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IoT で使用する Amazon CloudWatch - その2

前回( IoT で使用する Amazon CloudWatch - その1 )の続きです。

今回は「Amazon CloudWatch」の概要ということで、このサービスの基本的な機能やコストについて書いてみます。

Amazon CloudWatch とは

Amazon CloudWatch は Amazon Web Service (AWS) のサーバやデータベースをはじめとするいろいろなクラウドリソースをモニタリング(監視)を行うサービスです。

Amazon CloudWatch では、サーバのCPU使用率やデータベースのストレージ使用量といった値を集めて保存し、その値をグラフに表示したり、値が事前に指定しておいた閾値を超えた場合には通知のメールを送信するなどといったアクションを実行することができます。

このモニタリングする値を「メトリクス」、値によって次のアクションを実行する機能を「アラーム」と言います。

また、任意のメトリクスのグラフや最新の値を並べて1ページにまとめた「ダッシュボード」を作ることができます。

一般的にこのような「監視サービス」を構築するには、サーバを準備して、監視用のアプリケーションをセットアップして、という作業が必要になりますが、Amazon CloudWatch はAWSのアカウントを持っていればすぐに使い始めることができ、運用もAWSが面倒をみてくれるのでサーバの管理の手間もありません。

Amazon CloudWatch を構成するサービス

Amazon CloudWatch はいくつかのサービスで構成されています。

1. CloudWatch
メトリクスの収集、監視、可視化を行うサービス
2. CloudWatch Logs
ログデータの管理を行うサービス
3. CloudWatch Events
何からのイベントをトリガーに処理を実行するサービス

カスタムメトリクス

CloudWatch で扱う計測値の事を「メトリクス」といいます。
メトリクスとしては、例えばサーバのCPU使用率、メモリ使用量といったものがあります。

CloudWatch はAWSサービスの状態を示すメトリクスの他、APIを使って登録した任意の値を扱うこともできます。これを「カスタムメトリクス」といいます。

APIを呼び出すためにはインターネットの接続が必要ですが、このカスタムメトリクスを使用することで、どのような値でも CloudWatch に登録し、モニタリングする事ができます。

Kanazawa IoT 第1回の勉強会で作成したセンサーデバイスでは、センサーで計測した温度、湿度、気圧をカスタムメトリクスとして CloudWatch に登録し、グラフで可視化したり、アラームを設定して閾値を超えた場合にメールで通知する、ということをやってみました。

メトリクスの保存期間

CloudWatch に登録したメトリクスのデータは15ヶ月間保存されます。

メトリクスを登録する際の粒度(分解能)は最小で1秒単位となりますが、長期保管のために集約され、3時間以降は1分、16日間以降は5分、64日間以降は1時間単位の値となります。

Amazon CloudWatch を利用するためのコスト

Amazon CloudWatch の利用料は使った分だけ支払う従量制になっていて、月額の固定費や最低料金などはありません。

Amazon CloudWatch の利用料は、AWSの このページ に掲載されています。

この中から、カスタムメトリクスを使用してIoTデバイスのモニタリングで使用することを想定した場合にかかる利用料をピックアップしてみます。

APIリクエスト
GetMetricData(読み込み・表示) 1,000 メトリクスあたり $0.01/月
GetMetricData以外(登録など) リクエスト 1,000 件あたり $0.01/月

カスタムメトリクス
メトリクス1つあたり $0.30/月

ダッシュボード
ダッシュボード1つあたり $3.00/月

アラーム
アラーム1つあたり $0.10/月

無料利用枠
AWSには無料利用枠があります。Amazon CloudWatch にも無料利用枠が設定されていて、毎月以下の分は無料で利用することができます。

- APIリクエスト x 1,000,000
- カスタムメトリクス x 10
- ダッシュボード x 3(最大50メトリクス)
- アラーム x 10

例えば、温度、湿度、気圧の3つのメトリクスを登録するデバイスが3台ある場合「 3メトリクス x 3台 = 9カスタムメトリクス 」となります。

この無料利用枠を使用することで、無料で Amazon CloudWatch を使い始めることができ、小規模なモニタリングであればそのまま無料で利用する事ができるので、気軽に導入できるモニタリングの方法になっています。

Amazon CloudWatch を使用するためには、AWSのアカウントが必要になります。アカウントの作成方法はこちら( ☞ AWS アカウント作成の流れ )を参考にして下さい。

AWSの利用料の支払い方法はクレジットカードでの決済となります。

まとめ

今回は Amazon CloudWatch の概要についてまとめてみました。

次回は実際にカスタムメトリクスを使ってデータを登録してみたいと思います。

情報源

- Amazon CloudWatch(AWS リソースのモニタリング)| AWS
- 料金 - Amazon CloudWatch | AWS
- よくある質問 - Amazon CloudWatch | AWS
- 【AWS Black Belt Online Seminar】Amazon CloudWatch( → 資料 /  → 映像 )

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