見出し画像

生成AIは過小評価

生成AIは過大評価されているという声があるなかで過小評価という話も出ているということをご紹介します。


生成AIのビジネスへの影響

生成AIで圧倒的な利益をあげているのはNVIDIAです。巨大IT企業
 (Microsoft, Google, Meta, ..) はNVIDIAの事業の8割を占めるデータセンター向けのGPU提供事業で高収益を上げています。
NVIDIAに投資している顧客企業は設備投資の継続で現在はそれほど儲かっておらず生成AIは過剰評価だという声もあります。
最近、GoogleのCEOが決算会見のなかでGoogleのコードの25%以上は生成AIで生成されているという発言をして、注目されました。これも実際に商用レベルでのコードの25%が生成AIで書かれているということではないという意見もあります。
実際問題、生成AIがそんなに賢いなら、生成AIに株の売買をさせておけば自動的に利益が積みあがるか、といえばそんなことはありません。

生成AIは過小評価

Googleの元CEO Eric Schmitが生成AIは過剰評価どころか過小評価されているといって話題になっています ([CNBC])。
次の3つの技術がキーになるとのことです ([Noema]):

  • コンテクストウィンドウの無限化

  • エージェント

  • テクストツーアクション

Eric Schmidtが危惧するように生成AIが独自の言語を発展させ、人間にはわからない言語で相互にコミュニケーションをとるようになるかはわかりません。人間の感覚でいえば、10年や100年では起こらないことです。一方、生成AIが人間のスケールでいえば1000年とか10000年かけて行うことを実現できるように進んでいるという方向性は存在します。生成AIは自律化に向けて技術的成熟を続けています。

ライフサイクル曲線の問題

結局、今の生成AIがライフサイクル曲線の初期(まだまだ平らな部分)なのか、中期(成長期)、なのか、成熟期(成長の限界に到達して伸び悩む時期)なのかによります。


最初ゆっくり、次に急速、最後は頭打ちになる成長曲線のイメージ


これらの3つのどこにあるかはそれぞれ意見があります。
まだまだダメだという人もいます。
ChatGPTが登場したときに比べ多数の大規模言語モデルが同じくらいの精度で並んでいるのを見て、伸び悩みの時期に来ているという人もいます。
時間軸という観点からいうと大きな援軍はGPUの進化のスピードが加速していることです。GPU自体にTransformerを大胆にとりいれることにより高速化していますし、GPUの相互結合技術もどんどん進んで大量のGPUを1個のGPUとして扱うことができるようになっています。
計算資源がより多く利用できれば、時間軸の速度は加速されます。

むすび

生成AIの進化は驚くべきものがあり、来週、来月にもまた驚かされることになると思います。その中で、確実な進化をもたらす要素がGPUの進化です。事前学習だけではく推論時にも計算資源を投入することで精度を上げることができることが示されています。GPU進化はムーアの法則をもしのいでいますし、GPUをクラスタして使う技術も進化しています。
案外、生成AIが過小評価されている、というのもまさかでもないのかなと思うこの頃です。
米大統領選挙もおわり、OpenAIもGoogleも去年同様に新しいモデルを投入すると予想されています。次の展開が楽しみです。

参考文献

  • [CNBC] CNBC Television, Former Google CEO Eric Schmidt on AI potential: American businesses will change because of this https://www.youtube.com/watch?v=YfHZYv2FUjE 8m23s 2024年

  • [Noema] Noema Magazine, The Future Of AI, According To Former Google CEO Eric Schmidt https://www.youtube.com/watch?v=DgpYiysQjeI 20m06s 2024年

いいなと思ったら応援しよう!