『HUNTER×HUNTER』を読めばnoteを攻略できると聞いたので、DeepResearchに攻略法を聞いてみた。
僕がnoteを始めるキッカケになった瀬戸内note研究所さんが、HUNTER×HUNTERを読めばnoteが伸びると言っていたのですが、僕はストーリーを忘れてしまったので、最近Plusユーザーでも使えるようになったChatGPTの”DeepResearch”で解説してもらい復習した内容を共有します。
ハンターハンターから学ぶnote攻略の方法と、DeepResearchの凄さを体験してもらえたら嬉しいです。
ちなみに、４万文字近くのレポートですが、一発で出力してもらった文章になります。(無料で読めます。)
HUNTER×HUNTER読んだらnoteが伸びます。驚いたことに全部描いてありました。
— 瀬戸内note研究所 (@seto_note_labo) February 26, 2025
はじめに
『HUNTER×HUNTER』（ハンターハンター）は、富樫義博による大人気漫画で、2022年7月時点でシリーズ累計発行部数は8400万部を突破するほどの作品です
複雑で練り込まれたストーリー展開と個性豊かなキャラクターたちで多くのファンを魅了してきました
本稿では、このハンターハンターの物語を紐解きながら、コンテンツ配信プラットフォーム「note」のメンバーシップ運営（いわゆるサブスクリプション型ファンコミュニティ）の攻略に活用できる教訓を探っていきます。
ハンターハンターの登場人物たちの行動原理や戦略、そして物語の構成やテーマには、ファンを惹きつけ熱狂させるヒントが散りばめられています。それらをメンバーシップ運営に必要な戦略に置き換え、具体的に解説していきます。以下のポイントに沿って進めましょう。
キャラクター戦略の応用（ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、ヒソカ、ネテロ）
ストーリー構成とマーケティング（試験編、幻影旅団編、キメラアント編）
価値提供とコミュニティ形成（提供価値、ファン関係構築、価格戦略、コンテンツ継続性など）
他SNSからの集客戦略（SNS運営とハンターハンターの「バズ」要素の活用）
これらの切り口ごとに、ハンターハンターの物語から得られる教訓を詳細に解説していきます。アニメ・漫画のファンのみならず、メンバーシップでの収益化やファンコミュニティ運営に取り組むクリエイターの方々にとって、有益な示唆となるはずです。それでは順を追って見ていきましょう。
キャラクター戦略の応用：英雄たちの行動原理をメンバーシップ運営に活かす
ハンターハンターの魅力を語る上で欠かせないのが、主人公たちキャラクターの戦略や生き様です。それぞれのキャラクターが状況に応じて見せる判断力・行動力は、ファンコミュニティの運営やメンバーシップ戦略にも通じるものがあります。ここでは主要キャラクター6名（ゴン、キルア、クラピカ、レオリオ、ヒソカ、ネテロ）に焦点を当て、その戦略・信念をどのようにnoteのメンバーシップ運営に応用できるかを考察します。
ゴン=フリークス：純粋な情熱と揺るがぬ目標設定
キャラクター概要と戦略： ゴンは物語の主人公で、幼い頃に別れた父・ジンを探すためハンターになることを決意した少年です。ゴンの最大の武器は、その純粋さとひたむきな情熱です。ハンター試験という過酷な道のりでも、多くの受験者が命を落とすような試練を持ち前の強靭な精神力と体力で乗り越えていきました
彼は目的に対して一直線で、決してブレることがありません。また、ゴンは人との出会いや友情を何より大事にし、敵味方問わず真っ直ぐ向き合う姿勢を見せます。
メンバーシップ運営への教訓： ゴンから学べる第一の教訓は、「明確な目標を持ち、情熱を絶やさない」ということです。メンバーシップを運営するクリエイターにとっても、「自分は何のためにこのコミュニティを作り、どんな価値を届けたいのか」というミッション・目的を明確化することが成功の土台になります
ゴンが父に会うという揺るぎない目標を持って旅立ったように、クリエイターも軸となる目標（例えば「○○分野で日本一の情報発信コミュニティになる」「ファンに創作の裏側を楽しんでもらう」等）を設定しましょう。ゴンは幾多の困難に直面しても決して諦めませんでしたが、その姿勢はコンテンツ発信における継続力に通じます。メンバーシップ運営では、最初は思うようにメンバーが集まらなかったり反応が薄かったりするかもしれません。しかし、ゴンのように純粋な情熱を持ち続け、試行錯誤しながら継続することが大切です。実際、noteの運営に関するアドバイスでも「継続するためには軸をもつことが必要」と強調されています
情熱的な目的意識がクリエイター自身とファン双方の**指針（コンパス）**となり、軸がブレなければファンも付いてきやすくなるでしょう。
ゴンから学べる第二の教訓は、「ファン（仲間）を信頼し大切にする」ことです。ゴンは友達思いであり、「友達になるのに資格なんていらない!!」という名言を残しています
これは、人を受け入れるのに条件や敷居を設けないゴンの姿勢を表しています。メンバーシップでも、この精神を取り入れて新規加入者を温かく迎え入れることが重要です。例えば、コミュニティ参加のハードルを必要以上に高くせず、「興味を持ってくれた人は誰でも歓迎！」という雰囲気を作ることです。また、既存のメンバーに対してもゴンのように真摯に向き合うことで信頼関係を築けます。ゴンは敵対した相手に対しても（ハンター試験中に自分を襲った者ですら）命を助けたり礼を言ったりするほど誠実でした。
同様に、ファンからのコメントや要望に丁寧に返答する、感謝の気持ちを伝えるといったコミュニケーションを怠らないことで、メンバーは「この人についていきたい」と感じるでしょう。ゴンの純粋さと友情を大切にする姿勢は、ファンコミュニティの健全な土壌を育む上でお手本と言えます。誰でも気兼ねなく参加でき、かつ深い絆で結ばれたコミュニティは、長期的に安定して成長していくからです。
具体的施策への落とし込み:
ゴンのようにミッションステートメントを掲げよう：コミュニティのトップページや紹介文に、自分の情熱と目指す姿を明文化します。「自分は何者で、どんな夢を叶えたいのか」「メンバーにどんな価値を提供したいのか」を明確に示すことで、同じ志に共感するファンが集まりやすくなります。【例】「○○を通じて世界をもっと楽しくしたい。その仲間を集めたい！」といったメッセージを発信。
諦めない姿勢と改善：ゴンが何度倒されても立ち上がったように、メンバーシップ運営でも思うような成果が出なくても改善を重ねましょう。投稿頻度や内容を分析し、PDCAを回すことで徐々にファンは増えていきます。ゴンのひたむきさを胸に、トライ＆エラーを続けることが肝心です。
フレンドリーなコミュニティ設計：新しく入ったメンバーが孤立しないよう、初参加の人を紹介するスレッドを設けたり、誰でもコメントしやすい雰囲気を作ります。ゴンの「資格なんていらない」という言葉通り、ファン同士が壁を感じず仲間意識を持てる場をデザインしましょう
キルア=ゾルディック：適応力と計画性、そして柔軟な発想
キャラクター概要と戦略： キルアはゴンの親友であり、伝説的な暗殺一家ゾルディック家の出身です。幼少期から暗殺者として訓練を積んできたため、状況分析力や戦闘センスは抜群で、常に冷静な頭脳プレーで困難を切り抜けます。彼の戦略的思考と臨機応変さは物語の随所で発揮されました。例えばハンター試験では周りの出方を伺いながら最短経路で合格ラインに達し、天空闘技場ではゴンと共に「念」を習得して実戦経験を積む計画を立てています
さらに、キルアは仲間を守るためには自分が盾になってでも安全を確保しようとする献身的な面も持ち合わせています。兄イルミによる“針”で一時は戦いから逃げ腰になる性格にされていましたが、その束縛から解放されて以降はゴンを支えるために自らの弱さと向き合い成長しました。
メンバーシップ運営への教訓： キルアから学べるのは、「環境に適応し、柔軟に戦略を練る」姿勢です。noteのメンバーシップ運営においても、市場環境やファンのリアクションに応じて戦略を練り直す柔軟性が必要です。最初に立てたプランに固執しすぎず、リアルタイムでデータを見ながらコンテンツ内容や提供方法を調整しましょう。例えば、ある記事の反応が予想より薄ければ次回は切り口を変えてみる、価格設定についてフィードバックがあれば見直す、といった具合です。キルアがその場その場で最適解を探したように、クリエイターも仮説検証型で運営することが大切です。
また、キルアは計画性にも富んでいます。ゴンと旅をする際も、自分の家族や敵対者の動向を考慮して次の行動を練ったり、ゴンに無茶をさせないよう一歩先を見通した判断をする場面が多々ありました。メンバーシップにおいても、中長期的な視点でのコンテンツ計画とファン育成計画が重要です。例えば、「今月は初心者向け記事で新規を増やし、来月以降はより専門的な連載企画でコアファンに価値提供する」といったロードマップを描きます。
天空闘技場でキルアがゴンと共に徐々に階層を上りながら力を付けたように、メンバーシップでも段階的にレベルアップするプランを持つと良いでしょう。これはファンのエンゲージメント向上にも繋がります。はじめは無料記事や安価なプランで多くのフォロワーを獲得し、その中から徐々に熱心なファンを育ててコミュニティの濃度を高めていく戦略です
まさに、キルアがゴンとの友情を深めながら互いに成長していったプロセスと似ています。
さらにキルアは、愛する仲間のために大胆な決断も下します。特に物語終盤、ゴンが重篤な状態に陥った際には、自身の禁忌を犯してまで妹アルカ（ナニカ）の力を借りゴンを救いました。ここから学べるのは、「コミュニティ最優先の判断」です。メンバーシップ運営者も、ときに自らの損得を度外視してでもメンバーの利益や信頼を守る決断が求められることがあります。
たとえば、不具合で提供予定のコンテンツが遅れたらお詫びに特別な補填コンテンツを用意する、価格改定が必要なときは既存メンバーには旧価格を据え置くなど、ファーストを意識した行動です。キルアの仲間思いな行動原理は、ファンからの信頼とロイヤリティを獲得するために不可欠と言えます。
具体的施策への落とし込み:
データに基づく柔軟な運営：キルアのようにクールに現状を分析しましょう。noteでは記事の閲覧数やスキ（いいね）数、継続率などの数字が取れる場合があります。そのデータを定期的にチェックし、「どのコンテンツがウケているか」「どのプランで離脱が多いか」を把握します。そして環境変化（SNSで関連トピックが流行した、競合が新サービスを開始した等）にもアンテナを張り、必要ならテーマを変える・特典を追加するといった迅速な方向転換を行います。計画は立てつつも、状況に応じて変える勇気を持つことです。
