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Google/OpenAIマフィアの登場
現代の生成AI起業家育成工場の話をします。
起業家育成工場
起業家を次々と輩出する企業というのがあります。
日本でいえば1990年代のリクルートがそうです。
起業家精神にあふれ、人と違うことを恐れず、猛烈に働く、そういう会社です。
アメリカでいえば、PayPalが数多くの連続起業家を生んだことで有名です。Elon Muskがその代表格です。OB同士で組んで連続起業するのでPayPalマフィアともいわれています。
次のような条件があると思います:
起業のマインドがある
成功経験がある
成功のノウハウが集積している
シードマネーの人脈がある
Google/OpenAIマフィア
最近の生成AI界を見るとGoogleのOBばかりです。GoogleからOpenAIへ行ってそこから出て行ったという人もたくさんいます。
OpenAIは最近新しい資金調達を目指しています。日経報道によれば65億ドルを時価総額1500億ドル相当で調達しようとしているそうです ([nikkei])。額面通り受け取れば、東京証券取引所で比較すればトヨタについで2位になるレベルです。
未上場の企業としてはTikTokのバイトダンスについで世界2位相当だそうです。赤字企業といわれていますから赤字でこれだけというはけた違いです。
もっとすごいのはOpenAIを出たIlya SutsukeverのSafe Superintellingence社です。できて3ヶ月、OpenAIのAIのスーパースターが3人集まったというだけで、アイディアだけで何もない会社です。この会社が10億ドル調達して、時価総額が50億ドルだそうです ([reuter])。
Googleで2017年にTransformerの論文を書いた8人もほとんど起業家に転身しています ([thebridge])。
PayPalマフィアとの違い
PayPalマフィアとの違いは新しいマフィアがほとんど完全に基礎研究者だということです。Transformerの論文を書いた8人は完全にそうです。Safe Superintellingenceの3人もそうです。
基礎研究が起業にこれほど直結する技術は今までなかったといえましょう。
最高級のAIエンジニアは今や1000万ドルで引き抜かれる時代になったといわれています。
OpenAIの商業主義がいやでOpenAIを出て行ったらしいIlyaが完全商業会社としてSafe Superintelligenceを創業したのも金がないとGPUと人材を調達できないからです。
生成AIには人材とデータとGPUが必要ですが、もはやデータはGPUで作れるようです。そして人材は金で調達できる。人材が優秀な証明さえあれば金をかき集めて会社を作れる。このため、基礎研究者を集めて起業する生成AI会社が増えています。
むすび
NVIDIAが非常に儲かっていて、その金を湯水のように研究投資しているため、GPUの進化はますます加速しています。
人材さえあればブレークスルーが起こるというすごい時代になりました。
参考文献
[nikkei] OpenAI、増資と負債で1.6兆円の資金調達交渉 米報道 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN1203N0S4A910C2000000/ 2024年
[reuter] Exclusive: OpenAI co-founder Sutskever's new safety-focused AI startup SSI raises $1 billion https://www.reuters.com/technology/artificial-intelligence/openai-co-founder-sutskevers-new-safety-focused-ai-startup-ssi-raises-1-billion-2024-09-04/ 2024年
[thebridge] ジェネレーティブAIの基礎を築いた論文「Attention Is All You Need」著者たちの今——期待される〝OpenAIマフィア〟の出現 https://thebridge.jp/2023/05/expected-emergence-of-openai-mafia 2023年