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Googleの逆襲を予想

生成AIでのGoogleの強みと弱みを考えてみたのでお話します。


Googleの強みを再認識

Lex Fridmanの動画が話題なので見てみました ([fridman])。5時間を超える動画ですが、初日だけで40万視聴されていました。さすがに10日目になって150万視聴とペースは落ちてきました。それにしても超長時間ビデオにしては驚くべき視聴数です。
見てみて改めてGoogleの強味を再認識しました。GoogleはNVIDIAのGPUに匹敵するTPU (Trillium)を持っています。Googleはデータセンターも自前で構築でき、Googleを離れたAI研究者がGoogleのAI基盤の強さを再認識して戻ってきているということでした。
NVIDIAはハード(GPU)、ネットワーク(NVLink)、ソフトウェア(CUDA)を兼ね備えた最強企業だと思っていましたが、そのすべてに加えてデータセンター構築運用技術とデータ(検索データとYouTube)を持っているのがGoogleです。そもそもTransformerを発見したのがGoogleで研究人材も一流です。
そう言えば、OpenAIが日本オフィスを作ったときに最初にはいったShane Gu氏はGoogle Brainから移ってきたのですが、あっというまにGoogle DeepMindに戻りました。
OpenAIもAIチップの開発を始めるようですが、巨大データセンターまでくみ上げて運用を行うところはGoogleに一日の長があります。

データを握る者が有利

OpenAIがDeep SearchをGoogleの後追いで出しました。本来はGoogleのほうが検索基盤を持っているだけに強いはずです。私はまだ使っていませんが、世評を見る限り、OpenAI Deep Searchが好評のようです。
DeepSeekなどと比べてもGoogleは正確性にこだわりすぎな印象です。確かい正確なデータはないけど、そこは適当に推測してほしい、というような場面ではo3-miniやDeepSeek-R1は力を発揮します。適当なのはわかっているけど推定してほしいという時には大企業の看板がGoogleを邪魔しているようです。
ただし、OpenAI Deep Researchは動画は検索できません。Soraの時にYouTubeを学習に使ってはいけないとGoogleからクレームされたのがトラウマになっているようです。YouTubeは今や巨大な情報源なので、これを握っているのはGoogleの強味です。
企業データについてはOracleやMicrosoftやAmazonが優位です。Amazonの儲かっているいるサービスはDBがらみです。MicrosoftのCEO  Satya Nadellaが語るように、データとAIがあればビジネスロジックはいらない時代がくれば、データを押さえているプレイヤーが有利になると予想します。

むすび

DeepSeek-R1が安価な推論の地平を切り開きました。ますます大規模言語モデルの開発競争は激化するでしょう。OpenAIもGPT-4.5, GPT-5へのロードマップを公開しました。DeepSeek-R1の方法で推論能力を上げるのはGoogleもすぐに追随できます。最後にデータと計算資源の勝負になったとき、Googleは侮れないと思います。ハードとネットワークとソフトとデータを一気通貫で備える技術力は圧巻です。大企業になってしまった故のポリティカル・コレクトネスを乗り越えるのが課題です。

参考文献



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