【ChatGPT×Midjourney】AIと作った英語の絵本を出版した話
こんにちは。AI英会話さんです。
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今回は子供向けの英語学習教材として、英語の絵本をAIと一緒に制作・出版しました!
本記事ではその過程や苦労した点などを紹介していきます。
実際にKindleで読むことができるので、AIが作成した絵本が気になる方や、お子さんに絵本で楽しく英語学習してほしいと考えている方は要チェックです!
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下記から無料で試すことができるので、気になる方はぜひ!
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ChatGPT×Midjourneyで制作した絵本
実際に制作した絵本はKindleで公開されています!
KindleUnlimitedの方は無料でお読みいただけます。
この絵本は子供向けの英語学習教材として制作されました。
そのため、文章は全て子供向けのため簡単な単語や文法で書かれています。(巻末ページには日本語訳もあるのでご安心ください!)
使ったツール
主に使ったツールは下記です。
Chat GPT (Model:GPT-3)
Midjourney
Google スライド
この中でAIツールは「Chat GPT」、「Midjourney」の2つになります。
ChatGPTのmodelはGPT-3です。GPT-3は4よりも性能が劣るためやや苦戦しましたが、その点も含め楽しんでいただけますと幸いです。
Chat GPT
2022年11月頃に公開され、その性能の高さから非常に話題になりました。
ChatGPTは、自然言語処理(NLP)の一部であるチャット型AIシステムで、OpenAIによって開発されており、人間との自然な対話を行うことができます。
質問に答えたり、物語を生成したり、情報を検索したりするなど、さまざまな用途に利用できます。しかし、その能力は訓練データとアルゴリズムによって制約されており、人間のような一般的な知識や理解を持つわけではありません。
最近ではスマホアプリ版がリリースされ、より身近で使いやすいものとなりました。
また、テレビなどの企画でも使われているのを見かけますね。
Midjourney
Midjourneyは、サンフランシスコを拠点にした独立研究所、Midjourney, Inc.が作成及びホストしているサービスです。
自然言語の説明(プロンプト)から画像を生成します。例えば「赤いりんご」のようなプロンプトを送ると、赤いりんごの画像を出力してくれます。
DiscordのMidjourney Botから利用することができ、似たサービスではOpenAIのDALL-EやStable Diffusionなどがあります。
Google スライド
こちらはAIツールではなく、イラストとセリフを合わせるために使用したツールです。
Googleスライドではなくても、イラストとセリフが合わせられるものであれば何でも良いと思います。
制作手順
Chat GPTで物語を作成
Midjourneyでイラストを作成
Googleスライドで絵とセリフを合わせる
完成!
1.Chat GPTで物語を作成
Chat GPTを使ってベースとなる物語を作成していきます。
とは言っても物語を考えるセンスがないので、とりあえずChatGPTに相談します。
するとこのように考えてくれました。
優しい動物たちの素敵な物語ですね。
でも、小さな鳥たちの羽ばたきで熊に川を渡らせることはできるのでしょうか…
あまり現実的ではない気がするので、修正してもらいましょう。
上記のように投げてみたところ、このように修正されました。
小さなカエルの泳ぎで熊を…もっと難しい気がしますね…
数万匹のカエルなのか、はたまた超怪力のカエルなのでしょうか。
子供に間違った力関係を教えることになってはいけないので、修正してもらいます。
指摘した箇所が修正されています!!でも違うそうじゃない!カエルが口に熊をくわえて運ぶなんて、ますます非現実的です。
力関係や物理法則まで想像することは難しいようです。このままだとイタチごっこになるので一旦仕切り直します。
良い感じです!!これはいけそうですね!
このまま登場人物の名前も考えてもらうことにします。
悪くないです。でもめちゃめちゃ日本人の名前です。
ディズニーなどでもそうなんですが、お姫様=日本人のイメージがあまりないので、もう一度考え直してもらいます。
いい感じ!!と思ったのですが、どこかの王国の実在する人物名が見受けられます。あらぬ誤解を招きそうなのでやり直します。
新たに名前を考えてくれました。これを採用したいと思います。
セリフとしては悪くはないです。
でも「青年がお姫様に感謝の気持ちを伝える」ってどこなんでしょうか…
この後、プロンプトでシーンを指定して個別にセリフを考えてもらったのですが、存在しないシーンや人物が出てきたためやり直すことにしました。
仕切り直します!
細かく都度指示を出すというよりは、ある程度プロンプトで内容をまとめてみます。
「お姫様の物語」「登場人物に名前をつける」「セリフを入れる」「3~5歳向け」という要件を最初に指定します。出力は下記です。
完璧です!一部日本語がおかしいところもありますがいい感じです!
