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古代日本語・アイヌ語と北海道の地名の由来編

この文章はYouTubeで無料で視聴出来ます。



こんにちは、今回は北海道の地名についてお話しさせて頂きます、よろしくお願いいたします。

北海道の地名には今でもアイヌ語が根強く残っており、内地に住む方には聞き慣れない音や漢字を見ても読めない地名が多いですが、それは元々あったアイヌ語に無理矢理漢字を当てはめたからであって、それが原因で本来の地名の意味が失われつつあるのが現状です。


ですが現在でもアイヌ語の原型を留めた地名も少なくありません。

では早速地名を見て行きます。

札幌は川の名前から由来した地名になっており、アイヌ語のサッ・ポロ・ペッ(乾いた・広い・川)が語源です。サッが乾いた、ポロが広い、ぺッが川、そしてペッが脱落しサッポロとなりました。

函館という地名は室町時代に河野加賀守が函館に築いた館が、箱のように見えるため箱館と呼ばれるようになりました。明治2年に箱の漢字が現在の漢字に変更されました。

それ以前は宇須岸や臼岸と書いてウシュケシと呼ばれていたようで、語源はウショロ・ケシ(入江・末端)という言葉で入江の末端という意味になります。

知床はシリ・エトコが語源で(地・突出部)シリが地、エトコが突出物、地面から突き出た物つまり岬という意味で、この地名は樺太に2、3カ所、礼文島・白老町・青森県の下北半島などにも散在していた地名でした。

網走はアパ・シリ(漏モれる・地)が語源で漏れる・地という意味で、網走市内には所々に窟があり、雨水が滴り漏れている様子からこの名が付けられたと云われていますが他にも諸説あります。

富良野の地名は富良野川が元であり、語源はフラ・ヌ・イ(臭気・持つ・もの)でフラが臭気、ヌが持つ・イがものという意味で、この富良野川は現在の十勝岳から流れており、硫黄の臭気が漂う場所でした。

釧路は明治になってからの音で、それまではクスリ・クシュリ・クスルなどと呼ばれていました。諸説ありますが、蝦夷語のクシルーが語源ではないかとも云われています。意味は超える道という意味で昔は標津海岸や斜里方面に行く際に経由した道だったそうです。

室蘭は明治の半ばごろまで、室蘭と書いてモロランと読んでいました。諸説ありますが、語源はモ・ルラン(小さい・坂)で小さい坂という意味をもち、崎守町に入る坂の名からでた名前だと云われています。

樺戸郡月形町にある知来乙という地名は元々川の名前で、語源がチライ・オッ(いとう魚・たくさんいる)でチライがいとう魚・オッがたくさんいるという意味になります

樺戸郡の樺戸はカパトから来ており意味は水草という意味です。

北海道の川や沢の名前にはパンケやペンケという名がつくことが多いですが

パンケが(下の)という意味でペンケ(が上の)という意味があり、上流か下流かを表していたためです。

イチャンコッペ川はイチャンコッ・ペッが語源で(いわな・川)という意味です。今でもイワナがたくさん泳いでいます。

トナシベツ川はトゥナシ・ペッ(早い・川)が語源で早い川という意味になります。この川の川口を見ると、この周辺の川よりも急流であり、川の特徴を掴んだ名前だと言えます。

タッコブ川はタプコプが語源で小山という意味で実際の地形もぽこんと盛り上がったような丘になっています。

ポンキキン川はポン・キキンが語源で(小さい・ウワミズ桜)という意味です。

忠類という地名はチウ・ルイが語源で(波や水流・激しい)という意味で道内の処々にあった川の名前から来ています。

女満別空港で有名な女満別はメマン・ぺッが語源で(すずしき・川)という説とメン・アン・ぺッの(泉池センチ・ある・川)という説があります

別当賀の語源はペトュッカから来ていて意味は浅瀬です、福島県や栃木県にも同じ地名があることから蝦夷語とも共通性のある言葉かもしれません。

歯舞は明治30年の地図ではアポマイと記載されており、アポマイはアイヌ語で流氷あるものという意味です。

ちなみに国後は蝦夷語のキナシリが語源だとされていてキナは草の総称、シリはモシリの略語で島という意味です。

琵琶瀬という地名はピパ・セイが語源で(カラス貝の・貝殻)ピパがカラス貝の・セイが貝殻という意味です。現在琵琶瀬湾ではホッキ貝漁やウニの養殖が有名ですが、以前はカラス貝も収穫出来ていたのでしょうか?

滋賀県の琵琶湖では現代でもカラス貝の収穫が行われています、琵琶湖とアイヌ語が直接関連があるのかは謎です。

星野リゾートで有名なトマムは湿地・沼沢地という意味です。

温泉で有名な登別はヌプル・ぺッ(水の色の濃い・川)が語源で水の色が濃い川という意味で当時から温泉水が湧き出ていたことが伺えます。



アイヌ語の話者数は2007年時点で10名しかおらず、2010年ユネスコが発表した消滅危機言語2500の中に8つ日本の言語が含まれていました。

そしてその中の1つがアイヌ語です。

北海道に残るアイヌ語由来の地名は大切に守り、後世にも残したい素敵な言語ですね。

今回参考にした資料はこちらです↓

山田 秀三著書 「北海道の地名」

藤原 相之助著書 「日本先住民族史」

河野 本道著書 「アイヌ史/概説」

谷川健一・金達寿著書 「地名の古代史」


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。  


      

以下は動画からはカットした内容です、

伊茶仁川の語源はイチャヌニが語源で意味は(鮭鱒の産卵場)という意味です。

姉別川のアネは細い、ベツはペッで川という意味で、実際の川も細い川です

尾幌(おぼろ)という地名はオ・ポロ・ぺッ(川尻の・大きな・川)のぺッが脱落したものです。

分遺瀬(わかちゃらせ)はワッカ・ペチャラセ(水・滝)という意味があります。

増毛はマシ・ケが語源で(カモメ・処)マシがカモメケが処という意味です

春国岱(しゅんくにたい)はシュンクが蝦夷松ニタイが林という意味です。

アイヌ語の特徴

※濁音と清音の区別をしない

※サ行音とシャ行音は同音


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