ロードマップの作成：キルアが天空闘技場での修行計画を持っていたように、クリエイターも少なくとも半年から1年先のメンバーシップ運営計画を練っておきます。例えば四半期ごとにテーマを決めた特集を組む、イベント（月1のライブ配信など）のスケジュールを予告しておく、会員数○人達成で新企画開始などマイルストーンを設定する、といったことです。先の見通しが立っていれば、日々の運営もぶれにくくなり、メンバーにも「このコミュニティは計画的に運営されている」という安心感を与えられます。
メンバー最優先の施策：有料コミュニティ運営ではトラブル対応や方針転換時のケアが肝心です。キルアがゴン救出のために全てを投げ打ったように、例えば「急病で更新停止」となった場合でも、可能な範囲でお詫び文を出し、復帰時には休止期間分の延長や追加コンテンツ提供をする、といった誠意ある対応を心掛けましょう。メンバーはそうした姿勢を感じ取ると、「この人についていけば大丈夫」という信頼を深め、より強固なコミュニティが築かれます。
クラピカ：徹底的な集中力と差別化された専門性
キャラクター概要と戦略： クラピカは仲間思いで冷静沈着な少年ですが、その胸には燃え盛る復讐心を秘めています。彼の一族・クルタ族を虐殺した幻影旅団への復讐がクラピカの人生の目的であり、そのためにハンターとなり、並外れた才能と努力で強大な力を身につけました。クラピカ最大の特徴は、一点突破の戦略です。彼は自身の持つ念能力を「鎖（チェーン）」として具現化し、さらに旅団への復讐を遂げるために強力な制約と誓約を課しました。具体的には、“束縛する中指の鎖（チェーンジェイル）”という念能力を「幻影旅団にしか使わない（もし他者に使えば自分は死ぬ）」という誓約で強化したのです
この命を懸けた制約によって、クラピカは旅団員を一網打尽にできる絶大な力を手に入れ、実際にヨークシンシティ編では旅団最強クラスの団員を次々と無力化することに成功しました。
その代わり、この力は旅団相手以外には使えないという尖った専門性を帯びています。またクラピカは、その冷静な判断力と知略でも際立っており、限られた資源（能力・情報）の中で最大の成果を上げる効率的な戦術を駆使しました。
メンバーシップ運営への教訓： クラピカが教えてくれるのは、「自分だけの強み（特化領域）を持ち、それを極限まで磨く」ことの重要性です。昨今、多くのクリエイターがSNSやブログで情報発信を行っていますが、その中でファンに「ここでしか得られない」価値を感じてもらうには、クラピカのように差別化された専門性が必要です
例えば、「歴史解説のコミュニティならこの人」「最新ガジェット情報ならこの人」「イラストメakingならこの人」と言われるような一芸に秀でたポジションを確立できれば、メンバーシップにお金を払ってでも参加したい熱狂的ファンが生まれます。
クラピカは旅団への復讐という目的に特化した能力開発をしましたが、クリエイターもまた、自分が情熱を注げるテーマにリソースを集中投下しましょう。noteの運営ノウハウでも「自分の強みをしっかり把握することが一番大切」とされています
強みとは「苦もなくできること」「人から褒められること」にヒントがあるとも言われます
これはまさに、クラピカが自身の資質（天性の具現化系能力者であること）と強い動機（旅団への恨み）を掛け合わせて唯一無二の力を得たことに重なります。
さらに、クラピカの制約と誓約のエピソードから学べるのは、「あえて自分にルールを課すことで、パフォーマンスを上げる」戦略です。ハンターハンターの念能力には「制約と誓約」という概念があり、自らに不利な条件（リスク）を背負う代わりに能力をブーストさせるというものです
これはビジネスや創作活動にも通じるものがあります。例えばクリエイターが「毎週月曜必ず記事を公開する」と自分に締め切り（制約）を課すことで、継続的なアウトプットが可能になり、読者も定期更新を期待して付いてきてくれます。また「このコミュニティだけにはある情報を出す」と決めれば、SNSなど他の場では出さないからこそメンバー限定の内容がより魅力を増すわけです。
自分との約束を作りストイックに守ることが、結果的にファンからの信頼を得る近道になります。クラピカほど極端に「○○以外では使わない（破れば死）」までやる必要はもちろんありませんが、この自己制御とコミットメントの精神はぜひ取り入れたいところです。それにより「この人は有言実行で信頼できる」「コンテンツの質が安定して高い」と評価され、コミュニティの評判も上がっていきます。
クラピカのもう一つの特徴は、常に冷静に物事を判断し計画を立てる戦略眼です。幻影旅団との戦いでも、感情に飲まれず仲間（ゴンたち）の安全と自身の目的達成を両立するための策を講じました。これはバランス感覚としても学べます。メンバーシップ運営では、しばしば「ファン満足度」と「自身のリソース」のバランスを取る必要があります。
クラピカは復讐のためなら自分の命すら厭わない覚悟でしたが、一方で仲間を危険に晒さないよう配慮もしました。同様にクリエイターも、ファンの期待に応えようと無理をしすぎて自身が倒れてしまっては元も子もありません。提供価値と自身の負担の最適点を見極め、長期戦で勝てる戦術を取ることが大事です。たとえば特典（提供リターン）設定について、note公式ヘルプでも「運営側にとって無理のない特典に収めるのがおすすめ」と記されています
これは「あれもこれも」と盛り込みすぎて続かなくなることを避けるためです。クラピカが仲間の助けも借りながら任務を遂行したように、ときには周囲（他のクリエイターやツール）を頼ることも含めて、冷静に持続可能な運営プランをデザインしましょう。
具体的施策への落とし込み:
強みの明確化と打ち出し：クラピカのように自らのアイデンティティをはっきりさせましょう。まず「自分は何系統の能力者か」を見極めるイメージです
メンバー限定コンテンツへのコミット：「ここでしか得られない情報」を提供するという点で、クラピカの誓約のごとく限定性を打ち出します。例えば「Twitterでは○○の豆知識を発信するが、noteメンバー限定で詳しい解説記事や裏話を公開」と線引きをします。SNS用にはあえて情報の一部だけ出しておき、完全版はメンバーシップ内という戦略です
セルフルールの活用：定期更新や特典提供について、自分なりの「ルール」を決めて公表しましょう。例えば「毎週○曜日夜に新記事アップ」「毎月末にライブ配信」と宣言してしまうのです。プレッシャーはありますが、それにより自らを追い込みつつ能力を最大化できます。ハンターハンターの念能力者たちも、「リスクを負うことでパワーを発揮する」ことをしていました
特典設計のメリハリ：クラピカの鎖が旅団に対しては無敵でも他には使えないように、リソース配分にメリハリをつけましょう。具体的には、「通常投稿は無理なくできる範囲で、特典やイベントはここぞというときに全力投球する」という形です。例えば日々のミニ投稿は短文やラフな内容で頻度優先にし、月1回の大ボリューム記事や企画に渾身の力を注ぐ、といった二段構えです。すべてを全力投球すると息切れしますから、オンオフの切り替えを設けるわけです。ファンにも「今月はここが目玉だな」と分かりやすくなり、期待値コントロールにもなります。クラピカも普段は冷静沈着で力を温存し、いざという場面で100%の能力を解放しました。そのメリハリを見習いましょう。
レオリオ=パラディナイト：利他の心とネットワークの力
キャラクター概要と戦略： レオリオはゴンたちの仲間の一人で、一見するとガサツでお調子者ですが、実直で仲間想いの熱血漢です。彼の夢は医者になることであり、「お金を稼ぎたい」と公言しつつもその真意は「貧しい者でも平等に医療を受けられるようにするため」でした。つまり根底には他者を救いたいという強い利他の心があり、そのためにハンターライセンスを取得し資金を集めようとしていたのです。戦闘能力では他の主要キャラに及ばない彼ですが、ハンター試験やヨークシン編では持ち前の交渉力・行動力を発揮してピンチを切り抜けました。例えばハンター試験の最終試験では機転を利かせて囚人との時間制バトルを優位に進めたり、ヨークシンではオークション詐欺に引っかかりつつもクラピカのサポート役に徹しました。また、物語後半の会長選挙編では、瀕死のゴンを救うため父親ジンに怒りのパンチを見舞い、それが多くのハンターたちの共感を呼んで一気に次期会長候補として支持されるという伝説的な人望を見せました。
メンバーシップ運営への教訓： レオリオから学べる最大のポイントは、「利他の姿勢」と「人との繋がり」の重要性です。彼は自分の利益以上に仲間や社会のために動く男でしたが、その姿勢が結果的に自分にも大きな利益（信頼や支持）をもたらしています。メンバーシップ運営でも、まずメンバーに価値を提供することを最優先に考えましょう。収益を上げたいという気持ちは当然あって構いませんが、それが前面に出過ぎるとファンは離れてしまいます。レオリオが「カネ、カネ！」と言いながら実は人助けのためだったように、クリエイターも表向きの売上目標より裏にある理念を大事にすべきです。noteのガイドでも「読者とのコミュニケーションを大切に」とありますが
まさにファン目線に立つ利他的コミュニケーションが鍵となります。具体的には、「この情報はメンバーの役に立つだろうか？」「困っているメンバーはいないか？」と常に相手視点でコンテンツやサポートを考えることです。レオリオが仲間のピンチに真っ先に駆けつけたように、たとえばメンバーから質問や相談があれば親身に回答したり、時にはメンバー同士が助け合える場を提供するのも良いでしょう。そうすることでコミュニティ内に心理的安全性と連帯感が生まれます。心理的安全性といえば悪役ながら幻影旅団がまさにそれで、成員同士仲が良くリーダーも親しみやすいという理想的なチームです
レオリオが仲間から信頼されるのも、彼が作り出す安心感ゆえです。
また、レオリオはネットワークの力を体現しています。仲間のゴンたちとの絆は言うに及ばず、ハンター試験やその後の活動を通じて様々な人物と知り合い、最終的にはハンター全体から支持を得るに至りました。これは「自分一人では成し得ないことも、人脈やコミュニティを通じて実現できる」という教訓です。メンバーシップ運営においても、他のクリエイターとの協力や外部コミュニティとの交流は大きな力となります。他SNSからの集客戦略にも関連しますが、例えばTwitterで互いに関連分野の発信者同士がコラボしたり、お互いのnoteを紹介し合うことでウィンウィンの関係を築けます。レオリオが選挙編で見せたように、「皆が感じている不満を代弁する」という形で大衆の心を掴むのも一つの戦術です。彼の場合、ジンへの怒りを拳で示すという分かりやすい行動が、多くのハンター達の共感を呼びました。同じようにクリエイターも、ターゲットとする読者・ファン層が抱える課題や欲求を代弁するコンテンツを発信することで、「よく言ってくれた！」「この人は自分たちの味方だ」と感じてもらえます。これはマーケティングで言うところのペルソナの痛みを代弁し解決策を示すアプローチです。レオリオが一般ハンターの鬱憤（ジンに対する苛立ち）を代弁したように、例えば「創作で食べていくのは大変ですよね、私もです。でも一緒に工夫しましょう！」といったファンの気持ちに寄り添う発信をするわけです。
