エビガラスズメちゃん飼育日記①(イモムシ編)
今回はこの夏の体験として、スズメガの一種であるエビガラスズメちゃんの飼育について記録に残したいと思います。
写真も含まれますので、虫が苦手な方は読まない方がいいかな。
かくいう私も、つい数年前まで虫は大の苦手でした。
実は、子どもが2歳半のときに、公園を散歩していて手に入れた「お宝」を私に手渡ししてくれたことがあるんですねぇ。
こども:「かーちゃん、てぇだして」
わたし:「なになにー?」
こども:「はい」
わたし:「!?……わぁ…軽いねぇ」
なんだと思いますか?
正解は、「死んだセミ(アブラゼミの死骸)」です。
手のひらに置かれたセミの死骸を見た途端、本能では「ひぃっ!なんぢゃこりゃぁー!ぎょえぇぇ〜!」と、払い落としたい気持ちでいっぱいでしたが、理性が「ここで、嫌がったらせっかく見つけてきて、私に見せにきてくれた、我が子の期待を裏切ることになる!」と冷静な判断を下し、笑顔で「わぁ…軽いねぇ」とその時の感想を言いました。
どっしりしたセミの見た目に反して、本当に軽かったんですよ。後で調べたところセミは鳴き声を響かせるためにお腹が空洞なんですってね。どうりで軽いはずだわ。その後、生きているセミも手に取った経験がありますが、やはり見た目よりは、はるかに軽かったです。
そんなこんなで、虫好きな我が子に、虫の世界に誘っていただき、今では素手で平気で虫を触れるようになりました。人間って変われるもんですね。
アサガオとエビガラスズメの幼虫
夏休みに、アサガオを育てている我が子(日本の子どもあるある)。毎日、朝お水をあげて、アサガオの花もほぼ毎日咲いていて、順調に成長をつづけていた、7月のある日、私はアサガオの茎部分に、「ひしっっ!」としがみつくものを発見しました。
こ、これは「イモムシ」。4センチほどの黄緑色のツノのあるイモムシちゃんが、同じ色をしたアサガオの茎につかまっていたのです。
「擬態」しているんでしょうね。赤茶けた部分ではなく、同じ黄緑色の茎のところにいました。
早速、写真を撮って家族に報告。みんな「かわいい」と大喜び。
早速ネットで検索すると…なるほど、チョウではなくガなのね。ガのなかでも「スズメガ」なのね。アサガオにいるから多分「エビガラスズメ」ね、というところまで、ネットに溢れる皆さんのお知恵を拝借しながらたどり着くことができました。ありがたい。
そして、私は気づくのです。イモムシの顔を撮影したつもりだった写真が、実は間違えて、こともあろうか「おしり」の写真を撮っていたことに。
スズメガの幼虫たちはおしりに「ツノ」があるんですね。てっきり、この「ツノ」を頭部に生えた触角かなんかかな、と思い写真を撮っておりました。(無知な)人間が騙されるくらいだから、自然界でも騙される捕食者がいるのでしょう。
エビガラスズメの幼虫、サイズ違いで3匹に
次の日、新たに2匹イモムシを確認。これで、大きさ違いで3匹がこのアサガオに住んでいることがわかりました。まだ卵もあるのかな。
1匹見つけたら、他にもいるもんですね。2匹とも色が黄緑色ではないが、きっとエビガラスズメの幼虫なのでしょう(違ったらすみません)。まだおしりの「ツノ」もありませんね。
我が子が、最初に見つけた黄緑色の4センチの個体を「おいもちゃん」、2.0センチの個体を「こいもちゃん」、1.3センチの個体を「ミニいもちゃん」と名付けました。
一方、おいもちゃんはというと、昨日の茎から移動しておりません。同じところで、じっとしております。なんでかな?もしや、脱皮するのかな?期待は高まる。
と、そこにやってきたこいもちゃん、動かずじっとしているおいもちゃんを植物の一部と思ったのか手(足)を出してしまいます。すると、今までじっとしていたおいもちゃんが、こいもちゃんに対して頭で攻撃(おいもちゃんにとっては防御ですが…)。イモムシが見せた 一瞬の素早い攻撃に私もびっくり、もちろんこいもちゃんもびっくりで、そそくさとその場を後にしました。下の6枚の連続写真は、わずか1秒弱の出来事となります。
そして、在宅勤務の日だったので、仕事がひと段落ついて、息抜きにアサガオをのぞいた私はまた驚くことになる。
あれ?黄緑色のイモムシ(おいもちゃん)いなくなっているわ。どこかしら?
………..お、おぉぅ…!
朝まであんなにカワイかったのに……ずいぶんと立派な、いかにもな、イモムシになられましたねぇ(しみじみ)。一応確認ですけど、同一個体ですよね?と思ってしまいました。
抜け殻全体は見つかりませんでしたが、食べてしまったのでしょうか。一部、頭の部分かなと思われる丸い皮(枝豆の表面の薄皮のような色)が、茎に残っておりました。
そして、驚くことにこの時点で体長が6センチほどに。朝まで4センチだったのに、脱皮するだけでこんな大きくなるんですか?なるんですね!
土の中に潜るまで
次の日から、イモムシ(おいもちゃん)は、食べる!食べる!食べる!!
脱皮して、よく食べるようになったらそれに伴いフン(うんち)も大きくなりました。脱皮前は直径2ミリほどだったのが、直径5ミリほどに。
そして体長もすでに8センチ越え!そんなにいきなり大きくなるんですか?なるんですよ…。
そろそろ蛹(サナギ)になるための土を用意しなければと、100円ショップで購入した虫かごに、園芸用の土を深さ7センチほど敷きました。
脱皮して3日後、かごの中の土の上にイモムシ(おいもちゃん)をそっとおいてみました。さらに、アサガオの葉っぱも複数枚投入。最初は落ち着かずに、頭を高く上げて周りを見渡していましたが、しばらくするとお食事を始めました。
いつ土の中に潜るのかしら、と思いながらも、葉っぱを食べ終えるとキョロキョロ周りを見渡す姿を見ていると、なんとなく可哀想になって、葉っぱを追加投入。結局、8月3日の夜は葉っぱを補充して我々はそのまま眠りにつきました。
そして、8月4日の朝7時に見た時は、イモムシは土の中に潜っていました。補充したアサガオの葉っぱをキレイに食べ尽くし、お腹いっぱいになって潜ったのかなと思っております。
まずは、無事にサナギになるように、1週間ほどそっと見守ることにします。
残りのイモムシは
その後数日は、小さな2匹のイモムシもアサガオの茎や葉に見つけることができたのですが、8月5日に1匹(ミニいもちゃん)は朝、床の上で亡くなった状態で発見。葉っぱから落っこちて、プラスチックの植木鉢を登れなかったのかもしれません。もう1匹(こいもちゃん)は8月7日以降、行方不明に。今まで床に落ちていたフンも見当たらず。家族みんなで、葉の裏や、近くのカーテンの周りも数日間探しましたが見つかりませんでした。
一つ言えるのは、おいもちゃんがおいしそうな葉っぱを食べ尽くした感があったので、栄養が取れなくなったのかな。小さなアサガオの植木鉢なので、3匹をお腹いっぱいにするだけの葉っぱの量がなかったのかもしれません。
おいもちゃんのサナギ時代以降は、また次の記事(エビガラスズメちゃん飼育日記②)にて紹介させていただきます。この記事がエビガラスズメたちのこれからに、少しでも役立てばいいなと思います。