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思い出のあるルート(フリークライミング)

どうも。たごさくです。
ロープを使ったクライミングを初めて6年になります。
現在(2024.10月)のMAXグレードは5.13aであります。
ここまで来る中で思い出のあるルートを紹介していきたいと思います。


はじめに

なぜ今回このような記事を書こうと思ったかと言うと
自分は登るルートを選ぶにあたって「岩の見た目」「ルートの内容」「星付き」だけでなく、「〇〇さんがやってた」「〇〇さんが目標としていた」「〇〇さんが楽しいって言ってた」「〇〇さんの思い入れのあるルート」など人関連に選ぶことが多いなと思います。

その人が歩んできた道のりをどこか体験できるかのような気がして。そんな感じで選ぶことが多いです。

たかがまだまだ5.13aですが、ここに来るまで5.7のルートから色々なルートを触ってきて色んな思い出を作ってきました。

この記事を見て「たごさくが思い入れのあるルートだからやってみよう」なんて自分と似た様な感覚を持った人たちに届いたら良いなと思って紹介していきたいと思います。

登ったルートはROCKTOPOというサイトに記録してます。
リードだけなら記録してるだけでも250くらいは登ってきたらしい笑


※今回紹介するルートは長野に移住してからクライミングを始めたので長野界隈のルートが多いかも・・・

5.7~5.9

湯の街旅情(5.7):坊抱岩

長野県の坊抱岩にある景色抜群の好ルート。
クライミングの内容は緩傾斜のフェース〜スラブチックのルート。
長さも10m?くらいの短いルートであるが終了点に着くと景色は抜群。
岩場のお膝元にある戸倉上山田温泉を見渡せる最高なルート。
はじめてのリードにもおすすめ。

湯の街旅情 5.7

川上小唄(5.8):小川山マラ岩

マラ岩にある低グレードで人気のルート。
アップに使ってる人も多いのではないでしょうか?
このルートは自分が初めて小川山でリードをしたルートになります。
ただボルト感覚はランナウト気味。
それにめちゃくちゃスラブチック。

入門入門っていうけど絶対入門じゃない!
正直初めてのリードにはおすすめは出来ない。笑

なぜ僕はこんな怖いルートをやらされたのでしょうか笑
ただ登った先にはマラ岩から見える抜群の景色が待ってます。

川上小唄 5.8

ジョイフル・ジャム(5.8):小川山弟岩

今となっては最高な仲間である2人(ナミエさんとカナさん)と出会ったルート。

このルートで会う前に八ヶ岳で自分の車がスタックしたのを助けてくれたり、その次の春に小同心クラックで会ったり。
このルートで会うのをキッカケに一緒にクライミングするようになった。
それまで自分は言わば「パートナー難民」であったがそれを解消してくれた2人でもある。
今となってはほぼ毎週一緒に登ってると言っても過言ではない。
まさにジョイフルな人生をくれたルート。

ジョイフル・ジャム 5.8(左にあるクラックを登る)

5.10a~5.10d

オー・ルージュ(5.10a):坊抱岩

再び坊抱岩。グレードは5.10aであるが絶対もっとある。
これをRPするのにはしばらく時間がかかった。
しかし前傾のフェースクライミングを堪能する事ができる。
多分自分1番難しい5.10a。笑
個人的にはこれを登れてようやく5.10aを卒業出来たと言えたような感覚。

オー・ルージュ 5.10a

ライジング・サン(5.10a):坊抱岩

100岩には載っていないルート。
温泉フェイスの右隣にあるルートです。
前傾壁でこれもグレード以上に感じるでしょう。
下部はランナウトしているので少し注意が必要。
振り返ればこれまた千曲市を見渡せる絶景。
風の通りもよく、気持ちい良いクライミングができます。
多分初めて登れた5.10aだと思う。

ライジング・サン 5.10a

カサブランカ(5.10b):坊抱岩

小川山のじゃないんかい!
って思うかもしれませんが、小川山の有名なあのクラックではありません。
このカサブランカが初めて坊抱岩で触ったルート。
その時はトップロープ。
出だし核心なルートで最初から何にもできず。
すぐにパンプ。全く登ることができなかった。
それでもダイナミックなムーブをさせてくれる好ルート。
これをRPできた時は嬉しかったな〜。
多分フリークライミング人生の中で最初に成果を味わったルートだと思う。