具体的施策への落とし込み:
コミュニケーション重視：レオリオばりに気さくで面倒見の良い管理人になりましょう。メンバーからのコメントにはできるだけ返信する、初心者メンバーにはコミュニティの使い方を教えてあげる、みんなが参加できる雑談トピックを提供するなど、人と人との繋がりを育む施策をとります。メンバーシップではオーナー（運営者）の姿勢がそのまま雰囲気に影響します。レオリオのように「困ったことがあったら俺に言え！」というスタンスでいると、メンバーも安心してついてきてくれるでしょう。
利他的コンテンツ提供：情報発信の際、「自分が伝えたいこと」だけでなく「相手が求めていること」を意識します。noteのメンバーシップ成功例でも「読者が『お金を払ってでも読みたい』と思う価値を提供すべし」と指摘されています
コラボレーション＆ネットワーキング：レオリオのように多方面に顔を利かせ、人脈を広げることも大事です。他のnoteクリエイターや関連ジャンルのインフルエンサーとの対談記事をメンバー限定で行えば、新規加入のきっかけにもなります。相手にとっても自分のコミュニティを宣伝できるメリットがあるため、積極的に打診してみましょう。さらに、メンバー同士でも専門スキルを持つ人がいればその人にスポットライトを当てる（ゲスト投稿やインタビューをする）など、コミュニティ内外のネットワークを融合させることで、お互いの価値が高まります。レオリオが人望を集めて大きな力となったように、コミュニティ運営も人と人の繋がりの相乗効果で飛躍できます。
ヒソカ：唯一無二の存在感と飽くなき好奇心によるエンタメ性
キャラクター概要と戦略： ヒソカはマジシャンのような風貌にピエロじみた言動、そして底知れない実力を持つ奇術師（変化系念能力者）です。彼は強者との戦いに無上の喜びを感じる戦闘狂であり、常に自分が「面白い」と思う展開になるよう暗躍しています。ゴンやキルアにとっては一時的な敵であり師匠のような存在でもあり、幻影旅団にも加入したり抜けたりとその行動は予測不能です。ヒソカの戦略は極めて自己中心的かつ柔軟で、ルールすら自分のために利用します。例えば天空闘技場でのゴンとの戦いでは、わざと審判に反則負けを宣言させることでゴンへの興味を絶やさず育てたり、幻影旅団編では自分が団長クロロと戦う機会を得るために旅団に潜入して機を伺いました。彼の念能力「バンジーガム」はシンプルながら創意工夫に満ちた使い方でどんな相手も翻弄しますし、「ドッキリテクスチャー」で嘘の情報を作り出すなど演出力にも長けています。また、ヒソカは相手を評価する“採点”癖があり、戦った相手の点数を付けては「合格」「残念」などと楽しんでいます。このようにヒソカは常識に囚われず自分の美学を追求し、周囲を巻き込みながら楽しませるキャラクターです。
メンバーシップ運営への教訓： ヒソカから得られるヒントは、「エンターテイナー精神」と「独自ブランディング」です。メンバーシップは単に情報や作品を提供するだけでなく、ファンにワクワクや驚きを届ける場でもあります。ヒソカが登場するとき常に何か波乱が起き、読者が目を離せなくなるように、クリエイターも次は何をしてくれるんだろうとメンバーをドキドキさせる仕掛けを考えてみましょう。
例えば、毎月1回はサプライズ企画を用意する、突発的なライブ配信でファンと交流してみる、予告なしの新コンテンツを投下するなど、予定調和を良い意味で裏切る演出です。ただし、行き当たりばったりではなくヒソカのように緻密に計算した上でのサプライズが望ましいです。彼は混沌を演出しながらも自分が美味しいところを持っていく策士です。同様に、クリエイターもファンが楽しめるハプニングを演出しつつ、ちゃんとコンテンツとして完結させる力が求められます。
またヒソカのブランド作りは、非常に一貫性があります。彼は「強い相手と戦いたい」という欲求に忠実で、そのために子供（ゴン）すら興味深い素材として育てる異常性を見せますが、読者から見るとそこが彼のブレないキャラクター性となっています。メンバーシップ運営者も、自分はどんなキャラクターで行くのかブランディングを意識しましょう。
たとえば「優しく教えるお姉さんキャラ」「毒舌だけど的確な論客キャラ」「職人気質で寡黙だが作品が雄弁に語るタイプ」など、自身の性格や発信スタイルを明確に打ち出すのです。ヒソカのように極端である必要はありませんが、「あなたらしさ」が伝わる個性はファンを惹きつけます。人は情報そのもの以上に、「誰からその情報を得るか」に価値を感じるものです。
ヒソカは残虐非道でも多くのファンに人気がありますが、それは唯一無二の個性がエンタメとして昇華されているからです。クリエイターもぜひ自分だけのキャッチフレーズや決めゼリフ、アイコン的な演出を持ちましょう。例えば毎回記事の冒頭に決まった挨拶フレーズを入れる、語尾や絵文字に特徴を出す、動画なら背景音楽や効果音にこだわる等、小さなことでも積み重ねればブランドになります。
ヒソカの「バンジーガムのガムとゴム」ネタがファンに強烈な印象を残すように、ファンが思わず真似したくなるような印象的な要素をちりばめるのです。
さらにヒソカの“強い者への好奇心”は、常に上を目指す向上心とも言えます。彼は自分が満足するために戦闘力のインフレを歓迎し、さらなる挑戦を求めていきます。この姿勢は、メンバーシップの成長にも通じます。たとえ今ある程度成功していても満足せず、よりハイレベルなコンテンツや新しいチャレンジを続けることで、ファンに飽きられない進化を遂げられます。
ヒソカがしばしば自分より格上の敵（団長や旅団メンバー）に執着するように、クリエイターも自分より上手くいっている人から学んだり、難しいテーマに敢えて取り組んだりして成長していくべきです。それが結果的にコンテンツの質を上げ、メンバーにより多くのリターンを返すことになります。
具体的施策への落とし込み:
サプライズ演出：計画の中にあえて余白を残し、不定期のサプライズを入れ込みます。例えば、「ゲリラQAセッション：今夜突然ですが生配信やります！」とか、「メンバーの誰か一人にヒミツのプレゼント」など、ランダムな喜びを提供します。ただやりっぱなしにせず、きちんとその後のフォロー記事を書いてまとめることで、コンテンツとしての完成度も担保します。「予測不能だが面白い」という評判が立てばしめたもの。ヒソカが現れると盛り上がるように、「このコミュニティでは何か起こるぞ」とファンに思ってもらえます。
独自のキャラクター設定：自分自身のキャラを分析し、ブランディング戦略に取り入れます。ヒソカのように尖ったキャラ付けは難しくとも、「○○の人」と認識してもらえるよう心がけます。プロフィール欄やメンバー向けの自己紹介記事で、自分のキャッチフレーズや信条を打ち出しましょう。例えば「元○○エンジニアの異色クリエイター」「○○マニアが高じて情報発信」といった肩書き作りも効果的です。それに沿って発言や投稿のテイストを統一すれば、メンバーは親しみと安心感を覚えます。ヒソカは常にマイペースで舌なめずりするようなキャラを崩しませんでしたが、その徹底ぶりを見習うと良いでしょう。
印象に残るフレーズやビジュアル：ヒソカの「○○しちゃおうかな〜」という口調や、「男の嫉妬は見苦しいぜ」
常にアップデート：ヒソカが強敵を求めて飽くなき挑戦を続けたように、メンバーシップも停滞しないよう進化し続けます。具体的には、新しい技術やプラットフォームの導入も積極的に検討します（例えばDiscordやSlackと連携したコミュニティ機能導入、Zoomでのイベント開催など）。あるいは、コンテンツの形式を増やす（テキスト中心だったのを音声配信や動画配信も試す）など変化をつけます。「これまで○○だった人が新しくこんなことを！」という意外性は話題にもなりやすく、SNSで拡散されて新規集客にも繋がります。ヒソカ的な好奇心を持って、自らをアップデートし続けましょう。
アイザック=ネテロ：情熱的リーダーシップと限界への挑戦
キャラクター概要と戦略： ネテロ会長はハンター協会のトップに君臨する老人で、人類最強クラスの念能力者です。若い頃から武道に打ち込み、祈るような感謝の心で拳を極めた結果、音速を超える拳「百式観音」を習得し、年老いてなおその威光は衰えません。キメラアント編では自ら討伐隊を率いて蟻の王メルエムに命を懸けて挑み、壮絶な最期を遂げました。ネテロの戦略・行動から読み取れるのは、リーダーとしての統率力と遊び心ある情熱です。彼は会長として多くのハンターを束ね、協会運営や試験の方針を決めてきましたが、そのやり方は時に型破りでした。
ハンター試験では自らの興味で受験者を試すような課題を出したり、キメラアント討伐でも敢えて若手に経験を積ませる布陣を敷いたりしました。つまり部下や後進を成長させるための舞台を用意する余裕と視野の広さがありました。またネテロ自身、戦いの直前に生涯の全てを注いだ拳法で遊ぶような（ボールを使った）試合をゴンとキルア相手に行うなど、楽しみながら本気を出す姿勢が印象的です。彼は「もう少しだけ楽しませてくれよ」と笑いつつ圧倒的な力を見せるなど、究極の境地においてすらユーモアと情熱を忘れませんでした。
メンバーシップ運営への教訓： ネテロから学べるのは、「リーダーシップ」と「コンテンツへの情熱」、そして「コミュニティ文化の形成」です。まず、メンバーシップのオーナーは一種の会長（リーダー）です。ネテロのようにビジョンを示しつつ、一人一人を尊重し、時に導く役割が求められます。コミュニティに参加したメンバーが快適に過ごし成長できる環境を整えるのもリーダーの仕事です。例えば、ガイドラインを設けて荒らし行為を防止しつつ自由な議論を奨励したり、優れた貢献をしたメンバーを表彰する仕組みを作るといったことが考えられます。ネテロがハンター試験という制度を通じて優秀な人材を発掘し伸ばしたように、メンバーシップ内でも才能あるメンバー（例：コミュニティで良質な情報を提供してくれる人）を見出して活躍の場を与えると、コミュニティ全体が活性化します。具体的には、「今月のMVPメンバー」を紹介する記事を書いたり、メンバー発信のコンテンツを公式に取り上げてあげるなど、運営者だけでなくメンバー主体の活動も推奨するのです。そうすることでコミュニティは一人の力に依存しない自走する組織へと育っていきます。実際、幻影旅団が団長不在でも各自の役割で行動できたように（旅団はリーダーが親しみやすく団員同士仲が良いため心理的安全性が高い）、理想的なファンコミュニティもメンバー同士が補完し合う関係になるでしょう。その基盤を築くのがリーダーの仕事です。
