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相棒S20 第5話「光射す」感想

池上脚本真骨頂の
「皆が目を背けてるけど確かにある現実」
を痛いほどに抉ってくれた話だった。
視聴者を惹きつける為の事件として少女誘拐、ファンサとしての亀、でも主軸は5080問題っていう構成が良い意味で憎たらしい。
自分のような下衆視聴者だと
「少女は2ヶ月監禁されてナニをされていたんでしょうゲヘヘ」
みたいな気持ちにもなるけど、そこに対してのカウンターパンチを見事に食らいました。
更生します。

【感想】
結局問題は何も解決していない。
・娘は心神喪失状態
・引きこもり息子は外に出ただけ
・富士子さんは逮捕
・水木さんは失職中
このように絶望のENDって捉え方も全然できる。
しかしサブタイの如くこの状況に「光を射す」と。
・娘さんは救助された
・引きこもり息子も外に出る事ができた
・富士子さんは息子から解放された
・水木さんは娘との時間を持てるようになる
こういった解釈に一気に変わる。
亀についても、決してただのファンサに留めておらず光に当たる為に外に出るという暗喩も込められており心憎い。
S13「サイドストーリー」といい池上脚本回のサブタイは本当に内容に更なる深みを与えてくれて最高やね。

MVPは間違いなく富士子さん。
水木の境遇を自身に重ねてサヤカの為に奮闘する姿は感動する。
とはいえ紅林宅に潜入し、彼を一撃で昏倒させて、サヤカさんを1キロ以上運ぶってのは鉄人過ぎる。
でも今回は親から子への愛ってのもテーマにあるだろうし、80歳でも子供の為なら頑張れるってのが本当に素晴らしいと思う。
勿論尽くしすぎて引きこもりを生み出したり自身が疲弊するほどは良くないけどね。
薄い壁だから「子供が不幸なのは全部親の責任」という言葉が届いたのか、卓司が最後の最後で部屋を出るってのは最高。
そんな卓司に驚き喜びながらも寄り添わない富士子さんも確かに成長してる。
しかし水上さんは富士子さんに罪が及ばないようにサヤカ救出自体を隠蔽してたけど、今後どうするつもりだったんだ?
裏で治療するのは分かるけど社会復帰させる際はどうしても救出も発覚するでしょ…
ここら辺の説明は欲しかったな。

【小ネタ&雑感】
•ビール飲みたがりな青木良き良き
•S17「うさぎとかめ」で亀の生態に詳しい右京
•亀山より右京の方が手が掛かってた
•カーペットくらい調べろ鑑識
•サヤカの出血って何の血?
•卓司がやってるゲームが一瞬前回の"デッドウォリアー"に見えた
•引きこもり描写がリアルでツラい
•次回以降もコテマリに亀いるのかな
•水木さんの部下を怪しんだけどただの良い人だった
•「人生ゲーム」で使われたアパートと同じだよね

【次回】
警察庁長官官房総務課長の山崎さん再登場!
…ではなく別役として菅原大吉さんがゲスト。
脚本は3年ぶりで、それこそS17「うさぎとかめ」を書いた森下さん!
…だけど正直S13「14歳」以外個人的なヒットはないんだよな。
小説家の不審死みたいなお仕事系殺人事件であまり興味が湧かないのも本音。
面白くあって欲しい!!

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