わたしの夢
私が幼稚園児だったころ、母の買い物についていって、
帰りにミスドを買って帰るのが一番の楽しみでした。
「ママはポン・デ・リング、
お姉ちゃんはフレンチクルーラー、
おじいちゃんはココナツチョコレート、
おばあちゃんはエビグラタンパイ。
私はDポップ!」
家族みんなの好きなものを知っているから、
全部覚えて私が注文していました。
ショーケースの明かりで輝くたくさんの色々なドーナツを見るとき、
レジのお姉さんがドーナツを箱に詰めて笑顔で渡してくれるとき、
帰るまでに持っている箱からほんのり香る甘いにおいを嗅ぐとき、
帰ってから「ドーナツ買ってきたよ!」って言って、箱を開けるとき、
そして何よりみんなで一緒にドーナツを食べるとき、
いつもワクワクとドキドキで満ち溢れていて、
私にとって、ドーナツはいちばんの幸せでした。
今はもう社会人になって、ひとり暮らしを始めましたが、
今でも月に一度はドーナツを買って、家族を思い出しています。
そしていつか私も結婚して子どもができたら、
みんなでドーナツを一緒に食べるような、
そんな家庭を築きたいなあ、というのが今の夢です。