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ノーベル賞を連発する生成AI

機械学習がノーベル物理学賞を受賞したかと思ったら、化学賞もGoogle(Alphabet) DeepMind のAlphaFoldが受賞しました。ついにノーベル賞まで来たかと思うと驚きです。


機械学習がノーベル物理学賞

今週驚いたのはジェフリー・ヒントン名誉教授のノーベル物理学賞です ([nhk]) 。世界が驚いたと思いますが、それ以上に本人が驚いたと思います。
生成AIの世界へのインパクトを考えれば当然ですが、まさか物理学賞とは思いませんでした。
今まではAIのゴッドファーザーでしたが、これからはノーベル物理学賞受賞者です。生成AIに警鐘を鳴らすのにはちょうどよい肩書です。
機械学習の基礎といえば、ノーベル物理学賞よりノーベル医学生理学賞のほうがいいと思いますが、ホップフィールド名誉教授がいるから物理学賞になったのでしょう。

IT富豪はノーベル情報科学賞を作るべき

IT富豪は百億円単位で基金を作ってノーベル経済学賞が作られたようにノーベル情報科学賞を作るべきです。
生成AIのインパクトは絶大とはいえ、楽しみにしていた素粒子や物性や宇宙物理の研究者に迷惑をかけたかと思うと心が痛みます。
ノーベル情報科学賞として生成AIに授与とすれば、ジェフリー・ヒントン名誉教授とともに、イリヤ・スツキバー博士とNVIDIAのジェンセン・ファンCEOが受賞するのがよかったと思います ([nikkei])。イリヤ・スツキバー博士はジェフリー・ヒントン教授の下でGPUを使って機械学習を高速化した人物です。圧縮には人知れない能力が潜んでいる、と言っていました。OpenAIのGPTも開発しました。今はOpenAIとたもとをわかって Safe SuperIntelligenceの創業者です。Safe SuperIntelligence社が成功すれば、イリヤ・サツキバー博士は人類に最も影響を与えた科学者になるかもしれません。その時、人類がどうなるかは今のところ予測できません。
ジェンセン・ファンもいまや神といわれる経営者ですが、後で起こることを知っていたら創業なんかしなかっただろうと回顧しています。30年のCEO生活は苦労の連続だったと思います。ノーベル賞相場でNVIDIAは再び注目されていくてしょう。

ノーベル化学賞が生成AI

ノーベル物理学賞が機械学習かと思っていたら翌日はGoogle DeepMindのAl研究者がAlphaFoldの功績でノーベル化学賞を受賞しました ([nhk2]) 。現代が生成AI時代だということを改めて感じました。
司法試験、医師国家試験、MBA試験、数学オリンピックときて、ついにノーベル賞です。ノーベル賞はまだ生成AIが作り出した研究が取ったわけではないので同列には語れません。とはいえ、生成AI関連のノーベル賞ラッシュは新しい知能の世紀ならではです。

生成AIが作る研究の未来

世の中をトークン化し、それを大量に集めてTransformerで学習し、問題解決がトークン列で出てくるように工夫すれば、あとはGPUで計算すれば答えが出るというのが現代の生成AIです。
もともと人間が機械より考える力があると信じられていたのは、高度な推論が浮動小数点実数の加減乗除だけでは実現できなかったからです。いまやTransformerは加減乗除の大量並列処理で推論が可能なことを示しました。GPUを投入すれば人間の百年分でも千年分でも考えることが可能です。
OpenAIはo1モデルがすでに博士課程レベルの推論能力があると言っています。その真偽はともかくとして、進むことはあっても退くことがない生成AIはどこまで到達するのか恐ろしいくらいです。

生成AIの未来

生成AIの進化は間違いないのですが、それと人間や社会がどう折り合いをつけていくかは全く別の話です。格差がなく人権を尊重できる未来はあるかもしれませんが、そのために深い谷を越えなければならないとすればバラ色にはならないです。
生成AIの進化と社会浸透のギャップを考えると谷が深いことは確実です。生成AIの開発とともに社会がどう受け止め、深い谷を越えてマイグレーションするかを考えなければならないと思います。

参考文献



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