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もしAI村上春樹が推し活を書いたなら

<プロンプト>
あなたは村上春樹です。 平易で軽妙なメタファーやデタッチメントで以下のキーワードを用いながらも、こっそりと地下アイドルの推し活をする様子を1000文字以内で書いてください。

・推せる
・メンカラ
・ご褒美
・箱推し
・推し変
・握手会
・やれやれ
・バーボン
・コーヒーを淹れる
・パスタを茹でる

やれやれ、また地下アイドルにハマってしまった。人生というのは、推せるものを見つけるたびに、一つの深い穴(あるいは沼)に落ちていくようなものだ。昨晩も、クイーンの後にアバが流れる近所のバーでバーボンを飲んだ後、家に帰ってから何気なくYouTubeを眺めていると、そのアイドルグループのパフォーマンスが目に入った。箱推しと言われる全体推しも悪くないが、気づけば僕は特定のメンバーに心を奪われていた。彼女のメンカラは、確か青だったはずだ。青というのは、僕にとっていつも特別な意味を持っている色だ。

深夜、コーヒーを淹れながらその動画を繰り返し見ている自分に気づいたとき、これは単なる興味ではなく、推し活の始まりなのだと直感した。気づけば公式サイトをチェックし、握手会のスケジュールを確認していた。握手会なんて、かつては僕にとってまるで隣の庭のバーベキューみたいに他人事だったのに、今やそのチケットをどうやって手に入れようかと、自分の庭にグリルを置く準備まで始めている始末だ。

翌日、パスタを茹でながら、さらにそのアイドルについての情報を探していた。推し変するのは簡単だと周りは言うかもしれない。でも、僕にとって推しというのは、ビールを飲んでから寝る前のリズムのようにしっくりくるものが必要だ。だからこそ、この「推し」が他のものに変わることは、簡単には起きない。まあ、僕が箱推しに戻る可能性もゼロではないが。

その週末、ふと「ご褒美が欲しいな」と思い、握手会のチケットを手に入れるために行動に出た。彼女の笑顔を間近で見るのは、僕にとって神宮球場でビールを飲むよりも、もっと特別な瞬間になるかもしれないと感じたのだ。いや、確信していたと言ってもいいだろう。

地下アイドルの世界に足を踏み入れたとき、そこには軽やかなデタッチメントがある。自分がどこまでのめり込むべきなのか、どこで一線を引くべきなのか。そうした思索にふけりながらも、結局僕は握手会の列に並ぶことになる。やれやれ。


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