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生成AIでサービスを作る上でのプラットフォームリスク

生成AIのサービスを作る上でのプラットフォームリスクのお話をします。


プラットフォームリスク

サービスのビジネスモデルが特定のプラットフォームに依存することをプラットフォームリスクと呼びます。
プラットフォームを提供している事業者の戦略変更やサービス変更によって自社のサービスのビジネスが大きな影響を受けるリスクです。

過去のプラットフォームリスク

過去の事例では古くはマイクロソフトのWindows戦略があります。Windowsはプラットフォームですが、そのうえでワードプロセッシングやスプレッドシートで優秀なアプリが生まれると、その後、Microsoft自身がWordやExcelなどの競合製品を出しました。バンドリングや自社に有利なAPIの提供などによってプラットフォーム提供者自身との競争にさらされ、撤退を余儀なくされます。
GoogleのSEOに依存していた業者もGoogleの検索ランキングアルゴリズムの変更 (Panda アップデートなど)で大きな影響を受けました ([lucy])。
YouTubeのレベニューシェアリングに依存していたYouTuberも配分率の変更や配分の少ないショート動画への転換で影響を受けています ([prebell] [president])。

生成AIのプラットフォームリスク

生成AIにおいてサービスは次の3つで成り立っています:

  • モデル提供者

  • インフラ提供者

  • サービス提供者

OpenAIはモデル提供者ですが、OpenAI 12 Days ([openai])のCanvasなどの追加を見ていると確実にサービスを侵食しようとしています。
ChatGPTが誕生して2年ですが、すでに2023年には春に登場したChatGPT プラグインが秋には非推奨になるということが起きました。プラグイン事業者には大打撃です。
変更ではないですが、何も進んでいないものもあります。2023年11月にはGPTsのレベニューシェアリングを打ち出しましたが、その後、なしのつぶてです。準備していたGPTs提供者には肩透かしの感があります。
未上場ではありますが、最終資金調達時のOpenAIの推定時価総額は1500億ドルと言われています ([techcrunch])。モデル提供者だけでなく広くサービスも自社で提供しないと正当化できない金額です。
20世紀のMicrosoftと同じようなコースをたどると思います。

むすび

20世紀のMicrosoftと同じと考えると株主のMicrosoftとの役割分担が気になります。過去の出資ではOpenAIを尊重していたMicrosoftですので、大人の対応をすることになるのかもしれません。Microsoftはインフラプロバイダと法人向けに注力すると思われます。とりあえずは生成AIでGoogleやAppleやMetaを押さえつけるほうが戦略的に重要です。

参考文献




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