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世界初の生きているロボットXenobots (論文紹介)
1、概要
研究者たちはAIの力を活用して、自己複製できる生物を作った。
合成されたのはただの小さい多細胞集合体だけど、環境にある別の細胞を動かして、運動学的に自己複製できる。
このような自己複製能力は、何千年もかけて進化したものではなく、数日のうちに自然に生じるものである。
この多細胞集合体の複製能力は想定外である。
もし、十分な栄養素(複製材料)のある環境にいれば、永遠に複製し続けるだろう。
研究者たちはこの生物にXenobotsと名付けた。
AIで設計を調整し、複製能力の存続時期をコントロールすれば、複製の副次効果として有用な働きをする集合体を設計できる、ということを研究者が示唆している。
例えば、人の体内で病気を治療してくれる生物ロボットの開発。
このことは、自然淘汰や遺伝子操作なしに、人間に有用な多細胞集合体の実現方法についての理解を深めることができるのである。
2、詳細
研究者たちは蛙の幹細胞を原材料として、Xenobotsを作った。
![](https://assets.st-note.com/img/1642908065715-eWqgr7bBKu.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1642908069298-SndbcUAtwP.png)
数日後、この生物から繊毛が生まれ、泳げるようになる。
環境に同様な幹細胞が大量にあれば、この生物は幹細胞を集めて自己複製する。
完全体は3000個の細胞を持つが、不完全体は十分に多い細胞(少なくとも50個)があれば、自ら成長できる。
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効率よく自己複製できるよう、研究者たちはAIシミュレーションでXenobotsの形を設計した。
![](https://assets.st-note.com/img/1642908164097-gcQJJlOv1c.png?width=1200)
その結果の見た目はPac-Manにすごく近い。
![](https://assets.st-note.com/img/1642908174197-5OiH9KElLc.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1642908179017-2yRSOJpjAw.png)
3、動画
最初のXenobotsは個別の幹細胞を集め、子Xenobotsを作る。
子Xenobotsも成長し、自己複製能力を持つ。
AIでのシミュレーション
最後の形
4、最後の話
普段、自分は生物学の論文をフォローしていない。
今回の論文はたまに共有された。
面白いので、紹介してもいいかと思った。