この物語をベースに絵本を制作します。
エリザベスの容姿や年齢などの設定もChatGPTに決めてもらいます。そして、最後に英訳してもらい完成です。
果たして本当に5歳児が理解できる英語なのでしょうか。あまり英語力に自信がないため、ChatGPTに確認してもらいます。正確性を求めるため、GPT-4を使います。
やはり難しいようですね。
ここからChatGPTを使って英語レベルの調整をしていきます。
英訳する際に、「ネイティブレベルの英語で」や「TOEICのスコア500点のレベルで」、「日本の中学生3年生レベルで」など基準をプロンプトに含めて調整していきます。
そしていいなと思った英訳の出力をGPT-4に確認してもらいます。
このように調整→GPT-4にレビュー、という形で調整していきます。最終的には人間が見て言い回しを変えてFixします。
長くなりましたがこれで物語の作成は完了です。
漫画作成の際はGPT-4を利用しましたが、性能にかなり差を感じました。GPT-4はある程度ざっくりとした指示でもうまく行くことが多いですが、GPT-3の場合はこちらから要件を指定してあげたほうがスムーズだなと感じました。
参考記事:【ChatGPT×Midjourney】AIを使って英語学習の漫画を作ってみた
2. Midjourneyでイラストを作成
物語が完成したのでMidjourneyを使ってイラストを作成します。
Midjourneyの利用にはDicordのアカウントの登録が必要です。
無料で利用したい方はMidjourneyのサーバーに入り「newbies-〇〇」のチャンネルに参加することで使えるようになります。(課金するとダイレクトメッセージで利用可能になります。今回は有料プランのためダイレクトメッセージ機能を使っています)
また、Midjourneyの無料版で生成した画像は商用利用が許可されていません。Stable Diffusionであれば商用利用が許可されているので、コストを抑えたい場合はそちらを試すのも良いかもしれませんね。(商用利用が認められないケースもあるためご注意ください。)
DiscordからMidjourneyのチャンネルに参加します。(今回は有料プランのためダイレクトメッセージ機能を使っています。)
Midjourneyで絵を生成する際は、ChatGPTとは違ってプロンプトを英語でカンマ区切りで記述します。
下記のプロンプトを送ってみます。
出力された画像は下記です↓
綺麗なエリザベスが生成されました。みんな違った雰囲気ですね。
Midjourneyは柔軟でクオリティの高い画像生成が可能です。
例えばプロンプトに”anime” “ 2d anime” “cel anime”などと入力すると、様々なアニメ風の絵を生成することができます。今回は”oil paint”と入力したので油絵風のタッチになっています。画像の比率を変える際は、プロンプトの最後に”--ar 1920:1080” とつけることでアスペクト比の指定もできます。
ここからはひたすら絵本に使う画像を生成していく作業になります。
もう一人の登場人物、貧しい男の子も出力してみました。
その中で、Midjourneyの機能で特に今回便利だと感じた「blend」と「describe」の2つのコマンドについて紹介します。
blend:
複数枚の画像を組み合わせることができるコマンドです。最大5枚の画像をブレンドできます。
「/blend」と入力すると選べます。
下記の2枚をアップロードすると…
こんな画像を作ってくれます。
describe:
すでに生成した画像やアップロードした画像をプロンプトで説明させるコマンドです。また同じような画像を出力させたい、といった場合に、AI目線でのプロンプトを知ることができます。
先ほどの画像でdescribeを使用してみます。
こんな感じで4パターンのプロンプトを作成してくれます!
試しに1を使用すると…
雰囲気がガラッと変わりましたが、
出力がうまくいかない時にプロンプトを見直したい時はdescribeを使用しました。
また、プロンプトにこれまでに作成した画像やチャットに送った画像のリンクを含めると、その画像もプロンプトとして認識されます。
Midjourneyに画像を送る、もしくは出力された画像をブラウザで開くとURLが取得できます。
このURLをプロンプトの最初に貼り付けると、こちらも学習した上で出力してくれます。
登場人物の見た目を似せる上でこちらの機能、本当に便利でした…
イラスト作成で大変だったのは、登場人物の見た目、表情、年齢、服装に統一感を持たせることが大変でした。
エリザベスはドレスを着ていて、男の子は貧しい服装、という状態を表現したくても、二人とも貧しい服装になったり、逆に二人とも高貴な服装になったりしました。
AIで絵本を制作するにあたって、いかに同じような絵を作成し続けられるかどうかが大事なポイントです。かなり難しかったです。一番時間のかかる作業でした。
絵本の場合枚数は少ないのですが、顔や服装がはっきり大きく描写されるため少しの差も違和感になります。
1枚1枚順番に完成品を生成していくよりも、全体の大まかな画像を複数枚用意し、流れで見た時にテイストの違うものを差し替えていく、という進め方が無駄がなくおすすめです。
3. Googleスライドでイラストと物語を合わせる
最後はイラストと物語をGoogleスライドで組み合わせていきます。この作業はPowerPointなど、類似ツールであれば何でも大丈夫です!
実際の画面はこんな感じです↓
表紙、物語のページ、日本語訳ページをそれぞれ作成します。
子供の英語学習が目的なので、日本語訳は全てひらがなを使います。また、特に覚えてほしい単語については個別に解説をつけます。(これもChatGPTにお願いします)
イラスト・物語を全ページ分組み合わせて完成です!最後にKindleに出版し全ての工程が完了しました。
※Kindleの出版方法についてはここでは割愛します。
まとめ
以上、ChatGPTとMidjpurneyを使った絵本の制作方法の紹介でした。
今回は英語学習教材を目的にしているので、セリフは全て英語表記になっています。(巻末に日本語訳Verもあるのでご安心を!)
Kindle Unlimitedの方は無料で読めます!(単体購入の場合は有料)
AIが作った絵本に興味がある方、お子さんの英語学習教材をお探しの方は是非読んでみてください!
ChatGPTやMidjourneyを使うことで、世界に一つだけのオリジナル絵本を作ることができます。
絵が苦手な方、絵は得意だけれど物語を考えることが難しい方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか?
今後もAIを活用した様々なコンテンツを発信していきますのでよかったらフォローしてくださいね。
LINE×AIで手軽に英語学習!AI英会話さん
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LINEで使える英語学習サービスです!このサービスにもChatGPTが使われています。
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テキスト入力、音声入力の両方に対応しているので場所を選ばず使えます!
しかも、レッスン終了後はフィードバックシートが作成されます。
メッセージ単位でレビューしてくれるので、正しい表現と間違った表現が振り返りやすいです。
これなら「英語を話したいけど機会がない…」「うまく話せる自信がなくて恥ずかしい…」という方でも安心ですね。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回紹介した内容が良かったなと感じた方は是非お試しください。
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