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共働き育児と健康保険

出産前後でいろいろな手続きがあるけど、

赤ちゃんをどこぞの健康保険に入れるのをお忘れなく!

って話なんですが、

この"赤ちゃんの健康保険をどうするか"問題、共働き世帯なら悩むところかもしれません。

我が家は夫婦で同じ健保に加入しているうえ、明らかに私の方が収入が低いので、悩むことも無く、追加で書類提出を求められることも無かったのですが、

夫婦で違う健康保険加入しているとなると話が複雑になってくる。

国民健康保険だと、「扶養」っていう概念がそもそもないから、国保加入の方のお子さんは赤ちゃんだろうと「本人」として健康保険に加入して、保険料を払う必要がある。

それ以外の健康保険には「扶養」制度があるから、夫婦が加入しているどちらかの健康保険の被扶養者として新規加入の届出をする。

で、共働きだと、「夫婦どちらの扶養に入れるの?」だとか、どちらか一方が国保の場合、「国保じゃない方の扶養に入れられるのか?」だとか、小難しいことに脳みそを使わなきゃならないんですね。

共働き夫婦の場合、どちらの収入が多いのか?が決め手になります。2人とも健保や共済加入なら、収入が多い方の被扶養者にする。一方が国保加入者(フリーランスとか)で、そちらの方が収入が多いなら赤ちゃんも国保。
これが大原則。

でもね…

同じくらいの収入で、どっちの方が多いとか言い切れない場合があるじゃないですか。

こういう場合、保険者(保険証を発行している公的団体)それぞれにおける扶養認定に手間取って、しばらくの間赤ちゃんが無保険状態になる…という事態が少なからずあるようで。

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無保険状態になると、お医者さんにかかったときに一旦自腹で全額払わなければならない。

もちろん、償還払いっていって、後日還付が受けられことにはなってる。だけど、加入できずにいる期間が長引いてしまっては、赤ちゃん(とそのご家族)としては相当な不利益ですよね。

それで、この状況どげんかせんといかん!と、実は「法改正に伴って、赤ちゃんが無保険状態にならないようなんか考えなさい」って令が出ていたんですって。平成の終わりになってようやく。(令和元年成立・医療保険制度の適正かつ効率的な運営を図るための健康保険法等の一部を改正する法律(令和元年法律第9号)に対する附帯決議)

そして今年令和3年の8月、やっとこさ〜でその令を受けた通知が出たのですが。

本件の認定基準の改正、実に36年振り

いやいや、どんだけ放置
それだけ経ったら生活スタイルどんだけ変わってんのよ。もっと柔軟にできなかったのかい…

って突っ込みたい気持ちは置いといて、今回の改正内容を見てみましょう。

①旧:夫婦の収入を比較するときは、前年の年間収入で比較する
  ↓ 
    新:過去、現在、未来から判断して今後1年の見込収入で比較する

②旧:夫婦の収入が同程度の場合、主に生計を支える人の扶養とする
 ↓
    新:夫婦の収入の差が1割未満の場合、主に生計を支える人を扶養者として届け出ることができる 

③(新たに追加):育休などによって扶養者の収入が減り、夫婦間で収入が逆転した場合は、特例的に扶養者を変更しなくてOK
 
④(新たに追加):③以外で収入が逆転し、低くなった方の扶養認定から削除するときは、高くなった方の被扶養者認定を確認してから削除すること

ざっくりこんな感じなんですが・・、いっこずつ見ていきましょう。

①夫婦の収入の比較

少なくとも未来志向になったのはわかる。わかるけども。特に「差があまりない」というご夫婦の場合は、何をもって見込んで、比較すれば良いのでしょうか・・。具体例プリーズ・・・。

②収入差1割未満

うん、「同程度」で済ませるよりずっと明確になったよね!

それで、何をもって「主に生計を支えている人」と判断すればいいのかな?貯蓄?家計簿?

③育休中などであれば収入の逆転があってもスルーOK

確かに、育休前後でいちいち扶養の異動してたらたまらんよね。この文が追加されたのはありがたいです。

だけども!

収入が凸凹するのって育休ばかりじゃないですよね・・それが「など」に含まれるものなのでしょうけれど、どこまでを含んでくれるのでしょうか。

④いずれかの健康保険へ加入したのを確認してから資格喪失

これまでは勝手にサクッと削除してたんかーい!!

…って一瞬思ったんだけど、

まぁ、考えてみたら、資格喪失手続きをする人に対して、次どこの健康保険に入る予定か?なんて保険者からしたら普通聞かないよね。

会社に置き換えたら、

”退職する人が次の会社に入職したのを確認してから社員の資格を削除してください”

って言ってるようなもんだもんね。

逆に、これ可能なんかな?とさえ思う。実務的なところはわからないのだけれど、少なくとも「お子様が無保険状態になることを防ごう!」という気概が感じられます。

(余談ですが、退職後に別の健康保険への加入手続きをし忘れて?、大人でも無保険状態の人って一定数いるそうです‥)

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まとめ

同程度の収入の場合、どっちの扶養にするべきか?の基準は、今回の改正ではまったくもって明確化されてないな〜というのが正直な感想です。

とはいえ、保険者間でもめたときの判断の仕方は結構細かく通知の中に盛り込まれていました。これをもって協議がスムーズに進むかどうかは定かじゃありませんが(そもそもの「見込み年収」が曖昧なんだもん)、それでも、ようやく前に進みはじめたなーと。

共同扶養するパートナーの収入を調査をすることは、従来から国の命として保険者が行っている業務だけれど、「変更なし」のご夫婦にとってはただの煩わしい書類仕事ですよね。まぁ、権利を得る上での加入者の義務ですけど。

でもそれが保険者の立場からみても負担のかかる大仕事なのであれば、共同扶養の場合は加入している保険者間で「このご夫婦変更なしでーす!」みたいなやり取りが簡便にできちゃってもいいような気がするけど、行き過ぎかなぁ..マイナンバーの関係でそのあたりも整頓されていくのかな?

ていうか、マイナンバーと保険証をまぜこぜにする前に、保険証そのもののあり方をもっとよく議論してほしかったんですけど!・・って、これは話が逸れるからまた今度。


働き方は大きく変わってる。柔軟に、スピーディーに、より加入者目線の改正が今後も進んでいくと良いなあ。


というわけで、知れば知るほど奥深い、健康保険の夫婦共同扶養について考察してみました。

あなたのご家庭では、お子様の健康保険をどのように決めましたか?


※途中Instagramでの投稿記事を画像として流用しました。
Instagramの方ではよりザクザクのアウトプットをしております。が、まだいろいろ未完成なこともあり、ここともリンクしていません。
見つけた方はこっそり教えてください(笑)





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