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AI民度の向上

AIに対応するために社会全体が大人になることが必要というお話をします。


民度とは

民度とは文化の成熟度を指します。国民全体の文化的・倫理的な成熟度や、社会全体のモラルや公共心の水準を表す概念です。ある国や地域の人々がどれだけ「しっかりした市民」として行動できるか、また公共のルールやマナーを守っているか、ということを示します。

具体的には:

  • 公共のルールやマナーの遵守::交通ルールを守る、ゴミの分別をしっかり行う、公共施設をきれいに使うなど、日常生活の中でどれだけ社会のルールを守っているか

  • 倫理や道徳の高さ:困っている人への助け合いの精神や、フェアな競争が行われているかどうか

  • 市民意識の高さ:自分たちの社会や政治に対してどれだけ関心を持ち、意見を表明するか、また、公共の利益のために積極的に行動できるか、選挙に参加するか、地域貢献しているか

などを示します。

AI民度とは

AI民度とはAIと共存する社会でのAI理解の成熟度を指します。

  • 公共のルールやマナーの遵守:生成AIを偽情報や詐欺に使わない、偽情報を拡散しない

  • 倫理や道徳の高さ:生成AIに仕事を奪われた人への助け合う、生成AIを無差別殺りくに利用する兵器に反対する

  • 市民意識の高さ:生成AIと共存する未来社会について発言する、新しい社会尾構築に参加する

なぜAI民度の向上が必要か

今後10年くらい、生成AIが他の技術と最も異なると思われるのは「今日の生成AIが今後の未来の中で最低の生成AIである」([mollick])ということです。
明日になれば全く新しい性能の向上した生成AIが登場する可能性があります。
ムーアの法則で半導体が18ヶ月に2倍になっていた時期ですらRay Kurzweilは2005年に将来、人工知能が人類の知能を大きく上回ると予測しました。彼がシンギュラリティ(知能的特異点)を予言した時には絵空事だったことが、彼の予想よりはるかに早く実現しつつあります。
現在、AI半導体の性能は1年で4倍になっていると言われています。
データを大量に入れ、計算資源を大量に投入するというのがスケーリング則です。少なくとも計算資源の拡大は今後数年止まることはありません。データも市販できないほど高価な生成AIを作成し、それを市販できる安価な生成AIのデータ生成に使うという方法が生まれ、データの限界もなくなりつつあります。
明日どうなるかわからないのに今日の問題をあげつらって社会が右往左往していたら社会の発展はありません。
生成AIにこそ大人の社会が求められているのです。

むすび

「VUCA」は、現代社会やビジネスの環境が非常に速く変化し、先の予測が難しく、複雑で曖昧な状況にあることを示す言葉です。
VUCAとは以下の4つの頭文字です。

  1. Volatility(変動性)物事が激しく、予測不可能に変わる

  2. Uncertainty(不確実性)未来のことが予測しづらい

  3. Complexity(複雑性)多くの関係性が絡み合って、物事が複雑になる

  4. Ambiguity(曖昧性) 情報が不十分であったり、複数の解釈が可能なため、状況がはっきりしない

生成AIはVとUを拡大します。
次の順番で人類の人選びは推移し、VUCAの時代は第4段階にあるそうです[pivot]:

  1. 身体的能力評価の時代

  2. IQ評価の時代

  3. コンピテンシーとEQの時代

  4. ポテンシャル・モデルの時代

予想できない変化の時代なので変化に対応するキャパシティ(対応余力)が重要です。

状況が安定しないのに社会が過度に反応したりアパシー(無反応)になったりするとよくありません。変化を的確に把握し、さらなる変化を予見して対応する大人の社会が必要です。

参考文献


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