世界中のこどもが夢をあきらめなくてすむ社会を創る "林 利彦”さん
西成のこども食堂に訪問されたことがきっかけで、「世界中のこどもたちが夢をあきらめなくてすむ社会を創る」を決断。子供に寄り添う一般社団法人を立ち上げ、さらに地球環境防衛軍の大阪支部長として、“正しいことを楽しく” 多くの大人を巻き込みながら、「自分がいつも楽しい!」という感覚を大切にして社会変革活動をされている林利彦さんにお話を伺いました。
≪林利彦さんのプロフィール≫
出身地:大阪市
活動地域:大阪・東京・名古屋
経歴:高校卒業後、アメリカのシアトルの大学へ。27歳の時アメリカにてお酒の卸業の会社を設立。5年経過した頃、後継者の兄の病気により日本へ帰国し、株式会社ハヤシコーポレーションを引き継ぐことになる。
2019年、創業50周年のイベントもあります。
現在の職業および活動:事業を通じて社会課題をなくす、新しいソーシャルイノベーションのモデルの構築に力を入れています。テーマは、こどもたちが「ゆめ」や「きぼう」を抱き生きていける社会にすることです。
座右の銘:「良いことを想い良い行ないをすれば良い結果が生まれてくる(因果応報)」
「この子らに猶予ない。俺らが我慢したら、子供がもっと我慢しないといけなくなる。」
Q.一般社団法人child support organizationを設立されたのはどんなことがきっかけでしたか? またどんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?
林さん(以下、林)昨年の7月に大阪市内の子ども食堂にいきました。その食堂は大阪のみならず、日本の中でも貧困の多い地域。行ったときは近畿の子ども食堂が集まる総会があるときで、いろんな代表の方が問題をとりあげられていました。
10~15歳の子ども食堂の団体の代表者が問題提起はするが、解決策は誰も言いません。そこで、これは経営者がやること。「オレやれる」と気づいたんです。今までの自分ならそれもスルーできた。「大変ですね」と。けどその時は、「やります」といった。内容を聞いて、「これ、経営者がやらなあかん」と確信しました。
経営者として携わる中で従業員に対してみんなの幸せと言ってたけど、それだけではないんと違うかとそれまでになんとなく思っていました。会社の子だけの幸せだけ考えていていいのか?広く社会を見たかったのだと思います。そう思ったから、そういう話に巡り合えた気がします。
「すぐ実践する。すぐやる」
Q.その出来事から、どんな気づきがありましたか?
林 いつも心に置いているのは、「すぐ実践する。すぐやる。」もともと行動は、早い方です。でも、頭で考えたり、「これやったらついてこないんちゃうか」とやらないようにしてたところがありました。でも、もうええと、決めたんです。こどもの現状を見て、「この子らに猶予ない。おれらが我慢したら、こどもがもっと我慢しないといけなくなる。これはやばい。」と思った。俺がやることで解決されるなと想いました。
記者 いっぱいいっぱいにならないですか?
林 3年くらい前に、自己啓発系の研修にいった時に、「さらまわしすぎちゃう?」と言われました。自分がそうなっていることに気づき、何かをやる選択をしたときに、やらないことも選択するようにしました。人に自分がやっていた仕事をしてもらうことにしたんです。今まで自分が分母となり、分子をいっぱい作っていた。これからは、分母を増やそうと思うようになりました。その感覚になったことによって、今まで自分がやるように100%じゃなきゃいけないと気になってたことが、やってもらって60%~80%でもOKとなりました。
「世界中のこどもたちが夢をあきらめなくてすむ社会を創る」「大人がみんなやりたいことやろうぜ」
Q.その気づきから、どんな夢を描くようになりましたか?