次に、ネテロの情熱はコンテンツ作りに通じます。彼は祈るように感謝しながら何万回も打拳を続け、技を極めました。このエピソードは、クリエイターがコンテンツのクオリティを上げるために不断の努力を惜しまないことを象徴していると言えます。メンバーシップは継続課金制である以上、コンテンツの質と熱量を維持・向上させることがリテンション（継続率）に直結します。ネテロのように日々研鑽を重ね、自分の専門分野やスキルを磨き続けることで、提供できる価値も高まります。たとえば、新しい知識を勉強して記事の内容に反映したり、表現技法を磨いて読みやすい文章を書くよう心がけたり、とにかくクリエイター自身が成長することが重要です。また、ネテロが戦いを「楽しむ」境地に達していたように、クリエイター自身も創作や発信を楽しむことを忘れないでください。
義務感だけで更新を続けるといずれ読者にもマンネリが伝わります。時には自分がワクワクする企画を打ち出し、その熱をメンバーと共有しましょう。熱狂は伝染します。ネテロの百式観音vsメルエムのクライマックスで読者が熱くなったように、クリエイターの情熱が込もった企画は必ずファンの心を打ちます。
最後に、ネテロの姿勢から「覚悟を持って挑戦する」ことも学べます。彼は自身の命すら賭けて人類を守る決断をしました。メンバーシップ運営において命までは張りませんが(笑)、失敗を恐れず大胆な挑戦をする精神は大切です。新しいコンテンツ形式や高額プラン設定などリスクがある施策にも、ここぞというときはチャレンジしてみましょう。例えば、思い切って高めのプレミアムプランを作り超限定の手厚い特典を提供してみる、あるいはリアルイベントを開催してみるなどです。noteのシステム上、通常会員プランは100〜50,000円で設定可能（プレミアム会員なら上限100,000円）という幅があるので、試しにごく少数向けの高額プランを作ってみるのも面白いでしょう。
ネテロは最終決戦で自分にしか扱えない“貧者の薔薇（ローズ）”という切り札を発動させましたが、クリエイターもここ一番の切り札企画を用意しておくと良いかもしれません。失敗すれば多少の損失があるかもしれませんが、成功すれば大きなリターンと話題性を生みます。常に安全策だけでなく、ファンを驚かせる大勝負に出る度胸も、コミュニティを飛躍させる転機を作るでしょう。
具体的施策への落とし込み:
コミュニティのルール作りと育成：ネテロ会長のように大局を見てコミュニティ設計をします。まずはガイドラインを策定し、メンバー同士の礼節や禁止事項（誹謗中傷NG等）を明文化しておきます。これにより荒らしやトラブルを未然に防ぎ、安心して交流できる土壌を提供します。同時に、良い活動をしたメンバーを称える仕組みも考えます。例えば「コミュニティ貢献賞」として、役立つ投稿をしてくれたメンバーを月次で紹介する記事をアップしたり、何かささやかな特典を贈るのも良いでしょう。ネテロがハンター試験制度で才能を発掘したように、メンバー内の才能を活かす方向で運営者がサポートするのです。するとメンバーは主体的にコミュニティを盛り上げてくれるようになり、運営者一人に負荷が集中しにくくなります。
自分自身の鍛錬：ネテロが毎日何万回の拳を積んだ逸話に倣い、クリエイターも日々の鍛錬を怠りません。具体的には、毎日少しでも執筆や制作の時間を設ける、定期的にインプット（読書・研究）を行う、他の優れたコンテンツから学ぶ、など自己研鑽の習慣化です。noteメンバーシップの成功例でも、人気クリエイターは自身の知識・経験を活かした専門情報を提供しているといいます
楽しむ姿勢を伝える：ネテロの飄々とした人柄が部下に安心感を与えたように、運営者が楽しんでいることをメンバーに示しましょう。たとえば、メンバー限定の雑談回やオフ会レポートで「皆さんと話せて本当に楽しかった！」と率直に伝える、制作秘話で「ここは描いていてワクワクした部分です」と語るなど、喜びや情熱を言語化します。クリエイターが心底打ち込んでいるとわかれば、メンバーも「応援していて嬉しいし楽しい」と感じます。逆に愚痴やネガティブ発言ばかりだと不安にさせてしまうので注意です。常に前向きで、感謝とユーモアを忘れないネテロのような姿勢が理想です。
大胆なチャレンジ企画：コミュニティが安定してきたら、定石だけでなく思い切った企画を打ち出します。例えば、上位プランとして超プレミアム会員を限定募集し、特典に「マンツーマン指導」や「直筆作品提供」など高付加価値なものを用意するのも一案です。値段設定には悩むかもしれませんが、note公式の助言では月額会費はコーヒー代など身近な額から始め、理由づけがあると良いとされています
以上、ハンターハンターの主要キャラクター6名に見る戦略や信念を、noteのメンバーシップ運営に応用する形で解説しました。それぞれゴン＝情熱と信頼、キルア＝柔軟な計画性、クラピカ＝強みの特化と自己規律、レオリオ＝利他とネットワーク、ヒソカ＝エンタメ性と独自性、ネテロ＝リーダーシップと情熱とまとめることができます。続いては、ハンターハンターの物語構成そのものから、マーケティングやファンエンゲージメントのヒントを探ってみましょう。
ストーリー構成とマーケティング：物語展開に学ぶファンの惹きつけ方
ハンターハンターの物語は複数の「編（ストーリーアーク）」に分かれ、それぞれ趣向の異なる展開で読者を飽きさせない構成になっています。主要なハンター試験編、幻影旅団編（ヨークシンシティ編）、キメラアント編の三つは特に人気が高く、それぞれファンに強烈な印象を残しました
これらのストーリー展開から、読者（ファン）の心を掴みエンゲージメントを高めるためのマーケティング戦略を考察します。メンバーシップ運営においても、コンテンツ配信の順序やイベントの組み立て方でファンの熱量をコントロールすることが可能です。それをハンターハンターの各編になぞらえて解説していきます。
ハンター試験編：魅力的な世界観への導入と段階的な課題設定
ストーリー概要： 物語の序盤にあたる「ハンター試験編」では、主人公ゴンがプロハンターの資格を得るため年に一度のハンター試験に挑みます
この試験は非常に過酷で、数百万人の応募者の中から最終的に合格できるのは数人という超難関
一次試験から最終試験まで幾つもの段階があり、長距離マラソン、湿地帯でのサバイバル、料理対決、タッグマッチの塔、脱出デスマッチ、そしてトーナメント戦と、ステージごとにまったく異なる課題が受験者たちに課されました。
ゴンはこの試験を通じてキルア、クラピカ、レオリオといった生涯の仲間と出会い、同時に奇妙な試験官やライバル（ヒソカ等）の存在を知り、この世界の広さと未知を感じ取ります。ハンター試験編は物語の導入部でありながら、既に緩急ある展開とキャラクター描写で読者を引き込み、ゴンの合格という一区切りまで一気に読ませる構成です。
マーケティング観点での教訓： ハンター試験編に学べるのは、「段階的なエンゲージメント強化」と「コミュニティのコアメンバー形成」です。メンバーシップに初めて人が訪れたときを考えてみましょう。それはまさに物語の序章に足を踏み入れた瞬間です。読者（見込みメンバー）は、最初にあなたの世界観やコンテンツの魅力を感じ取らねばなりません。このために、オンボーディング（導入）の工夫が必要です。ハンター試験が徐々に難易度を上げつつ受験者を選別していったように、メンバーシップでも最初はシンプルかつ興味を惹く内容を提示し、徐々に深いコンテンツへ誘導するのが効果的です。具体的には、無料記事や体験コンテンツでまず世界観を提示し（ハンター試験で言えば一次試験のように基本ルールを掴ませる段階）、そこで興味を持った人に対し次のステップとして有料プランへの参加を促す、といった流れです。言い換えれば**「フリー→エントリー→コア」**のステップを踏ませることです。
noteでは、フォロワーがまず記事を読む→スキを押す→有料記事を買う→メンバーになる、といった段階が想定できますが、これをハンター試験のフェーズに例えて設計してみるのも面白いでしょう。
ハンター試験編で特筆すべきは、多様な試練が用意されていた点です。長距離走で体力、料理で創意工夫、タッグ戦でチームワーク…と、一辺倒にならない展開でした。これはマーケティングで言えば、コンテンツの多様性とユーザー体験の変化に相当します。メンバーシップでも、最初のうちは様々な切り口のコンテンツを試すことで、ファンが「次はどんな企画が待っているんだろう」とワクワクする状態を作れます。例えば、初月はウェルカム企画（自己紹介や方針共有）、次はちょっと変わったテーマの特集記事、その次は限定ライブ配信…というように、毎回違うタイプの「お楽しみ」を提供し、飽きさせない工夫をします。ハンター試験に挑む読者は、次々と出てくる課題にページをめくる手が止まらなかったはずです。同様に、メンバーが定期購読を続けたくなるのは「来月は何があるんだろう？」という期待感があるからです。
また、ハンター試験編は主要キャラの出会いの場でもありました。ゴンたちは試験を通じて強い友情で結ばれ、以降の冒険を共にします。この「核となるコミュニティ形成」はメンバーシップでも重要です。サービス開始当初に集まってくれたメンバー（いわば初期加入組）は、今後コミュニティを支えるコアファンに育つ可能性が高いです。彼らとの関係をしっかり築くことで、後から来る新規メンバーにとって居心地の良い雰囲気作りにも繋がります。ハンター試験を生き残った仲間同士には強い連帯感が生まれたように、最初期のメンバーには特別感を持ってもらうのも手です。例えば「創設メンバー」として称号を与える、意見を積極的に取り入れる、限定のグループチャットに招待する等です。彼らはコミュニティの文化を醸成する担い手**となり、後から入った人々をリードしてくれるでしょう。
具体的な活用策:
無料お試しコンテンツで世界観提示：ハンター試験の一次試験にあたる部分として、まずは無料の記事・動画等であなたの世界観や提供価値を示します。ゴンがハンターという存在に憧れて試験に臨んだように、読者が「このコミュニティに入りたい」と憧れるようなストーリーを語りましょう。例えば、自分がなぜそのテーマに情熱を持っているのか、メンバーになるとどんな冒険（体験）ができるのかを紹介するのです。
段階的課金とコンテンツ深度：試験の段階アップ＝課金段階アップと考えます。無料→安価な単発有料記事→月額メンバーシップ、という梯子を登らせるイメージです。その際、それぞれの段階でちゃんと「受験者」が価値を感じる報酬（合格の喜び）を用意しましょう。無料記事で有益な豆知識を得られた人は次の有料記事でより詳細な情報を知り、満足したらメンバーシップ参加で最新情報を常に受け取れる…という具合に、ステップごとにメリットが増す設計が理想です。
コンテンツのバリエーション：ハンター試験編よろしく、連載開始当初は変化球コンテンツも交えつつ様々な試みをしましょう。記事だけでなくイラストや漫画、音声、動画、アンケート、対談形式など、手持ちのリソースで実現可能な範囲で構いませんので、多様な形式に挑戦してみます。これはクリエイター自身の得意分野を探る意味合いもあります。公式の助言にも「反応を見ながら試す」ことが推奨されています
