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【小説】日曜日よりの使者 あとがきのようなもの+おしゃべり

 このたびは小説『日曜日よりの使者』をお読みいただき、まことにありがとうございます<m(_ _)m>

 こちらの作品、第1話を投稿したのは9月8日でしたので、かかった期間は4箇月以上。
 週に一度という遅いペースにもかかわらず、おつき合い下さって本当にありがとうございます。感謝の言葉もございません。

 投稿のペースが遅いせいで、「この話どこまで進んでたっけ?」ってなっちゃいましたよね💦

 実は現在、次女の高校受験に時間も精神力もすべて捧げておりまして・・・ってこれ、コメント欄などでチョコチョコ言い訳していてごめんなさい💦

 うちの次女、ホントにホントに勉強が苦手なのです。

 小学生の頃、個人面談などのたびに先生から、
「ご家庭の方でも、少しでいいので、復習などをやっていただけると助かります」
 と言われておりました。


 やってるんですよ~! これでも!
 学校で使用している教科書に即した通信教材を使い、しかも届いたものを最初にすべてコピーを取り、2周やらせているんです!
「少しだけ」どころか、ガチガチにやってるんです。それでもコレなんです~!(´Д⊂ヽ

 とても気を使った言い方をなさってくれているのはわかるのですが、毎年毎年、担任が変わるごとに同じこと言われて心が痛い。



 ここまで読まれた方、今、思っていることありますよね。ちょっと待って。先に言わせて。



「さあ、勉強しようか」
 と、わたしが声をかけると、

「やったあ♪ ママとべんきょう!」
 と喜んで始めるのです、うちの次女。



 そう、次女は勉強をイヤイヤではなく、楽しんでやっていたのです。

 盛り上げながら、褒めながら、理解の遅い次女にくり返しくり返し、優しく教えてきたのは、勉強を嫌いになってほしくなかったから。

 学びが身につくことは楽しいと知ってほしかったから。




 とはいえ、次女にとってはせいぜい、

「ママからヒントをもらいながら、当たったらめちゃめちゃ褒めてもらえるクイズ」

くらいの感覚だったでしょう。




 しかしそのモチベーションでも無理だった!(ノД`)・゜・。


 それほどまでに、次女の「勉強のできない壁」は厚かったのです・・・
(*´Д`)


「すごい! よくできたね!」「ひらめきの力がついてきたんじゃない」「頭よくなったよね~!」というわたしの褒め言葉や励ましを信じ切っていた次女でしたが、さすがに中学生になって気づいてきました。自分は「勉強ができない」ということに。


