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【短編小説】友達について真面目に考えてみた 第2話

   第2話

「ねえ、みさき。あれ佐々木くんじゃない?」
 数日後の昼休み、担任に頼まれて隣の校舎の理科室から教室までノートの山を運んでいる時、一緒にいたのどかが部室棟の陰にいた一団に顔を向けた。

 和と俺は同じ中学出身だ。だから当然佐々木のことも知っているが、二人は同じクラスになったことはないので直接の知り合いではない。

 もっとも、俺と佐々木も同じクラスになったのだって、俺が小四で転校してきた時の一年間だけだ。

 和の目線の先に、確かに佐々木の姿があった。みんな同じような眼鏡をかけ、同じようなチェックのシャツに、同じようなリュックを背負った集団がおり、その中にぽつりと佐々木が混じっていた。

「一緒にいるのって、『萌え研』の人たちよね。どうして?」
 和は首をかしげる。

『萌え研』というのは『萌え研究会』の略で、どちらも外からつけられたあだ名だ。本人達は自分達のことを『電気機械研究会』と言っている。確かに、やつらは家電やパソコンに関してものすごく詳しい。しかし秋葉原に足しげく通っている理由はそれ以外のところにある。

「佐々木くんって、アニメ好きだったっけ?」
「いや、ゼンゼン。なにしろ『ドラえもん』すら知らないんだから」

「うそ……」
 和は絶句してから、

「それで、なんで萌え研と一緒なの?」
 首をひねった。

「多分、友達になったんだと思う」
「えっ、だってアニメに興味ないんでしょ?」
「興味がないから、友達になったんだろ」

 俺の言葉に、和がますます首をひねった。

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