月1夜___月と音楽とコーヒーと..。3月の満月【ワームムーンと春の声】
ラジオ【stand fm】月1夜の放送_を
【note】テキストにてお楽しみいただけます。
___篇首。
おかえりなさい
今日も1日お疲れさまです。
今夜も月が綺麗ですよ。
コーヒーを淹れましょうか。
ちょうど、
演奏会も始まるようですし
よろしければ、ほんの少しの時間
コーヒーとご一緒に
一曲聴いていかれませんか。
___今夜のコーヒー。
お待たせいたしました。
今夜のコーヒーは
vois of spring blend です。
重厚感漂う香りのコロンビアをベースとした芳ばしい苦味とほのかな甘み。そしてエチオピアのフルーティな酸味が加わり そこにコク、苦味、酸味とバランスの良いブラジルをプラス。
ガツンとくる苦味の中にダークチョコレートのような甘味とビターな味わいが楽しめるコーヒーですよ。
演奏会をご堪能いただきながら
ごゆっくりと おくつろぎください。
今夜、曲を奏でてくれる月は
3月の満月【ワームムーン】です。
___チューニング。
1日の終わり
ため息にも似たような
小さな深呼吸をつく
夜空を見上げる視線の先には
毎晩少しずつ姿を変える
____月が浮かんでる。
その容姿はどれも
嫉妬するほどの美しさ。
閑やかなヴェールが大地を照らし
静寂な光は耳元にそっと手を添え
振動する旋律を響かせる。
さて、準備が整ったようです。
___ヨハン・シュトラウス2世による作曲【春の声】
少しずつ春の足音が聞こえます。
長い冬眠から目覚め
蓄えていた力で
動き出そうとしている。
雪が解け土の中で眠っていた
芋虫たちが顔を出す。
空には渡り鳥たちが舞う。
そんな春の始まりを象徴する
ワームムーンが選んだ音楽は
オーストリア、ウィーンから生まれた
ワルツ【春の声】
とても有名な曲なので
一度は聴いたことが
ある方も多いかと思います。
春が来た喜びに満ち溢れる旋律。
華やかさと温かさが曲全体から伝わる曲。
作曲家、指揮者として活躍した
ヨハンの華麗なるワルツは
このワームムーンが照らす月明かり
春の訪れを表現する曲に
ピッタリだと感じました。
___ワームムーン(芋虫月)【春の声】
厳しい寒さの間
穀物や作物の収穫が少なく
困窮した時期。
雪が積もる土の中で春の訪れを
ジッと耐える生命たち。
まだ見ぬ新しい世界への誕生を
心待ちにしている____
そんな期待感を秘めた大地に耳を澄ませ
静まった息づかいを聴きながら
月は次第にワームムーンと変わる。
雪を解かしその小さな声を掘り上げ
美しく華やかに動き出す生命に
語りかける。
「喜びを一面に満たしましょう」
曲の冒頭では
弦楽器の快活な音の重なりが
つぼみの花びらを一枚一枚
開いていくような
春の開放感を感じさせてくれる。
ホルンの柔らかな音は
手を取り合い
クルクルと回り出す生命たちが
ハープの響と共に緩やかに大地を巡り
鮮やかな色へと変えていく。
その光景を空から見下ろす野鳥たち。
優雅に羽ばたきながら歌を重ねて合わせる。
音は奥行きと壮大さが更に広がっていく。
中盤から少し不穏な流れに変わる場面
南から北へと渡る途中に出会う見知らぬ
生命たちに困惑する。
ためらいながらも少しずつ互いのステップを
確かめ合い重なる音は次第に層を増していく。
曲はアップテンポのある流れへ向かう。
そして再び高らかに響く
ヴァイオリンの音で
華やかさは更に芳醇な香りとなり
スピード感溢れるフルートの明るく
澄んだ音色は小川を駆け巡り
弾ける旋律音で空を舞う歓喜となる。
まるで大地の舞踏会のよう。
一つ一つの芽が
果てしなく広がり世界を繋ぐ。
小さな芽はやがて壮大な揺るぎない
緑の基盤となり豊かさと美しくさを
備え華やかな声を響かせる。
終盤のティンパニと
金管楽器から奏でる低音。
大地の底から空高く噴き出す力強さ。
胸が震えるような迫力のあるエンディング。
空間いっぱいに響き渡る春の世界観に
感動の余韻が心地よく残ります。
ワームムーンの目からは
春を迎える歓喜に溢れたワルツと
自然が生み出す逞しさが____見えたようです。
___ ending.
今夜の月の演奏とコーヒーは
いかがでしたでしょうか。
眠りに就く前に
疲れた体と心をほぐす
コーヒーのフレーバーのように
感じてもらえたら嬉しいです。
この___noteでお届けした
【月と音楽とコーヒーと..。】は
stand fm 声で読むエッセイラジオでも
お楽しみいただけます。
エッセイをラジオで聴いたり
文章で読んだり
その時のお好きな気分で
味わうことができますよ。
それでは今夜はこの辺で…。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございます。
次回の月はどなたでしょう。
そして、音楽とコーヒーは何にしましょう。
どうぞお楽しみに。
今日も1日
おつかれさまでした。
明日はもっと素晴らしい
未来でありますよに。
おやすみなさい。