ちなみに最初のチャンネル名は「やまのぼるかい?」だった笑

ジャックと豆の木(5.10c):小川山妹岩

僕がクラックを頑張りたいと思わせてくれた1番の火薬と言っても過言ではないのが盲目のクライマー:會田祥さんのオンサイト動画をYOUTUBEで見たからと絶対的に言える。

この動画でただ盲目のクライマーが登るだけでなく、生命的な強い力とクライミングを楽しんでいる姿に惚れ惚れしてこの動画を見終わった後に「このルートは絶対登りたい!」と思って今までマルチくらいでしかやって来なかったクラックを頑張る様になった。そしてクラックの楽しさを教えてくれたルート。いつか會田祥さんにお会いしたい。

レギュラー(5.10c):小川山 マラ岩

このルートをOSした時は凄い嬉しかった。
ただ後にエクセレントパワーを登るためのヌン掛けルートとして何回も何回も登ることになった。
ちなみにエクセレントパワーをRPできた日の朝、レギュラーでふい落ちした笑

レギュラー 5.10c

5.11a~5.11d

登竜門(5.11a):佐久志賀 黄昏エリア

佐久志賀では珍しいハングルート。
頑張ったハングを超えた後に思わず1泊したくほどの座席が待っているのが味噌。
まだ11aが精一杯だった時に頑張って取り掛かったルート。
11を目指したい人にも13を登る人のアップにと全てのクライマーにおすすめできるルート。

登竜門 5.11a

ハートルート(5.11a):伊豆城山南壁

初めて登れた5.11a。
確か日本で1番最初にできた11だとか何とか。
結構色んな人に初めて登れた11をこのルートだというと「渋いねぇ」って言われる笑

完登シーンではないが、もがいている動画はこちら↓
(YOUTUBEはじめたばかりの頃の動画、笑)

アストロドーム(5.11a):瑞牆山十一面岩末端壁

初めてのクラックでの5.11。
昔は瑞牆マルチをするために前を通り過ぎていただけだったのこの周辺。
当時の自分からするとここのあたりで登っている人が猛者に見えた。
いざ自分が登る時になると全く猛者になったような気持ちにはならないのだが・・・

これを登れた事でクラックの視野が広がり、より難しいクラックへ挑戦したいと言う気持ちが出てきた。
次第には小川山3大イレブンクラック(蜘蛛の糸、イムジン河、バナナクラック)をも目標として掲げても良いんじゃないかと言う気持ちにもさせてくれた。(まだイムジン河しか終わってない。なんなら蜘蛛の糸はまだ触ってもいない)

ラ・メント(5.11a):兜山 甲府城エリア

次第にフリークライミングの機会が増えてきたと思えば小川山に通う頻度がだいぶ増していた。そんな中で小川山の新しいトポ(通称小川山本)が販売される事となり自分もよく行く事になる岩場だったので購入。
小川山本や瑞牆本を見ていて「いつか自分もトポに載って、この人がやってるルートやってみたいな〜」って思われるクライマーになりたいと思ってた。
そんな矢先に兜山のトポを作るにあたってモデルのお誘いをいただき断る理由が見当たるわけもない。
僕はへなちょこクライマーですが、写真はプロのカメラマン(岳美さん)に撮っていただきとても貴重な経験となった。
その撮影で1番最初に撮ってもらったのがこのルート。

ラ・メント 5.11a

コズミックワールド(5.11b):坊抱岩

またまた坊抱。
それだけ通っていた岩場でもありますんでご了承ください。笑

このルートは昔に所属していた山岳会の先輩が当時目標にしていたルートでもあって前述したようにカサブランカでボコボコにされている自分にとってはまるで遥か雲の上のようなルートだった。
触る日はあっても登れる日なんてこないんだろうな〜なんて思っていた。

その山岳会は解散。自分は無所属で色々活動することとなった。
次第に5.11aがちょろちょろ登れてきて、このルートのRP直前の12月に佐久志賀にある「ベジタリアン5.11c」が登れた事でこのルートもグレード的には登れるようになっているんじゃない?と思って次の春に開始。
当時はまだパートナー難民であった自分だったのでトップロープをかけ、ソロでひたすら練習。
この時はまるでOSなんて概念に美学は全く感じていなかったのが勿体無い・・・
でも夢のルートに取り付いている時間はすごく楽しくて充実していた。

