
生成AIの受容の3つのタイプ
はじめに
人類の人工知能(AI)への期待は熱狂と失望の連続でした。この結果、新しいAIが生まれるたびに今度は本物だろうかという興奮と警戒が錯綜します。生成AIも同じ道から入りました。
受容の3タイプ
生成AIに出会ったとき、人の受容には3つのタイプがありました。
陶酔:これこそが約束の地だと熱狂し信者になる
懐疑:本当に人間に近い能力が出るのか疑い続ける
拒絶:人間に近い能力自体を受け付けない
どんなブームもそうであるように初期に新しい技術に飛びつくアーリーアダプタはいつの世にも一定数います。これは新しい時代の始まりだといういう人たちは確実にいました。
それと同じく過去のAIの冬を知り、疑いの目を向けながらおそるおそる近づく人たちもいました。
一方、さまざまな誤りを引き出して、生成AIを否定する人たちもいました。生成AIには明らかな誤りを生成する場合があります。これらはハルシネーションと名付けられ、生成AIの欠陥としてとりあげられました。
衝撃の結末
実はあまりありそうでない陶酔が今回の場合は正解だったということはショックでした。
まだ結末というのは早いですが、生成AIは懐疑や拒絶を持って受け止めるべきものではないもののようです。
それは以下のようなことによります:
創発性(Emergent Properties)と呼ばれる学習したこと以外の認知的能力を獲得している(誰もなぜ獲得できているのか説明できませんが)
大規模言語モデルの次の単語を推定するというのが人間が思っているよりはるかに高度に状況を理解しないとできない作業だが、それができている
単語間のコヒーレンス、確からしさを計算して問題を解くというのは、存在しない架空の問題(たとえば存在しない会社に存在しない架空のCEOがついて何年務めるかを推定する、というような問題)に答えるときの人間の脳の働きに通じている
現実に高度な試験(司法試験、医師国家試験、など)を優秀な成績で合格できる
まとめ
生成AIの能力を疑うよりも生成AIという新しい道具を使いこなせない理由を検討し、その部分のスキルを高めていくことが必要です。
自分より優秀な部下を使いこなせないのはたいてい上司のエゴの問題です。知性の最上位に君臨するというエゴを捨て、優秀な生成AIを使いこなせたとしたら自分は人生で何をしたいのかを考えるのが有用です。
スキルには人格スキル、認知スキル、運動スキル、ソーシャルスキルがあります。この場合、生成AIを使いこなして人生の目的を達成するというのは人格スキル(Character Skill)にあたります。