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口が君の名前を忘れられない

今年、実家で飼っていた19歳の猫が亡くなった。
思い出して涙が出るのは、写真を見た時よりも、彼の毛の柔らかさや、あったかい匂いを思い出した時だ。

亡くなってから初めて見た猫の夢で、夢の中ではもう彼がいないことは分かっているのに、夢に出てきた白い新しい猫を彼の名前で呼んでしまって苦しくなった。口からつい出てしまうのはあの子の名前なのだ。

母は、もう猫は飼わないと言っていた。年齢的なこともあるが、あの子と比べてしまうからだそうだ。