今行っても必ず触るルート。

コズミックワールド 5.11b

パレアナフェイス(5.11b):尼厳山

このルートもコズミックと同じ様な気持ちのルート。
カチを繋いでポケットへ。その後薄かぶりを耐えていく感じ。

尼厳山はマイナーな岩場でもあるが、このルートだけ毎回行ってもめちゃくちゃチョークが残っている。
どこかのブログでこのルートは関東にあったら人気課題だろうとも書いてあった。
それだけ良いルートなのに実力不足で触れない日々が続いていた。
5.12が登れる様になって再び尼厳山に来ると見える景色が違っていた。
そして登ることができた。
昔から来てるエリアに来ると自分の成長を少しだけ感じられるのはちょっと嬉しくなる。

宇宙への旅立ち(5.11c):涼み岩

坊抱岩の下にあるエリア。
ボルトが錆びているのと湿っていることが多くて最近ではあまり登っている人は少ない。
今年の夏にずっと宿題だったのを回収できたルート。
最初に触ったのは多分3年前。
5.11bあたりが登れる様になって次なる目標にしようとしていたルート。
ただ前述したように環境があまりよくなく一回触ったきり放置。
何なら当時はアブも大量発生していてビレイしながら噛まれまくった思い出もあるくらい。笑

今年ふいに行く機会がありやってみたら登れる様になっていた。
昔の自分と比較できるようなルートは多分このようなところに上がってきやすいと思う笑

祝開店(5.11d):兜山 甲府城エリア

「ラ・メント」の時と同様に撮影のモデルとして撮ってもらったルート。
残念ながらトポに採用されなかったがこれも良いルート。
撮影時には登りきることができず。
そして結構難しく多分5日くらい通ったような気がする。
薄かぶりでボルダーチックだったりデッドでハンドジャムを決めたりとルートは短いものの内容の濃さは充実しまくり。
撮影してくれた岳美さんに「クライマーがこのルートを映えさせましたね」って言ってくださったのがめっっっっちゃ嬉しかった。

祝開店 5.11d

初夏(5.11d):甲府幕岩 メルヘンランド

現在グレードが当時5.11cだった頃、次なる目標とあげていたのがこのルート。
上部が核心で下部は5.8くらいのアプローチ。
いわばグラウンドフォールしにくいルートであるため取り付きやすく、思いっきり出しやすいと自分のスタイルに合っていそうであったため取り掛かることに。
はじめて触った日は太刀岡山左稜線のマルチが早くに終わりすぎたため甲府幕岩へ移動してから触った。
もちろん当時の実力では全然登ることはできず。
長野市から甲府幕岩は地味遠いため少しここで期間が開く。
その年の秋。パートナーが増え、甲府幕岩に行く機会が増えたことで再びこのルートに挑戦することになった。
その頃には「イエロークラッシュ」も終わっていて1枚皮がむけた感じ。
「イエロークラッシュ」でトータル底上げしてもらったおかげでRPすることができた。

なぜか落ちるシーンを切り取ったショート動画もバズった。

イムジン河(5.11d):小川山お殿様岩

はじめて小川山3大イレブンクラックの1角を落とす事ができたのがこのルート。
4年ほど前にこのお殿様岩のマルチで「大貧民ルート」を登った時にこのイムジン河を挑戦しているパーティがいて「うわ。こんなルート自分に縁がねぇな」なんて思ってた。
しかしそんなルートに挑戦しRPする事が出来た。
合計2日5便と自分にしては意外にも早く終わった。
でも1便目では全く核心で歯が立たず。何ならメンタルが凹んで帰ってきた。しかし2便目ですんなりとバラしが終わった。
1日目の最後、3便目最後の最後でヨレ落ちてしまった。
次の日気合いを入れ直してRP。
どんどんルーブが研ぎ澄まされて使うプロテクションも徐々に少なくなっていくこのトラッドの感じが凄く好き。って言う感覚を味わうようになったのは多分この頃から。

早くスーパーイムジンもやりたい。

吹雪き(5.11d):鳶岩

3ピンしかない短いルート。
ルートの思い出と言うよりかは出会い的な意味で思い出のある。
まだパートナー難民であったためSNSで「この日一緒に登ってくれる人いませんか?」な呼びかけで来てくれたの後のベストパートナーの1人であるジャッキー氏である。

ここからお互いいろんなルートに行き一緒に笑って悔しがってって言う日々が続いていく。
そして行く行くジョイフルジャムで出会ったナミエさん、カナさんとも意気投合し、4人でよく登りにいくようになる。

