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有馬記念 陥りやすい認知バイアスを考えてみる。

認知バイアスとは?


人間はどうしても自分に都合の良いように考えてしまう傾向にあります。いや傾向というより、それが現実です。

2019年の有馬記念のことを思い出して下さい。
アーモンドアイが断然の人気になっていましたが、今思い起こせばネガティブな要素も沢山あったハズです。例えば当初天皇賞(秋)の次走は香港カップを予定していたが、軽いアクシデントで遠征が中止になり、急遽有馬記念への出走が決まり、名伯楽国枝栄先生にしても100%準備が整っていたのでしょうか?
またジャパンカップ、天皇賞(秋)を圧勝してきた戦歴から、明らかに東京競馬場に適性が有り、トラック適性的に対極と言える中山の2500m戦に適性が有るのかどうかも疑う必要があったと思います。また中山競馬場は初出走でしたね。
結果はアーモンドアイは惨敗、そして東京競馬場で施行されるG1競走未勝利のリスグラシュー、サートゥルナーリア、ワールドプレミアで決まり、2,3,4番人気の組合せで三連複万馬券となりました。

私はアーモンドアイの過去の圧勝のシーンが脳裏に焼き付いていた為か、どの様な状況でも「アーモンドアイならば勝てる。」と根拠の無い確信を持ってしまい、ネガティブな要素を考えることを止めてしまいました。
そしてどんな状況でもアーモンドアイの強さを信じる自分に少し酔っていたのかもしれません。

人間は勝手にヒーローやヒロインの活躍を勝手に自分自身を重ね合わせて「運命」と決めつける癖があります。
世の中に起こる良い事を自分の運命に結び付けてしまえば、心が楽になりますからね。そして偶然であっても、それが実現すれば運命を超えて宿命にしてしまうものなのです。
例えば有馬記念でアーモンドアイが勝っていたら、私は「アーモンドアイは私の為に勝ってくれた。」となっていたに違いありません?

これは認知バイアスの中では「確証バイアス」になるのかもしれません。私はアーモンドアイを最強と考え、その先入観から自分の思い込みをすべて正当化して、反対の考えは無視してしまいました。

人が競馬というゲームを予想する場合、自分の経験や日常的に入ってくる情報によって色々な認知バイアスが発生して、正しい判断が出来なくなるものなのです。

今年の有馬記念で注意したい認知バイアスは?

「そろそろ負ける」
有馬記念当日にクロノジェネシスの引退式が行われるそうですが、少し前ならキタサンブラックの有馬記念後の引退式、直近ならばコントレイルのジャパンカップ後の引退式があり、見事該当レースを勝利してからの引退式となりました。
人間は何回か、この勝利後の引退式が続くと
「そろそろ負けるんじゃないか?」と、まったく根拠の無いことを考えてしまいます。逆に「引退式を行う競走馬は絶対に勝つ」と考えてしまう場合も無理がありますよね。
私は今年の天皇賞(秋)の時に「横山武史が2週連続G1は勝たないだろう?」と、まったく根拠の無いことを考えてしまいました。
これは認知バイアスの中では「ギャンブラーの誤謬」と言うそうです。
冷静に考えれば「そろそろ負ける」とか「2週連続G1は勝たない」とかまったく根拠も無ければ、論理性にも欠けていますよね。でもこういう認知バイアスが発生してしまうと、無理やり穴馬を探してしまったり、軽視してしまって冷静な予想が出来なくなりますね。

「今年の有馬記念はハイペース!」
今年は前走逃げ切ったタイトルホルダー、パンサラッサが出走するのでハイペースでレースが流れると発信している専門家がいます。
またハイペースになるとまでは言わなくても、専門家の方はレース全体の傾向を説明する時に「例年有馬記念はゆっくりしたペースになりやすいが、今年はタイトルホルダー、パンサラッサといった逃げ馬が2頭出走するので注意が必要」と決してハイペースとは断言しなくても、受け手は「今年の有馬記念はハイペース」という印象が残ってしまいます。
こうなるともう冷静な判断は出来なくなり、自然とハイペースになった場合に強い馬を探してしまいます。そしてハイペースが有利に働く出走馬を発見すると、買い目に加えてしまうのです。ただレースのペースなんて水物ですよね。
これは認知バイアスの「アンカリング効果」の変形かもしれません。例えば著名な予想家の方が「今年の有馬記念はハイペースになる。」と発言し、事前にその情報が入ってしまうと、その情報によって自分の予想がゆがめられて、予想がハイペースを前提にしたものになってしまいます。

とにかく競馬の予想は認知バイアスとの戦いなんですね。認知バイアスの中には自分は偏見が少ないと考えるバイアスもあるそうで、物凄く厄介ですね。

AIの競馬予想にはバイアスが存在しません。

AIの予想には認知バイアスが発生しようがありません。
私は人間ですので、どうしても認知バイアスに陥ってしまうので、冷静な判断をする為にもAIの冷徹な数値が必要になります。
ただ私が事前に認知バイアスにまみれて予想し、本命と思っていた馬と、AIの判断とが偶然一致して、それが1番人気では無くて、4,5番人気の時は「このAIは良く出来ている。」「長年開発してきた甲斐があった。」という確証バイアスが発動して、痛い目に合う時がよくありますね。私の予想は当然ですが、AIも万能では無いのですからね。

以上です。
有馬記念頑張りましょうね。

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