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生成AIを受け入れる環境が発展途上
オフィスに生成AIを受け入れる環境を作るのが手探りというお話をします。
何故、生成AIが劇的に普及しないのか
Stanford大学のAIトレンドレポートによれば日本におけるChatGPTの認知度は61%です(トロント大学の調査の引用)。AIサービスとしては異例の認知度です。
生成AIは次のような部分で人間に相当する能力を発揮しています:
課題や解法を調査して要約する
アイディアを考える
ソフトウェアの処理フローを考える
戦略を考える
マーケティングコンテンツを作る
人間を超える知能を持っているとは言えないとしても、これだけの能力を持つ生成AIが人間の仕事を代替していない理由は何でしょうか。
オフィスの課題
ソフトウェア開発の自動化でも指摘されている問題ですが、現代のオフィスは人間以外を管理するようにできていません。
人間でも間違いを犯したり課題を勘違いしたりします。人間が人間を管理するときには、どこでコミットメントをし、どこで監視指導し、どこでやり直させるかなどの暗黙の人間的作法があります。
作法とは双方が合意したワークフローとか例外処理とか目標管理のやり方です。
現在のオフィス作業は人間が作業することを前提にしています。管理者の頭の中のメンタルモデルもそうです。
これらを生成AIの作業者(仮に生成AIエージェントと呼びます)を管理するために作り替えないと作業は回りません。
新入社員を受け入れる環境を作るように生成AIエージェントを受け入れる環境をつくらないとオフィスは回らないということです。
生成AIはハルシネーションするから使えないと言われています。部分的には真実ですが、新人が来て間違いをしてもオフィスの作業は回っています。生成AIエージェントが間違っても仕事が回る枠組みが必要です。
今後の展開
具体的には何を作ればいいのでしょうか:
命令、レポートのインフラ
チェック、やり直しのインフラ
作業進行上の質疑応答のインフラ
生成AIエージェント間の連絡のインフラ
生成AIエージェントが自然言語を使えるので曖昧になっていますが、人間が人間に指示を出すときに当たり前だと思っているものが当たり前でない、ということを認識しなければなりません。
前に言った命令の次に新しい命令を伝えた場合、その2つの命令の間の関係はどうなっているのかを解決する、などが必要です。
人間が意識していなかったことを意識しなければならないというのは大きなチャレンジです。
参考文献
The AI Index Report https://aiindex.stanford.edu/report/ 2024年