初期メンバーを大切に：合格を勝ち取った同志＝最初期メンバーとの絆を深めます。具体的には、サービス開始◯ヶ月以内に加入したメンバーを対象にしたオフ会やオンライン座談会を開催して感謝を伝える、彼らからコミュニティの名称やスローガンのアイデアを募って採用するなど、共同体意識を高めるイベントを企画します。ハンター試験合格組が「ハンター仲間」として団結したように、初期メンバーには「自分たちがこのコミュニティを作っている」という当事者意識を持ってもらうのです。そうすれば、新しく入ってきた人も彼らの振る舞いを見てコミュニティ文化にスムーズに馴染めます。
幻影旅団編（ヨークシンシティ編）：物語の盛り上げと意外性、チームの魅力
ストーリー概要： 「幻影旅団編」（正式名称ヨークシンシティ編）は、ハンターハンターの中でも屈指の人気を誇るエピソードです。
この編ではクラピカが主人公格となり、自らの一族を虐殺した盗賊集団・幻影旅団（クモ）への復讐劇が繰り広げられます。一方、ゴンとキルアはオークションで幻のゲーム「グリードアイランド」を手に入れるためヨークシンの闇市に関わり、そこで旅団と遭遇します。物語はクラピカVS幻影旅団、ゴン一行VS旅団、旅団内の駆け引きという複数の視点・対立軸で進み、非常にスリリングでした。クラピカは自身に科した制約を駆使して旅団員を次々捕らえ、団長クロロを人質に取ることに成功します。一方旅団も仲間を救うため動き、クロロ奪還と引き換えに一時休戦が成立します。
最終的にクラピカの目的（クロロの念能力封印）は果たされたものの、完全な決着は付かず両者緊張を孕んだまま物語は次の章へと移っていきました。この編の魅力は、敵役である幻影旅団のキャラクター性やチームの描写も丁寧に行われた点、息詰まる心理戦・頭脳戦が展開された点、そして主要キャラ達が初めて別行動しそれぞれの物語が交錯する構成にあります。ファンの間では「ヨークシン編が一番好き」という声も多く、その評価の高さは作中No.1とも言われます。
マーケティング観点での教訓： 幻影旅団編から学べるのは、「物語（コンテンツ）のピークを作る」ことと「“敵役”の魅力で盛り上げる」ことです。メンバーシップ運営において、常に一定ペースでコンテンツを出すだけでなく、山場（クライマックス）となる時期やイベントを意識的に設定するのは有効です。ヨークシン編はそれまでの伏線やキャラクター背景が一気に収束し激突する場面で、多くのファンの熱量が最大化しました。同様に、コミュニティ運営でも定期的にファンの熱が高まるクライマックス的企画を用意しましょう。例えば、「◯周年記念イベント」や「大型コラボ企画」「リアルイベント（展示会・ファンミーティング）」「重要な新サービス発表」などが該当します。そうした特別な局面では、通常以上に凝ったコンテンツや演出を行い、ファンにとっての一年のハイライトを作ります。これはマーケティングで言うキャンペーン戦略に相当します。普段は継続的な情報発信でファンを繋ぎ止めつつ、要所でドカンと盛り上げることで、「メンバーで良かった！次の盛り上がりも見逃せない！」というロイヤリティ向上に繋がります。
次に「敵役の魅力」とは何か。幻影旅団は悪役でありながら、そのチームワークや個々のキャラが非常に魅力的に描かれました。マーケティングにおける「敵役」とは、いわば課題や競合です。ファンを盛り上げるためには、乗り越えるべき課題や共通の“敵”が明確になっていると効果的です。
例えば、「世の中にはこんな不便や問題がある、でも私たちのコミュニティでそれを解決しよう」という構図を提示すると、メンバーは共闘意識を持てます。これはストーリーテリングの技法でもあり、ブランドの物語において「悪役（Villain）」を設定するとヒーロー（自社や顧客）の活躍が際立つと言われます。ハンターハンターで言えば幻影旅団という極めて強力な敵がいたからこそ、クラピカやゴン達の成長と奮闘がドラマチックになりました。
同様に、クリエイターも「解決したい社会課題」や「打ち破りたい業界のタブー」「目標とするライバル」などを敢えて語ることで、ファンの結束を促せます。注意点として、競合を過度に批判するのは逆効果なのであくまで前向きな目標設定としての“敵”を想定します。たとえば「紙媒体ではできない双方向の学びをオンラインコミュニティで実現したい」とか「独学の孤独感をみんなで打破しよう！」といった具合です。
さらに、幻影旅団編のマーケティング的学びとして「伏線回収と意外性」も挙げられます。この編では、クラピカの能力や制約、幻影旅団員の能力、陰謀など数多くの伏線が張られ、最後にクラピカの勝利という形で一部回収されました。しかし団長クロロのその後など未解決の課題も残し、読者に先への期待を抱かせました。メンバーシップでも、コンテンツの連続性とサプライズを計画しましょう。連載企画を組んで徐々に情報を明かしていき最終回で大きな発表をする、イベントで「実は裏でこんなプロジェクトも進行しています」と種明かしするなど、ファンの予想を少し裏切るような演出があると深く記憶に残ります。例えば、ずっとテキスト記事だけと思わせて突然スペシャルゲストとの対談動画を公開する、といった具合です。「意外性」はエンタメにおいて極めて重要で、人は驚きに喜びを感じます。幻影旅団編でクラピカがまさか旅団を制圧するとは…という驚きとカタルシスがあったように、コミュニティでも良い意味での裏切りを用意したいところです。先述のヒソカのところでも触れましたが、サプライズを散りばめる戦術ですね。
具体的な活用策:
年次ビッグイベントの開催：幻影旅団編に匹敵する年間ハイライトを作ります。例えばコミュニティ開始1周年記念にオンラインフェスを開催するとか、大型企画（24時間配信や合同誌制作など）を行います。その際、普段は見せないスケールのコンテンツ（他分野の専門家を呼ぶ、景品付きコンテストをする等）でメンバーの興奮度を上げましょう。大きなイベント前にはカウントダウン投稿やティーザー映像などをSNSでも流し、期待感を煽るマーケティングも忘れずに
共通の目標・敵を設定：メンバーが一致団結できる指針を示します。例えば「◯◯業界を一緒に盛り上げよう」「皆で××検定に合格しよう」などの目標や挑戦を掲げるのです。そこに到達する過程をコンテンツ化（進捗報告や成功談・失敗談の共有）すれば、物語性が生まれます。いわばメンバーシップ全体で進行するストーリーです。幻影旅団を倒すというクラピカの悲願を、読者は自分事のように応援しましたが、それと同じ心理を起こすイメージです。「敵」は抽象的でも構いません。例えば「三日坊主な自分に打ち勝つ」が敵なら、「毎日5分英語勉強を皆で続けるチャレンジ」をコミュニティで行うなど、メンバーと共闘できます。その結果をお祝いすることが次の山場イベントになり、成功体験を共有したメンバーのロイヤリティは飛躍的に高まります。
ストーリーテリングと伏線：コンテンツ発信において、小さな伏線や予告を散りばめておきます。たとえば「実は近日中に皆さんに重大なお知らせがあります…！」と先に示唆しておき、数日後にその企画を発表するといった手法です。これは情報のじらし戦術で、ファンの興味を引っ張る効果があります。ハンターハンターでもヨークシン編序盤から旅団の影がちらつき不穏な空気がありましたが、そういったムード作りにあたります。ただし約束したのに実施しないのは厳禁です（信用を失います）。必ず回収できる伏線のみ張り、さらに想像以上の展開で応えることでファンの満足度は高まります。
敵キャラ（課題）の魅力発信：もしクリエイター自身が取り組むテーマに明確な課題や論点があるなら、あえてその課題の魅力を発信してみましょう。たとえば環境問題を扱うなら「これだけ大変な問題が山積み。でもだから燃える！」と課題自体をコンテンツにするイメージです。課題がドラマを生むことを、幻影旅団の存在が証明しています。ただネガティブ一辺倒だと疲弊するので、「難敵だけど我々には秘策がある」などポジティブな見通しもセットで提示します。これはブランディングにも効いて、コミュニティとしての使命感が生まれます。「我々は○○を倒すアベンジャーズだ」的な物語を共有できれば、メンバー間の結束はより強固になるでしょう。
キメラアント編：スケールの拡大と深いテーマによる熱狂的ファン化
ストーリー概要： 「キメラ＝アント編」はハンターハンター随一の長編であり、物語のトーンが一気にダークで重厚になった章です。
人間を捕食し急速に勢力を拡大する異種族・キメラアントが出現し、人類存亡の危機が描かれます。ゴンとキルアはカイトと共に蟻討伐に乗り出しますが、次々と仲間が殺され、ゴン自身も親友キルアですら手に負えないほどの憎悪に囚われていきます。蟻の王メルエムは人間以上の知性を持ち、人間の少女コムギとの出会いを通じて次第に心境に変化が生じます。ネテロ会長率いる討伐隊との決戦は凄まじい死闘となり、ネテロは命と引き換えにメルエムを倒しましたが、ゴンもまた仲間を傷つけられた怒りと悲しみから自らの命と引き換えに圧倒的な力を引き出し、ピトーを討伐しました。結果、ゴンは瀕死の状態となり、物語は次の会長選挙・アルカ編へ続きます。キメラアント編は、人間と蟻の戦いを通じて「種族」「生命の在り方」「友情と憎しみ」など深いテーマが描かれ、多くの読者に感動を与えました。特にメルエムとコムギのエピソードは漫画史に残る感動シーンとして語られています。
マーケティング観点での教訓： キメラアント編からは、「スケールの拡大による圧倒的体験提供」と「感情に訴えるストーリーでファンを熱狂的にする」ことが学べます。メンバーシップがある程度軌道に乗り、コミュニティやコンテンツの質が安定してきたら、次に目指すは飛躍です。ハンターハンターもヨークシン編までの冒険譚から一転、キメラアントという国家レベルの脅威に話を広げ、一気に物語のスケールを拡大させました。同様に、コミュニティ運営でもフェーズ2として規模や影響力を増すチャレンジをするときがあります。例えば、メンバー数が100人規模から1000人規模に増えた、国内だけでなく海外のファンも増えてきた、取り扱うテーマが拡張した…などのタイミングです。このとき重要なのは、既存ファンの満足度をさらに上回る体験を提供することです。キメラアント編は、それまで人気だった幻影旅団編を超える興奮と感動を提供しうるかという挑戦でもありました。結果、読者の評価は分かれつつも、多くの人を熱狂させ作品への没入度を深めました。コミュニティにおいても大規模化に伴い一人一人との距離が離れがちですが、その分コンテンツの深度を上げたり大型企画で還元したりすることで、「規模が大きくなっても熱量は下がらないどころか、さらに楽しくなった」と感じてもらえます。
また、キメラアント編のようにシリアスで感情を揺さぶるストーリーは、一部のファンをコアな信者（熱狂的ファン）へと進化させます。
マーケティング的に言えば、ライト層をミドル・ヘビー層に転化させる局面です。ハンターハンターの場合、キメラアント編で離れた読者もいましたが、逆にこの編で作品の虜になったファンも多数存在します。