いつかこのお揃いのTシャツでみんな錫杖の「注文」へ

5.12a~5.12d

イエロークラッシュ(5.12a):小川山 妹岩

僕のクライミング人生の大きな分岐点とも言えるこのルート。
小川山で登っててこのルートを登っていないのに12クライマーは語れない。
自分の中でそのような位置にあったルート。
色んな方々に5.12aでオススメは?と言うとみんなこのルートを挙げる。
その年の7月頃に初めて触った時の絶望感と、9月何度も核心の最後で落ちる敗北感は辛かった。ムーブはもう何も考えなくても身体がその位置に来るように叩き込んだ。空でイメトレしてる時でさえ手汗がやばかった。
ルートに打ち込むと言うのもこのルートで初めてやらせてもらった。
同時にたくさんの日々、たくさんの方々に支えられ、応援していただいた事に感謝しかなかった。

このルートを通してもたくさんの人たちに出会えた。

ノーモアレイン(5.12b):小川山 妹岩

前半のハングを終えて、後半はかなりスタティックかつパワーを強いられるルート。
小川山本の著者の方が小川山5.12で一番好きなルートだとかなんとか。
確かに色々バリエーションに富んでいてめちゃくちゃ楽しかった。
核心の上部のスローパーは結局足ブラになるしかなかったけど、それで耐えれて後は気合いでカチを数個続けて繋いだ。
このルートでシューズの選択も気にする様になった。
ちなみにこのルートでは左ミウラー、右インスティンクトVSで登った。

スーパークリップ(5.12b):佐久志賀 黄昏エリア

名前の通り核心でスーパーなクリップをさせられるルート。
このエリアは昔から通ってる岩場で以前トライしてる人を見ていた時に「凄いとこ登るなー」って漠然と思ってて正直当時の自分には縁もないグレードで登る事はないだろうなと思っていたルート。
しかしカンテ沿いを登っていきラインは良いし目立つ。

この頃から減量の成果も出てきて上裸で登る様にもなってきた。
(身体に自信が出てきた)

MAY(5.12c/d):佐久志賀 黄昏エリア

太刀岡山にある「カリスマ」と同時に進めていっていたルート。
佐久志賀は通いやすいから毎回夜勤前や夜勤明けやらのタイミングで佐久志賀にきて、1日休みの日はカリスマへ行っていた。
トポの通りで地味〜に悪いホールドが続く。コンディションにも結構左右されるルートらしいが梅雨前に登れた。
個人的には何回も動画を見返したくなるほど上手く登れていると思う。
このルートでクリップしやすい向きとか気にする様になるクライミングが始まった。安全と動作のしやすさの駆け引きみたいな感じ?

5.13a

カリスマ(5.13a):太刀岡山 小山ロック

自分にとって初めての5.13a
それまでの限界グレードが5.12cだったのでかなり見栄を張った感じ。
でも毎回トライすることに数ミリずつでもできる様になっていって通っていた日々が楽しくて仕方かった。
合計11days38tryで幕を閉じた。
長くなることはわかっていたので3月からとりかかり雪が降る日も雨が降る日も登った。
1日も楽しくなかった日なんてなかった。

エクセレントパワー(5.13a):小川山マラ岩

カリスマが終わったあとの次なる目標にあげたのがこのルート。
前年にイエロークラッシュ、ノーモアレインと通い詰めたマラ岩、妹岩。
それに続くかの様にエクセレントパワーも挑戦。
やり始めたのが梅雨直前ということもあってどんどん悪くなるコンディションに心もやられそうになった。
そして春シーズンを敗退するということも味わった。
秋のベストシーズンに登れる様にと9月になってちょこちょこ再開。
そしたら不意に登れてしまった。朝は雨降っていたのに。
シルクロードからロッキーロードへ繋げ、エクセレントパワーへと。
昔バックパッカー思考だった自分にとっては山あり谷ありの良くも悪くも色んな経験をさせてくれた旅となった。

終わりに・・・

さて。今回はいろんな思い入れのあるルートを紹介させていただきました。
1つくらいは「これ登ってみたい」みたいなルートが出てきてくれれば幸いです。
またこのようにクライミング人生の中の1つの点となるのが1つのルートだと思います。
毎回点をつけろとは思いませんが、たまに点となるルートに出会ってみる。出向かってみるというのも悪くないのではないでしょうか。

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