 そりゃそうですよね。授業が理解できない、ついていけないわけですから。

 いや、もともと小学校の時から理解できていなかったし、ついていけていなかったのです。

 それなのに自分だけが落ちこぼれているとは気づいていなかった・・・(ここでヤバさがわかる)、まあ、先生も優しいですしね。
 でも中学はそんなにぬるくない。
 

 2019年に「ケーキの切れない非行少年たち」という本が発売され、話題を呼びましたよね。

 あれを読んで驚いたことは、非行少年たちが学校から足が遠のき、悪い仲間とつるむようになってしまった最初のきっかけが、

「勉強がわからなくてついていけなかった」

 ということ。



 教壇から先生がなにを投げかけているのか、自分以外のみんながなにを受け取っているのか、一人だけ理解できず、ただおろおろするだけの50分間は苦痛でしかないですよね。

 それが毎日6時間。拷問です。



 このままでは、次女が学校を嫌いになってしまう。

 それを避けるには、「予習」「復習」をしっかりやること。それしかありません。

 毎日つきっきりで勉強。最低でも2時間、次の日の時間割によってはそれ以上になることも。



 しかしうちの次女、中学でバリバリの運動部に入っちゃったのです。
 朝練、午後練、土日も部活。

 夏などは18時まで部活をやり、帰宅して食事、お風呂、そこから勉強。
 でも、途中で船漕いじゃいます。そりゃ眠いよね、明日も早いし、髪乾かしてもう寝なね。

 土日も部活。電車に乗って遠くの学校まで行って練習試合して、やっと帰ってきたっていうのに、さあご飯食べたら勉強しようって、本当は言いたくないです。

 でも平日よりは時間が取れるし、やっておかないと、明日の次女が50分の拷問に遭ってしまう・・・。

 ホントにこんな毎日でした。部活を引退した3年の夏まで、部活と勉強しかしていない。そんな2年半でした。



 そこまでやっても、成績は学年でビリから数えて一ケタ。大富豪みたいに「革命」があればトップ10に入れるのですが。




「部活が忙しいんだろうけど、勉強ももう少し頑張ろうね」
 中学でも、面談のたびに言われます。




「自分では頑張ってるつもりかもしれないけど……」
「思い切ってやり方を変えることも必要」
「もっとスキマ時間を利用してみよう」





 わからないよね。

 毎日予習復習しっかりやって、テスト前の部活のない土日なんて朝から晩まで8時間以上も勉強してるのに、20点やそこらしか取れない生徒が本当にいるんだってこと。

 信じられないよね。

 わたしも信じられなかった。この目で見るまでは。




「先生、うちの次女、これでも精いっぱい頑張ってるんです!」

 モンペと思われてもいい。だってわたしが言わずに誰が言う。




 つくづく実感したのは、公立中学のあり方と、そこに所在する子供たちの難しさ。

 下は偏差値35以下から上は70以上までのレベルの生徒が混在している公立中学で、一体どこに焦点を合わせて授業をすればいいのでしょうか。

 通常は50あたりでしょうね。

 そうなると、それよりもレベルが下の子にとっては難解です。理解が追いつかないのに、どんどん進んでいく。

 この「置き去り」感がますます授業への関心度を下げ、意欲を奪います。


 その一方で、レベルが上の子たちにとっては退屈で無駄の多い時間でしょう。

 とうに理解している内容にダラダラ時間をかけさせられる授業に、関心度は下がるかもしれません。



 中学生になって次女はすっかり「自分は勉強が苦手なんだ」と認識し、それでもわたしと一緒に勉強することを嫌がることはしませんでした。

 真面目で素直なんです。
 ただ、勉強ができないだけなんです



 そして中三の春。今から10箇月前。

「どこの高校に行こうか」
 進路について話し合おうとすると、次女は言いました。




「わたし、高校には行かないで、働こうかな」




 泣ける!(ノД`)・゜・。




 そう、次女は「勉強ができないだけ」なんです。

 あ、いや、運動も苦手ですけどね、そういう意味じゃなくて。

 忘れ物しないように自分で準備したり。

 部活でも、雑用を見つけて自分から動いたり。

 家の手伝いにも積極的。

 わたしが「誰かご飯の支度手伝って~」と声をかけると、「やるやる~!」と真っ先に来てくれます。数少ない休憩なのに。




 だから、


「キミはきっと労働の方が向いてるよ」




 と伝えたのです。劣等感を持ってほしくなくて。

「大人になってお仕事するようになったら、みんなを笑顔にできるよ」
「人生、学生でいるより働いてる時間の方が長いんだから」

 何度もそう言ったのは、キミの母であるわたしだったね。




 でもね、高校には行った方がいいと思う。

 高校に行く代わりにやりたいことがある、というのなら止めないけどね。

 高校に行かないで働こうと思う理由は、ひょっとして勉強が不安だからかな?

 高校では中学よりもっと授業についていけないんじゃないかって、怖いんだよね?

 大丈夫、安心して。

 高校は、勉強のレベルごとに振り分けられるんだよ。

 だから、自分に合ったレベルの学校へ行けば、むしろ今よりも授業についていくのがラクになるんだ。

 みんな同じレベルなんだから、きっと楽しく学べるようになるよ。

 だから心配しないで、みんなと同じように高校に行っていいんだよ。





 次女は安心した様子で、高校への期待を膨らませ始めました。





 幸いにも、自転車で通える距離に、県内でも下から片手で数えられるレベルの公立A高校があるのです。

 地元なので、毎年次女の中学からわりと多くの生徒が進学します。

 しかも少子化の影響か、ここ数年は定員割れしているのです。





「よし、ここを目指してがんばろう!」




 私立の滑り止めは受けないことに決めました。

 というか、ないんです、そのレベルの私立が。



「私立なら成績が足りなくても入れてくれるらしいよ」と夫や知り合いも言うのですが・・・。

※あくまで噂ですが、近年はどこも定員割れしてるので。




 そもそも次女は「授業についていけるか不安」なので、レベルに見合っていない私立に入れることはリスキーです。

 私立は公立と違って、ガチで落第させられる可能性もあります。





 そこで、これまた幸いにも、自転車で通える距離に、県内でも最下位レベルの公立B高校があるのです。

 こちらも地元なので、毎年次女の中学から何人かは進学しています。

 そして当然こちらも定員割れ。毎年、二次募集を行っています。





 A高校を受けて、ダメなら二次募集でB高校。

 落ちたとしても、身の丈に合った高校に入れたらそれで安心。





 目標が決まりました。





「2x+3xは?」

「5x!」

「おお! できたじゃん! それじゃ、2y+3yは?」

「・・・わかんない」

「やり方は同じだよ~! 記号が変わっただけだよ~!」

※勉強のできない子って、こういうつまずき方するんだよね~という典型的な例


 こんな感じで、奮闘の日々が続いております。





「塾に入れればいいのに」

 家で子供に勉強を教えていて忙しい、ということを他所でうっかり愚痴ると、そう返されてしまいます。

 塾に入れてどうにかなるレベルではない、ということを、短い言葉で説明できる気がしないので、笑ってごまかします。





 長女が小学校1年生の時から勉強を教え始め、二人合わせて17年間。

 それもあと1箇月で終わり。

 勉強を教えるという形で、子供たちと向き合ってきた部分は大きいです。



 この先は、わたしが母としてやれることは僅かになるでしょう。

 あとは、いい親子関係をずっと作っていけたらいいな。わたし自身は両親とあまり仲良くないので(笑)




 って、振り返っちゃってますけど、まだ終わってないし! むしろ、これから最後の追い込み! 今が一番大変な時期です(´Д⊂ヽ

 どんな結果になっても、春になれば桜はきっと咲くでしょう。最後まで頑張ります!(。-`ω-)




 いつにもまして、長々と申し訳ありませんでした。作品とは全然関係のないわたくしごとでした<m(_ _)m>

 来週からまた次の作品を投稿していきたいと思います。なにとぞよろしくお願いします。

 もうしばらく亀の投稿になりますが、noteというつながりが今のわたしにとってのリフレッシュのひとつであります!(=゚ω゚)ノ

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