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ホワイトカラーとブルーカラーの失業可能性の比較
生成AIによるホワイトカラーとブルーカラーの失業可能性についてお話しします。
ChatGPT誕生以前
機械化によってブルーカラーの職種が機械に代替されてきました。産業革命以来の長い道のりです。一方、認知的作業は代替されず、機械化に対して、ホワイトカラーのほうが耐性がありました。
ChatGPT誕生時
人間と同じように対話できるコンピュータソフトの誕生が衝撃を与えました。ブルーカラー以上にホワイトカラーがコンピュータに代替される可能性が強く意識されました。
一方、多くの細かい現場作業を行うブルーカラーの代替は比較的困難だと考えられました。
大学の先生と知的活動の行く末を話したときに、大丈夫、知能が代替されても、人間は残るし、社会も残りますよ、と慰められたものです。
生成AIとロボットの融合
2024年になって生成AIとロボットが融合し、世界をリアルタイムに理解し行動できるロボットが登場してきました。
Stanford大学のMobile Aloha
OpenAIとFigure社のFigure01
Mobile ALOHAは食洗器でも冷蔵庫でも洗濯機でも衣装ダンスでも自在に対応して家事をこなします。服もたためます。
自然言語能力も画像生成能力も音声認識能力も進化し、環境認識能力も人間に近づいています。Figure01は1秒間に200回アクション制御をし、1000回トルクを制御可能だそうです。ブルーカラーを代替できる可能性が意識されています。ブルーカラーがホワイトカラー同様にAI失業にさらされています。
社会の適応
汎用人工知能を待つまでもなく、すでにGPT-4は医師や弁護士や会計士試験を好成績で突破する認知的能力を持っています。むしろ、AI失業のネックになるのは技術の進歩ではなく、それを受け入れて対応する社会の能力のほうだと思われます。
社会文化の多くの部分は経済や労働に根差しているのでこれを変えるのは容易ではありません。時間がかかると思います。
おわりに
技術的進歩はAIやロボットによる人間の労働の代替を十分見通せるところに達していると思います。
ローマやギリシアでは市民は奴隷に労働を任せて、労働以外に人間は何をするべきかを考えていました。それに近づくのだと思います。
参考文献
Mobile ALOHA: Your Housekeeping Robot
https://www.youtube.com/watch?v=HaaZ8ss-HP4 2m37s 2024年
Zipeng FuOpenAI's NEW "AGI Robot" STUNS The ENITRE INDUSTRY (Figure 01 Breakthrough) https://www.youtube.com/watch?v=GiKvPJSOUmE 2024年 19m49s TheAIGRID