コミュニティ運営でも、時に踏み込んだテーマやファンの心情を激しく動かすようなコンテンツを提供すると、それまで様子見だった人が一気にのめり込むことがあります。
例えば、クリエイター自身の人生観や葛藤を綴ったエモーショナルな記事、メンバーと一緒に作り上げた感動的なプロジェクトなどが考えられます。人は論理だけで動くものではなく、感情的な体験に強く惹きつけられるものです。マーケティングではストーリーブランドなどで「感情に訴求せよ」と言われますが、まさにキメラアント編は感情のジェットコースターでした。ゴンの憤怒と悲哀、カイト喪失の衝撃、メルエムとコムギの愛と死…これらに心動かされたファンは、作品への忠誠度が飛躍的に上がったはずです。
同様に、クリエイターも自身の物語やコミュニティの物語でメンバーの感情に触れる瞬間を演出しましょう。一体感が極まったとき、ファンはもはや単なる顧客ではなく同志になります。
加えて、キメラアント編では多くのキャラクターが協力し合い、世代や立場を超えたチームプレイが描かれました。主人公チーム＋元敵キャラ（幻影旅団のゼノ）＋他国ハンターなど、オールスターともいえる布陣でした。
このようにリソースを総動員することも、コミュニティが成長した段階では有効です。具体的には、これまで関わりのなかった専門家や有名人をゲストに招いたり、メンバーから運営スタッフを募ったり、大規模なクラウドファンディングを行ったりと、できることの幅が広がるのです。キ
メラアント討伐隊が各方面のエキスパートを集めて編成されたように、コミュニティも規模に応じて総力戦のイベントを組めます。これによりメンバーは「ああ、私たちのコミュニティはこんなにもすごいことができるんだ」と誇らしく思い、外部への発信（口コミ）も進むでしょう。SNSでのバズも期待できます。
具体的な活用策:
コンテンツの超充実期を作る：キメラアント編相当の大ボリューム企画を展開します。例えば、「毎日連続投稿◯日間チャレンジ」と銘打って大量の有益情報を投下する、あるいは長編の連載記事や動画シリーズを開始して読み応え・見応えをアップする、といった試みです。質だけでなく量でも攻めることで、メンバーはコンテンツ消費に嬉しい悲鳴を上げるでしょう。「ついていくのが大変だけどすごい！」という状態はファン熱を上げます。ただしクオリティ管理は忘れずに。ハイクオリティ大量投入はクリエイターの負担も大きいので、チームで役割分担するなど工夫しましょう。
感動コンテンツの投入：たまには泣ける話・胸に迫る話をコンテンツにしてみます。クリエイター自身の原体験や、コミュニティで起きたエピソード、メンバーの成功体験など、ドキュメンタリー的な内容は感情を動かします。これをテキストや映像でしっかり演出するのです。例えば「かつて挫折したけれどファンに支えられて立ち直った話」「あるメンバーがこのコミュニティのおかげで夢を叶えた話」などは強く響くでしょう。ハンターハンターでコムギと王が死を迎えるシーンに涙したファンが後を絶たないように、人の心を震わせる瞬間を共有すれば、コミュニティは単なる情報交換の場以上の感情共同体となります。そうなればファン離れは起きにくく、むしろ自発的に友人を誘ったりしてコミュニティ拡大にも寄与してくれます。
総力イベント・プロジェクト：キメラアント討伐隊的な、コミュニティの総力を上げて挑む企画を考えます。例えば、メンバー全員参加型の制作プロジェクト（皆で一つの作品や本を作る）、あるいは大規模なオフラインイベント（会場を借りて展示会・発表会）などです。規模が大きいほど調整は大変ですが、その分達成時の一体感は計り知れません。そうしたビッグプロジェクトを成功させれば、メンバーのロイヤリティは最高潮に達し、外部にもニュースとして伝わりやすくなります。キメラアント編後に世界の強者たちがハンター協会に注目したように（会長選挙での各国代表参戦など）、コミュニティの成功事例はSNSや業界メディアで取り上げられ、新たなファン獲得の呼び水ともなるでしょう。
ハンターハンターの各ストーリー編から、導入→盛り上げ→クライマックスの作り方や、物語に欠かせない敵役・テーマ設定の妙を学び、メンバーシップ運営に活かせそうな戦略を見てきました。コンテンツ提供でもイベント企画でも、「物語性」と「起伏」を意識すると、ファンの心を掴むマーケティングが可能になります。次章では、メンバーシップ運営の本質とも言える価値提供とコミュニティ形成について、ハンターハンター全体のテーマやファンとの関係性を参考に考察します。
価値提供とコミュニティ形成：物語に見るファンへの価値と関係構築
メンバーシップを成功させるには、継続的に価値あるコンテンツを提供し、ファンとの信頼関係を構築し、適切な価格設定を行い、コミュニティを健全に維持・発展させることが求められます。
これは一朝一夕には成し遂げられず、地道な努力と工夫の積み重ねが必要です。ハンターハンターという作品も、連載開始から20年以上経ちますが、その間に培われた読者との信頼関係や作品の価値が今なお色褪せず支持され続けています。ここでは、ハンターハンターの物語とファンの関係性から、価値提供の方法、ファンとのコミュニケーション、価格・特典戦略、コンテンツの継続性、コミュニティ醸成といったメンバーシップ運営のポイントを具体的にひも解きます。
「ここでしか得られない価値」の提供：作品の唯一無二性に学ぶ
ハンターハンターが多くのファンを惹きつけて離さない理由の一つは、その世界観・ストーリー・キャラクターなど作品独自の価値が極めて高いことです。他の漫画では味わえない緻密な念能力の設定、先の読めない展開、魅力あふれるキャラクター群…まさにここでしか得られない面白さがあります。メンバーシップでも、ファンがお金を払ってまで求めるのは「その人（コミュニティ）でしか手に入らない何か」です。
前述のクラピカの項でも触れましたが、自分の強みを活かして差別化されたコンテンツを出すことが肝心です。ハンターハンターが漫画界で独自の立ち位置を築いたように、あなたのメンバーシップもマーケットの中で独自ポジションを確立しましょう。
具体的には、「専門性」と「独創性」の両輪がポイントです。専門性とは特定ジャンルに特化して深い情報・作品を提供すること、独創性とは切り口や表現がオリジナルであることです。ハンターハンターの例で言えば、念能力のシステムは非常に専門的（複雑で奥深い設定）でありつつ、制約と誓約や系統診断といったアイデアは独創的でした。この二つが噛み合っているからこそ、「H×Hでしか味わえない！」となるわけです。
メンバーシップでも例えば、あなたが映画解説コミュニティを運営するなら、ただのレビューではなく心理学の観点から掘り下げる（専門性）＋独自のユーモアや比喩で語る（独創性）といった形で際立たせます。付加価値を感じてもらえれば、多少高い月額でもファンは納得しますし、無料コンテンツとの差別化も容易になります。
noteのメンバーシップ成功例では、「自身の知識・経験・スキルを活かしたここでしか得られない情報」を提供していると指摘されています。
ハンターハンターの作者・冨樫義博氏も、自らの漫画知識や趣向、人生観を投影しながら他にない物語を紡ぎました。クリエイターも、自身のバックグラウンドを棚卸しして「自分だから提供できるもの」を洗い出しましょう。それをメンバーシップのコンセプトに据えることです。例えば冨樫先生がゲーム好きでそれがGI編の着想になったように、自分の趣味嗜好や専門知識を組み合わせてオンリーワンの企画を作るのです。noteの勉強会資料でも「コンセプトを考える時に大切なポイント」として「やりたいこと」「得意なこと」「ターゲットのニーズ」の3つを満たすのが良いとされています。
まさに、自分の得意・好きと市場ニーズの交差点が独自の価値提供領域になります。ハンターハンターの場合、「作者の得意＝バトル漫画・心理戦」「作者の好き＝ゲーム要素・ダークファンタジー」「読者のニーズ＝少年漫画の王道と新奇性のバランス」を見事に突いたからこそヒットしたとも言えます。
実践Tips: 提供価値を高めるには、定期的に「自分のコンテンツの魅力は何か？」を問い直すことも大切です。マンガ連載でも人気投票やアンケートでフィードバックを受けてテコ入れすることがありますが、メンバーシップも同様です。メンバーから「どんなコンテンツが一番役立ったか？」「期待する企画は？」など意見を募りつつ、自分の強みと擦り合わせてブラッシュアップしましょう。不断の改善で、価値は磨かれていきます。
ファンとの信頼関係構築：双方向コミュニケーションと心理的安全性
ハンターハンターのファンコミュニティは非常に粘り強く、連載の長期休載があっても作品を待ち続けたり、ファン同士で考察を深め合ったりしています。これは、作品と読者の間に強い信頼関係があるからです。冨樫先生が物語を中断しても「必ず戻ってきて続きを描いてくれる」と信じるファンも多く、その背景には過去の名エピソードへの信頼や、作者とファンのある種の絆が存在します。またSNS時代には冨樫先生自身がTwitterを開設し「原稿進捗」を報告してファンとの距離を縮めた出来事もありました。
これなどは双方向コミュニケーションの好例です。メンバーシップでも、ファンとのコミュニケーションを大切にすることが継続運営の生命線です。
一方通行の発信だけではなく、ファンの声に耳を傾け、対話を重ね、時に舞台裏も見せることで、信頼感と親近感が醸成されます。
双方向コミュニケーションを円滑に行うには、心理的安全性を確保した環境が不可欠です。これは前述の幻影旅団の例でも触れた通り、メンバーがお互い安心して発言できる雰囲気です。
運営者がフレンドリーかつ尊重的な態度で接し、ミスや批判にも過剰反応せず冷静に対処することが重要です。ハンターハンターの作中でも、例えばゴンは仲間が失敗しても責めず励まし合いましたし、キルアはゴンの暴走さえ受け入れ寄り添いました。そうしたキャラ間の信頼が読者にも伝わり、「このチームを応援したい」と思わせます。クリエイターとメンバーの間も、まるで作中の仲間のようにお互いを信頼しサポートし合える関係を築ければ理想的です。
具体策として、メンバーシップ内のコメント欄や掲示板は積極的に活用したいです。投稿にコメントが付いたら可能な範囲で返信する、質問には丁寧に答える、感想には感謝を伝える等、一つ一つの交流が積み上がって信頼になります。また、時にはメンバーの声をコンテンツに反映するのも効果的です。例えば「以前リクエストいただいたテーマを深掘りしてみました」と投稿すれば、自分たちの意見を汲んでくれたとメンバーは感じます。noteではメンバーシップ内記事でアンケートを取ったりすることも可能でしょうし、DiscordやSlack等外部ツールを連携してコミュニティチャットを活性化させる例もあります。
重要なのは、メンバーを単なる顧客ではなくパートナーとして扱う意識です。ハンターハンターのファンも、ただ消費者に留まらず自ら考察や二次創作で作品を盛り上げるパートナーとなっています。クリエイターも自分の世界を一緒に作ってくれる仲間としてファンに接することで、Win-Winの関係が築けます。
