思い出し、海外の大学院留学に向けて動き出したそうです。複数の大学院からオファーを受け、そのなかの一つの大学院がイギリスにあり、仕事を休職して進学することを決めたのです。

すごい。かっこいい。
そして、自由だ!と思いました。
まだまだやれるんだ、わたし達の世代も。

でも翻って、では自分は?と自問すると、黙ってしまう。

わたしのやりたいことって、なんだろう。
やりたかったことって、なんだろう。
積み上げてきたことは?
仮に今からなにかやるとして、それにつながるわたしの武器とは?
あと、軍資金は?

かつては同じ場所に立っていたはずなのに。
いつの間にか大きな隔たりができていたのだと、
その事実に呆然としてしまいました。

・・・・・・・・・・・・

それからしばらく経ったある日、わたしはラジオ『パンサー向井の#ふらっと』をタイムフリーで聴いていました。
向井さんが昔から大ファンの「ゆず」のお二人をご自身の冠番組にお迎えするという記念の放送回でした。


ゆずのお二人は、「もういい歳だし」と言いつつも、「でもまだ伝えたい歌があるから」新しいアルバムで一歩踏み込んで挑戦したことについて語っていました。
また、若くして大舞台を踏むことに躊躇いつつも、自分たちが憧れてきた先輩たちもこの戸惑いを受け止め乗り越えてきたのだろうと今思うこと、そしてその先に見えるものが必ずあることを知ったことなどをお話しされていました。

わたしは友人のイギリス大学院留学と重ねました。

多分友人も挑戦をしながらシンドイと思うことはあったはずです。
でも、それを乗り越えた先の眺めを、今彼女は見ているのだと思います。

わたしも、そういう景色を目にしてみたい。
それはイギリス大学院留学ではないし、
新アルバム制作でもないのですが、
四十を過ぎて何もなく思える自分であったとしても、自分を信頼して、挑戦して、その暁に眺める景色がどんなものなのか、知りたいと初めて思いました。

平穏無事に過ごしていることに幸せを感じるタイプの人間のわたしとしては、ふと灯ったこの火は思いがけないものでした。
絶やさずに、しばしその炎に薪をくべながら、過ごしてみたいと思ったのでした。

いいなと思ったら応援しよう!