林 問題解決すると、こども食堂の代表が喜ぶ。でもそれではあかんと思いました。大人を喜ばせることが目的ではないな、と。その先に子供がいる。子供が喜ぶことが自分の喜びだ。「世界中のこどもたちが夢をあきらめなくてすむ社会を創る」子供が夢を語れない環境が充満していること。あきらめる、語れない、現実がある。大人は自分勝手な方向を見ている。社会も目を向けていない。夢をあきらめない社会を創り続ける。果てしなく作り続ける、という志が立ち、一般社団法人child support organization(以下CSO)を立ち上げました。
今、テーマを決めて、「どう思う?」と質問投げられたとき、頭で成功論を語るのではなく、子どもは心からの直観で語る。なので、自分も頭をおかしいと思われてもやろうと思いました。何にもしばられない。大人がみんな、へんたいになろう。やりたいことやろうぜ、と。子供たちがやりたいことをやる大人をみることで、夢をあきらめないことを体感してもらえると思う。子供と関わる時間を多く持とうとしています。
記者 具体的にどのような活動をされていますか?
林 枚方市こうりがおかの森を、子どもが自然の環境で遊び続ける場を創っています。プレパークという。制限しすぎず、危なすぎず、そこそこ危ない、といった森を作って、毎月大人も子供も遊んでいます。森を子供と大人が一緒に創っています。
その他に、子供のリアルキッザニア。主に小学生、中学生がメインで会社に訪問します。受け入れてくれる会社はへんたい社長がいます(笑)。他にはポイすてアート協会。地球環境防衛軍の活動です。今、追手門学院大学、関西学院大学の学生さんが、地球環境防衛軍の活動を学長のアポイントメントをとり学校にリサイクルボックスを置こうと提案しています。
記者 いろいろな活動がありますが、どれに力点をおかれているのですか?
林 プレパークは6月からやっていますが、社団の仲間がやってくれているので、自分が関わらなくても任せています。取材したり、動画編集するボランティアも既にいてくれています。仲間も「林さん、プレーパークは僕らにまかせて、地球環境防衛軍をお願いします」と言ってくれていて、今は地球環境防衛軍の活動を進めています。
記者 林さんの周りの人が積極的に動いてくれる秘訣はなんでしょうか?
林 自分は磁石みたい。自分がひっついてるのもあるし、ひっついてきてるのもある。同じ感覚の仲間が集まってきている感じかな(笑)
Q.これからはAIが活躍する時代と言われていますが、AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか?
林 心、志。人を想う心だと思います。他を想う心。他を想うことによって、社会に笑顔が生まれる。今、他を想う心を出せない人が多い。環境が出させなくなっていると思います。電車に乗っていても、席を譲らせない。スマホがあって、周りをみてない。スマホに想う心を支配されている。LINE、メールの文章からは感情はわからず、良くも悪くも解釈できる。
Q.今後どんな美しい時代を作っていきたいですか?
林 子供が笑顔で、夢を語れて、それを見守る大人がいて、夢が実現していく。同時に大人も夢が語れて、夢を実現していく。プラスティックゴミの問題も何十年後には今のままでは大問題になる。魚にはプラスティックが蓄積されている。時間に猶予はない。今やっとかないと、将来魚も食べられないし。気が付いたときには手遅れになる。地球環境を守ることは今している仕事とは別ではない。地球環境の中に人間がいる。経営者にも環境問題については人ごとと捉えている。そこに気づき、全ての人たちの行動を変えていきたい。
そして、100年後には、へんたいのおっさん、へんたいのこどもがめちゃくちゃおる時代になっている。今の「そんなんできるかいな」というのが普通にできる時代になってる。孫、ひ孫にそんな時代がくることを想像しています。
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林利彦さんへお問合せはこちら
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一般社団法人CSO(Child Support Organization)
http://child-sup.org/
株式会社ハヤシコーポレーション
http://www.hayashi-corp.co.jp/
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【編集後記】
今回記者を担当した井上です。「できるか、できないかではなく、やるかやらないかが大事」と答えられた林さん。どんな頼まれごとも即座に「やる」と選択される迷いのない在り方が印象的でした。そして、こどもの未来を想い、今の大人が「ヘンタイにならなあかん」。そして、まずは大人が一瞬一瞬楽しむことをベースに、大人を巻き込まれるエネルギーの強さに感嘆しました。今後も林さんのご活躍が楽しみです。
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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
https://note.mu/takuya_koike/n/n3a58fbdbe97a
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