さらに、信頼関係構築には透明性も大切です。例えば価格改定やコンテンツ配信頻度の変更など、運営方針に変更があるときは事前に正直に説明しましょう。隠し事が一番不信を招きます。ハンターハンターの休載理由が作者の健康問題であることなどは周知の事実ですが、それを編集部や作者がきちんと発信していたからこそファンも理解を示しています。noteメンバーシップでも、もし投稿頻度を減らすなら「クオリティ向上のため」等理由を共有し、その代わり別の形で価値を補う約束をするなどが考えられます。誠実な対応はファンに伝わり、逆にミスをしたときも「今回は仕方ない、次を待とう」という寛容さに繋がります。
実践Tips: 定期的にライブコミュニケーションの場を設けると距離が縮まります。例えば月一でZoom等を使ったオンライン懇親会や、生配信での雑談コーナーなどです。直接リアルタイムでやり取りすると文章では伝わらないニュアンス（声のトーン、笑いなど）が共有でき、親近感が増します。冨樫先生がTwitterで直筆原稿の写真をアップして「今日はここまで」と呟いたのをファンが見て安心したように、人柄や熱意が垣間見える瞬間を演出しましょう。このようにメンバーとの接点を増やすことが信頼の積み木を積む作業です。
価格戦略と特典設計：価値に見合う価格付けと柔軟なプラン
メンバーシップの料金設定は悩ましいポイントですが、これは提供価値とターゲット層に見合った価格であることが重要です。
ハンターハンターに直接価格はありませんが、例えば単行本の値段以上の満足を読者が得ているからこそ売上が伸びています。メンバーも、払った額以上のリターンがあると思えば継続します。note公式のアドバイスでは、月額会費は「コーヒーやランチ代など比較対象が分かりやすいものの金額」で始めるのがおすすめとあります。
つまり「たった◯◯円でこれだけ楽しめる」というお得感を演出しやすい価格帯を狙うわけです。例えば500円～1000円程度なら「月1回のカフェ代でこの情報が全部読める」とイメージさせられます。実際、ファンからすると好きなクリエイターへの支援も兼ねているので、躊躇なく払える範囲から始め、まずは数を集める戦略もありです。その後、運営が軌道に乗りファンも濃くなってきたら、上位プランや追加プランを作り段階的に収益最大化を図ります。最初から多プラン作りすぎず、1つから始めて成長に合わせ増やす方が無理がありません。
ハンターハンターで言えば、序盤は読者も子供だったため冒険活劇調で導入し、後半は成長した読者に合わせて内容を深化させた、と見る向きもあります。同じように、メンバーシップもファン層の熟成に合わせて提供内容と価格帯をアップデートしていくと良いでしょう。初期はライト層向け低価格プラン中心、中期以降はヘビー層向け高価格プランも導入という流れです。価格を上げる際は、「これだけ充実した特典が付くので値上げする」という理由付けが大切です。
例えば新しく上位プラン（月額3000円）を作るなら、「限定のオンライン講座と個別相談券付き」といった明確な付加価値を設定します。
特典（リワード）設計も価格戦略と表裏一体です。基本は価格が上がるほど希少性・手厚さが増す特典を付けます。noteのヘルプにも「上位プランは創作活動の延長で提供しやすい内容を考えましょう」とあります。つまり、無理なく継続できる範囲で差別化を図るべきということです。例えば通常プラン(¥500)は週1記事＋月報告、上位プラン(¥1500)はそれに加えて月1ライブ＋質問優先回答、プレミアプラン(¥5000)はさらに1対1コーチング付き、など階層ごとに付加サービスを増やします。
ただし気をつけたいのは、特典を盛り込みすぎないことです。魅力を出そうと詰め込みすぎると運営者が回らなくなり、結局提供が滞って信頼を損ないます。
無理のない特典設定が大事で、できれば後から追加も見越しておくと良いです。
例えば最初から毎日投稿を約束するとしんどいですが、週2投稿にしておき、余力があれば「予定外の臨時投稿」などサプライズ追加した方が喜ばれます。逆に特典を減らす場合は事前告知や代替措置が必要と公式も言っています。約束を減らすのは極力避けたいですが、やむを得ない場合は誠意ある対応が必須です。
ハンターハンター的に考えると、「制約と誓約」を適用しすぎないよう注意、という感じでしょうか。ゴンが強大な力と引き換えに代償を払ったように、無茶な約束をすると後々運営に支障が出ます。計画的かつ柔軟にプラン変更できるよう、価格・特典戦略も進化するものと捉えておきましょう。例えばメンバー増加で掲示板が賑わいすぎたら、上位プランには別途クローズドのコミュニティを用意して少人数で深い交流ができるようにするなど、状況に応じた改良も考えられます。
実践Tips: 初期価格の決め方としては、競合や類似コミュニティの価格も参考にしましょう。同ジャンルのnoteメンバーシップがいくら位か、あるいは他プラットフォームのオンラインサロン相場などです。その上で、自分の知名度や提供頻度を考慮して「この値段でこの内容なら納得」と思える設定にします。価格には心理的なキリ番（¥980や¥1500など切りの良いorワンコイン価格）も効果があります。ただし過度に安くしすぎると「品質も低いのでは」と思われることもあるので、適正価格を意識してください。また、初月無料キャンペーンなども導入できます。
まずは体験してもらい、良さを実感してもらってから課金継続につなげる作戦です。Netflixや各種サブスクが初月無料を行うように、noteでも条件付きで可能なので適宜検討すると良いでしょう。
コンテンツの継続性と進化：長期休載から学ぶ持続のコツ
連載漫画であるハンターハンターは、ファンには申し訳ないですが「休載が多い作品」としても有名です。それでもなおファンが離れないのは、作品のポテンシャルの高さに加え、作者が諦めず描き続ける意思を見せているからでしょう。2022年には冨樫先生がTwitterで「あと○話」と進捗報告しつつ休載を終わらせ復帰したことが大きな話題となりました。
このように不定期連載でも熱狂的に支持される例は特殊ですが、我々が学ぶべきは「継続は力なり」ということです。メンバーシップ運営では、基本的に継続的なコンテンツ提供が必須です。できれば休載（更新停止）は避け、コツコツでも出し続けることで信頼を維持できます。ただ人間なので体調不良や他プロジェクト優先など、どうしても滞ることもあります。
その際は、ハンターハンターの例にならって正直に状況を伝え、待ってもらえる工夫をしましょう。先述した透明性の話にも通じますが、何も言わず消えるのが一番良くないので、「○月○日～○日まで事情によりお休みします。再開は○日を予定しています」と周知することです。冨樫先生の場合、ジャンプ誌上や単行本あとがき等で「腰痛がひどい」といったメッセージを断続的に発信していました。ファンは事情が分かれば応援モードに切り替わります。「お身体お大事に。待ってます！」という具合です。メンバーもきっと理解を示してくれるでしょう。
継続性のコツとして、「無理のないペース設定」は大事です。最初に飛ばし過ぎてバテるのはありがちなので、始めは抑えめくらいでちょうどいいです。note公式でも「運営に慣れてない人はまず1プラン、軌道に乗ったら2つ3つ…」と勧めています。
これは頻度にも言えます。例えば最初は月4回更新で始め、余裕が出れば増やす、という具合です。一度上げた頻度を下げるのは難しいので、徐々に上げていく方が心理的ハードルは低いです。実際、ハンターハンターも週刊連載ペースが厳しくなり長期休載という形でペースダウンしましたが、現在はジャンプではなく不定期掲載に移行するなど持続可能な形にシフトしています。
メンバーシップも、自分が続けやすいリズムと形式を模索し、必要に応じて方針転換する柔軟さが必要です。
コンテンツの継続性と同時に、「進化」も意識しましょう。長く続くほどマンネリのリスクがあるので、定期的に新風を吹き込むことが大切です。これはストーリー構成のところで触れた、意外性を持たせたりスケールアップしたりする部分に重なります。ハンターハンターも定期的に新章に突入し、世界観を広げてきました（天空闘技場→ヨークシン→GI→キメラアント→暗黒大陸…）。メンバーシップも、半年～1年スパンで何かしら新企画や新展開を考えると良いです。例えば、新しいカテゴリのコンテンツ開始、他クリエイターとの合同イベント、新プラットフォーム展開（YouTubeやPodcast開始）、グッズ販売開始など、変化を恐れずチャレンジします。もちろんコアの価値は維持しつつ、その上での拡張です。変わらない良さと変えていく新鮮さ、このバランスが長寿コミュニティの秘訣でしょう。
実践Tips: 継続のためにルーティン化は強力です。決まった曜日・時間に作業や投稿をスケジュールすることで、習慣として定着させます。例えば「毎週月・木の朝は記事執筆タイム」「金曜18時に投稿」とルール化し、それを最優先する。人間は習慣になれば苦でなくなるので、コンスタントな更新が実現しやすくなります。これは前述の制約と誓約的手法でもありますね。ファン側にも「このコミュニティは○曜日更新だな」と認識されれば、待ち構えてもらえるメリットもあります。
もし休む場合は、アーカイブコンテンツを活用して繋ぐ手もあります。過去の人気コンテンツをまとめて再掲したり、ベスト◯選を作ったりして、「今週は休載ですが代わりに○○特集をご覧ください」とすると、完全な空白を避けられます。ハンターハンターで言えば過去エピソードのアニメ特別編放送とか、蔵出し設定資料公開みたいなものです。noteなら過去の記事に加筆修正して「リマスター版」として再投稿するのもアリでしょう。新規メンバーには新鮮な情報ですし、既存メンバーにも復習になります。
コミュニティ文化と自走するファン集団：仲間意識の醸成
最後に、コミュニティ形成において極めて重要なのが文化作りです。ハンターハンターのファンコミュニティには、「冨樫先生をネタにしても愛する」「考察をみんなで楽しむ」「新刊発売日は祭り」など独自の文化やノリがあります。それがファン同士の一体感を生み、「自分たちはH×Hのファンだ」という帰属意識を高めています。メンバーシップでも、ただ情報や作品を受け取る場から一歩進んで、ファン同士が繋がりを感じる場に育つと非常に強固になります。運営者がいなくてもメンバー同士で盛り上がってくれる状態、いわゆる自走するコミュニティが理想です。
そのためには、共通の**言語やお約束（ミーム）**を作るのも有効です。例えばコミュニティ内でよく使う専門用語やスラング、挨拶の仕方、イベントの定番などです。ハンターハンターのファンなら、「冨樫仕事しろ」は半ば愛情表現ですし、「○○系能力者」という言い回しも通じます。そういう内輪ネタがあると、メンバーは「自分はこのグループの一員だ」という連帯感を感じます。noteメンバーシップ内でも、独自のハッシュタグや絵文字、合言葉を決めても良いでしょう。例えばメンバー限定記事末尾に毎回合言葉を入れて、それを次の記事冒頭で拾うとか、小ネタで構いません。一見くだらなくても、共有されたお楽しみが絆を深めます。
