AI・ダービーメトリクス バージョンアップの概要
5年以上前に始まったダビメトの開発ですが、当初の動機は私の個人的な願望であった5代血脈表を学ばせたらAIはどの様な答えを出してくるんだろうか?といった簡単なモノでしたが、遂に今回でバージョン8になりました。
※相棒の動機は至って真面目で「勤務先のプロダクトのマーケティングにAIを活用したいので、身近な競馬予想を例にAIの使い方を学びたい。」というモノでした。
まあ前置きはここまでにして、まず新・旧バージョンの評価指標の違いをお知らせします。
適合率が遂に0.8を超えました!
※適合率とはAIスコア0.55以上は3着以内に入ると予測して、実際に3着以内に入る割合です。
「これはスゴイ!!」と数年前ならば思っていましたが、実際はそんなに簡単なものではありません。適合率0.811ならばスコア0.55以上の競走馬は80%は3着以内に入ると思われガチですが、恐らく実数値は70%ぐらいに留まると思います。
AIの評価指数というモノは、あくまでも評価指数なんですよ?
ただ過去の事例から評価指数が良い、上昇したモデルは必ず実レースでの成績の上昇が見られますので、ダビメトのポテンシャルは確実に上がっていることは間違いありません。
今回のバージョンアップで何を変えたのかは、秘密ですが、以前も申し上げた通り「恐ろしいほどに、ごく一般的な予想ファクターの項目」を増加しました。逆に言えば旧バージョンでは「そんな単純な項目」でよく成果を出していたなと言える程のファクターです。
ただ私は逆に予想ファクター(特徴量)を増やし過ぎると、成績の低下を招くんじゃないかとも思っています。
例えば現在は調教タイム等のデータはAIに学ばせていませんが、獲得賞金、競走間隔、戦歴数、調教師成績などの集合体の中に調教というファクターも必ず要因として含まれているハズで、無理やり調教場所が限られたタイムだけの調教データを学ばせる意味は無いとも考えています。
開発初期の頃は何でも闇雲に学習させれば良いという妄想がありましたが、、、
※動作解析をAIに学ばせている方もいらっしゃいますが、私は調教は”調教捜査官井内利彰さん”に任せた方が良いと思っています?
また話が脱線しました。
次は実際のレースでのAIスコアの新旧の出力傾向の違いを報告します。
左がV8、右がV7
画像が小さくて見えないかもしれませんが?
AIスコアの出力傾向は大きく変わっており、非常に厄介です?
まず中京の名鉄杯はV7と同様にAIスコア1位を軸に2位~6位に流せば良いのですが、福島テレビオープンはV7はスコア0.55以上が不在なので見送れば良いのですが、V8では着外だったエナジーグランがスコア0.697と高くでていて、V7だと軸にしていたと思います。
函館記念もV7だとAIの弱点として消したアラタが0.7を超えていて消すのに躊躇すると思いますし、逆に2着に入ったルビーカサブランカのAIスコアが低く出ていて拾えなかったと思います。
続いて7月15日の3場メインを見て下さい。
ここも中京の関ヶ原SはV7と変わらないAIスコア1位軸の2位~6位への流しで当たりますが。(相棒は間違えてレヴェッツァの色を変えてしまっていますが)
函館2歳SではV7ではスコア0.5を超える馬すら不在で断然の見送りレースでしたが。V8ではAIスコア0.55以上の上位3頭でスコア2位、3位、1位の順で入線して3連複の配当が39,010円もついています。
バーデンバーデンCはV7ではスコア0.5を超える馬が不在で絶賛見送りでし
たが、V8ではスコア1位、2位、4位の順で入線して3連複の配当が12,600円でした。(1,2着はAIスコア0.55以上)
7月15日はV8は絶好調でしたが、これは偶然かもしれませんので、今後注意深く観察する必要がありますね。
ただV7以前のバージョンに比較して穴を拾えるようになったのかもしれません。
またV8の大きな特徴としては再現率の大幅なアップですね。再現率がアップするということは買い目が増えるという事です。
通常適合率と再現率はトレードオフの関係になりますが、新旧の比較で同じしきい値0.55で再現率も上がって、適合率も上がるなんて、何となく疑ってしまいますね。
この数値が本当ならば、新バージョンは買い目が大幅に増えて、当たりも増えて、外れも増えるということですね。(トータルでは適合率が少し上昇する感じ。)
兎に角、新バージョンはAIの全ての評価指標が高いことは解りました。
ただどの様なAIスコアの出力傾向の時に、どんな感じで上手く馬券に結びつけていくのが良いのか全く判明していません。最近よく活用してきた「AI期待値オッズ」についても、使えるかどうかも解りません。
皆さんもしばらくは様子を見て下さい。旧バージョンの方が競馬予想指数やレースの結果を占う上では事例も多くて、経験値も高いので使い易いと思います。
私もユーザー側の視点から、バージョンアップはもう少し先にしませんか?と相棒に進言してきたことも過去に何度もありました。
AIスコアの正しい活用方法が判明して、実際に馬券を的中できるようになると、次のバージョンにアップして、振り出しに戻る?みたいなことを繰り返してきました。
ただ我々の趣味は競馬予想の中でもコンピューターを活用して競馬を予想することで、もう30年近く継続していますので、ライフワークとも言える趣味の進化を止めることは逆にナンセンスなんですね。今後も懲りずに果てしなくバージョンアップを繰り返していきますよ?
まだ構想段階ですが、このダビメトのAIスコアをどの様に活用して馬券的中に結びつけていけば良いのか、皆さんと共に考えるプラットフォームを考えています。ただサロンなんてのは、超絶に気持ち悪いので絶対にやりませんよ。※サロンを運営されている方を誹謗中傷するものではありません。私達には向かない、おこがましいと思っているだけです。
最後に新バージョンを使う上で、自戒を込めて自分に言い聞かせたいことが有ります?
どうも新バージョンは穴を拾えそうだ。=欲が出る。=競馬認知バイアスに侵されて冷静な予想が出来なくなる。
これだけは注意が必要ですね。
※私は競馬を予想する上で発生する認知バイアスを競馬認知バイアスと呼んでいます。
以上