さらに、コミュニティイベントを通じて仲間意識は強まります。オンラインでもオフラインでも、メンバー同士が直接交流・協力する場を提供すると、一気に親密になります。共創企画（みんなで作品を作る）はその最たるものですし、オフ会やZoom懇親会で顔（声）合わせするだけでも違います。ハンターハンターでもファン有志が集まって同人誌を作ったり、考察を語り合う場があり、それがファン文化を支えています。運営者もできればメンバーと一緒に何かを成し遂げる経験を作れるとベストです。前述した総力戦プロジェクトなどはまさにそれですし、小さなことなら月替わりでメンバーに記事投稿をお願いする（ゲスト寄稿）などもコミュニティ感が出ます。「自分たちのコミュニティを自分たちで作っている」という感覚が芽生えると、ロイヤリティは最高潮になります。
実践Tips: コミュニティ文化を育てるために、**名前（ネーミング）**をうまく使いましょう。コミュニティ自体の名称やメンバーの呼称を決めるのです。ハンターハンターのファンの呼び名は特にありませんが、例えばアイドルのファンは◯◯組とか公式にあったりしますよね。それと同じで、メンバーを呼ぶニックネームを設定すると仲間意識が湧きます。例えば「○○ラボの研究員たち」とか「○○ファミリー」といった具合です。少し照れくさいかもしれませんが、案外こういうのは効果があります。漫画『ワンピース』のファンが自らを「麦わらの一味の一員」と感じるように、何かしら呼び名があれば擬似的に共同体になります。
また、コミュニティ内で役割を持つ人が出てくると安定します。ハンターハンターの旅団が団員各自に番号や担当があったように、ファンコミュニティでも自然と世話焼き役やムードメーカー、知識豊富な人などが現れます。運営者はそういうキーパーソンを見つけたら密にコミュニケーションを取り、場合によってはモデレーター役をお願いしてもいいでしょう。
例えば掲示板の管理を手伝ってもらう代わりに何か特典を渡すなどです。そうすると運営者不在時でもコミュニティ秩序が保たれますし、新規が来ても古参メンバーが優しく教えてくれるという好循環が生まれます。「みんなで作る文化」は一朝一夕にはできませんが、運営者がその土壌を耕すことで徐々に芽吹いていきます。
価値提供・信頼構築・価格設定・継続性・文化形成というメンバーシップ運営の肝について、ハンターハンターを例に見てきました。唯一無二の価値を出し、ファンと二人三脚でコミュニティを育て、適切な対価を得つつ、長期的に発展させる。簡単ではありませんが、ハンターハンターの物語が紡がれる中でファンとの絆を深めていったプロセスには、それを実現するヒントが詰まっていました。
では最後に、ハンターハンターが持つ「バズ」の要素をどのように他SNSで活用し、メンバーシップへの集客につなげるか考えてみましょう。
他SNSからの集客戦略：バズる要素とクロスメディア展開
noteのメンバーシップを成功させるには、note内での努力だけでなく、TwitterやInstagramなど他SNSからの集客も欠かせません。
ハンターハンターはSNS時代においても度々トレンド入りするなど、そのバズる要素に事欠きません。例えば、連載再開のニュースが出ればTwitterは祭り、名シーンのコラ画像やネタ動画がファンによって拡散され、新刊発売日には感想ツイートが溢れます。こうした熱狂の伝播こそが新たなファンを呼び込み、コミュニティを拡大させてきました。クリエイターも、自身のメンバーシップやコンテンツがSNS上で話題になるよう仕掛けていく必要があります。
まず意識したいのは、切り取りたくなるコンテンツを作ることです。ハンターハンターには思わず人に話したくなる名言・名場面が多々あります（例：「友達になるのに資格なんていらない!!」やメルエムとコムギの最期など）。メンバーシップの内容は基本有料ですが、その一部をSNSで共有したくなるようなフックを盛り込みましょう。
具体的には、名言めいたフレーズや驚きのデータ・事実、笑えるネタ画像などです。それを自分で積極的に発信するだけでなく、メンバーやフォロワーが自発的にスクショ付きで紹介してくれれば理想です。noteの記事なら冒頭部分だけ無料公開設定にしておき、SNSでシェアしやすくすることも可能です。また、記事の一部を画像にしてTwitterに投稿し、「続きはnoteで」と誘導する手もあります。
これらはティーザーコンテンツ戦略と呼べ、SNS上で興味を引きつけてメンバーシップへの導線を作ります。
次に、ハッシュタグやトレンドの活用です。ハンターハンターでは公式・非公式問わず様々なタグが使われますが、メジャーなのは「#ハンターハンター」「#HUNTERxHUNTER」などでしょう。特に何かイベント（新刊、アニメ放送再開など）があると、それに合わせたタグが活況になります。クリエイターも、自身のコミュニティ用ハッシュタグ（例: #○○サロン裏話 など）を決め、SNS投稿で使ってもらうよう促せます。さらに、自分のジャンルに関連する一般的な人気タグや話題にも絡んでいきましょう。例えばアニメ系なら「#今期アニメ」「#ジャンプ作品」など、ビジネス系なら「#習慣術」「#マーケティング」など、その時トレンドのキーワードを適宜織り交ぜて発信すると露出が増えます。ただし無関係なタグ乱用は逆効果ですので、関連性があるものに限ります。
コラボレーションもSNS集客には効果抜群です。ハンターハンターのキャラが別作品にゲスト出演…はさすがにないですが、冨樫先生が別漫画（ドラゴンボールなど）のパロディイラストを描いたり、他作家と対談したりしたことはあります。そういうクロスオーバーはファン層の交流を生みます。クリエイターも、他のSNSインフルエンサーやコミュニティ運営者とのコラボ配信・対談記事などを実施すれば、お互いのフォロワーが行き来するでしょう。
たとえばInstagramライブでコラボトークして、そのアーカイブをお互いのnote限定で公開する代わりに相互に紹介し合う、などWin-Winの施策が考えられます。SNS上で互いにリプライし合うだけでもファンは「仲が良いんだ」「どちらもチェックしよう」と思うかもしれません。
バズりの火種を作るには、タイムリーさも重要です。ハンターハンターなら連載再開やアニメ新シリーズといったタイミングが最大のチャンスです。その瞬間に合わせて、自分のブログやSNSで関連話題を投稿したり、noteで特集記事を組んだりするとアクセスが急増するでしょう。一般のメンバーシップでも、世間で話題のトピックに関連付けられるネタがあれば素早く反応します。例：「W杯開催中にスポーツ×自分の専門テーマの記事を書く」「大型アップデートの日に関連解説を無料公開する」など、トレンドキャッチと絡めて自分の発信を広げる工夫です。
最後に、SNSからの集客では誘導動線の整備が基本です。どんなにバズっても、そこからメンバーシップに辿り着けなければ宝の持ち腐れです。プロフィールにnoteのリンクを貼る、投稿内にURLを入れる（Twitterならモーメントや固定ツイートにまとめる）、Instagramならリンク集サービスを使うなど、とにかくワンクリックで飛べるリンクを明示しましょう。
note公式でも「SNSのプロフィールにnoteアカウントのリンクを入れる」といった工夫が紹介されています。
地味ですが、これを徹底するかで流入数はかなり変わります。
実践Tips:
週◯回はSNS投稿デー：SNSは気まぐれに使うより計画的に。例えばTwitterなら「毎日朝と夜に1ツイートずつnote記事を宣伝or関連プチ情報を呟く」など習慣化します。ただの宣伝連投はフォロワーが離れるので、単体でも有益な情報や面白いネタとなるよう工夫します。例えば記事からワンフレーズ抜粋して「○○という事実、ご存知でしたか？ 詳しくはこちら→記事URL」のように興味を引く書き方をします。
SNSキャンペーン：メンバーシップの加入促進キャンペーンをSNSで打ち出すのも手です。例えば「今月中に入会の方限定で特別eBookプレゼント！」などのオファーを用意し、それをTwitterで広告したり固定ツイートにするのです
ファン参加型ハッシュタグ：コミュニティの存在を広めるため、メンバーにも協力してもらいましょう。例えば「#○○チャレンジ」と称して、自分が教えたことをやってみた写真や成果をTwitterやInstagramに投稿してもらう企画などです。料理コミュニティならレシピを作って写真投稿、ビジネスコミュニティなら実践報告ツイートなど。これに公式アカウント（自分）がいいねやRTしてフィードバックすることで、外の人の目にも触れます。「こんな楽しそうなことやってるんだ」と興味を持たれれば勝ちです。ハンターハンターでも「#ハンターハンター完コピ絵大会」みたいなファン企画があれば盛り上がるでしょうが、それと同じノリです。
SNSは拡散力抜群ですが移り変わりも激しいため、常にアンテナを張って旬のネタに敏感でいることが鍵です。ハンターハンターは今年は暗黒大陸編やアニメ続編など話題が尽きませんが、そうしたホットトピックに合わせて機敏に動く柔軟性も持ちましょう。
以上、ハンターハンターのストーリー・キャラクターになぞらえながら、noteメンバーシップの攻略法を多角的に解説しました。キャラクター戦略から組織論、ストーリー構成からマーケティング、ファン心理から価格戦略、SNS活用まで、膨大な教訓を盛り込みましたが、要約すると以下のようになります。
強みと情熱を持って唯一無二の価値を提供すること（ゴンの情熱、クラピカの特化など）
ファンを仲間と捉え信頼関係を築くこと（レオリオの利他心、旅団の結束など）
コンテンツに物語性と起伏を持たせファンの心を動かすこと（各編の盛り上げ方に学ぶ）
適切な価格と無理のないプランで継続的に運営すること（特典と価格のバランス、ペース配分）
コミュニティ文化を育みファン同士が繋がる場にすること（心理的安全性や内輪ネタ、参加型企画）
SNSで話題を作り新規ファンを呼び込むこと（バズ要素の演出、クロスプロモーション）
ハンターハンターという物語は、一見するとビジネスとは遠い存在かもしれません。しかし、その中に散りばめられた人心掌握術や物語構築術は、ファンビジネスであるメンバーシップ運営にも通じる普遍的な知恵と言えます。何より、ゴンたちが困難にぶつかっても仲間と共に乗り越えていったように、クリエイターもファンと二人三脚で挑戦を続けることが成功への道です。
長い冒険のような解説となりましたが、あなたのnoteメンバーシップ運営がハンターハンターに負けないくらいエキサイティングで、そして末永く愛されるものになることを祈っています。共に“限界を越えて”頑張っていきましょう！
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