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AGI からACIへ

生成AIのベンチマーク成績が高まって人間に近い生成AIが実現してきました。試験の成績のいい生成AIから仕事のできる生成AIへと焦点が移っていきます。


AGIの定義

AGI (Artificial General Intelligence: 汎用人工知能)の定義は人によって違います。OpenAIが公に明らかにしているのは、「ほとんどの経済的に価値のある仕事で人間を超える知能」です。
なぜ、汎用、という言葉をいれているかというと、AIは特定のタスクを学習させれば、個別に人間を超えることは従来から実現できていたからです。
もうひとつの隠れた定義はMicrosoftとOpenAIの合意によるものです。OpenAIはAGIを実現することを目的として設立された会社です。MicrosoftはAGIの達成を1000億ドルの利益を生むことと定義したようです ([techcrunch])。これはリーク報道(正確にいえばThe Informationのリーク報道の派生)なので部分的にはミスリードなところもあると思います。もともとOpenAIは非営利組織でした。生成AIの開発費用を作るためにMicrosoftの出資を受けたのですが、非営利企業という矜持は失いませんでした。そこで生まれたのが1000億円の利益を出資者(主にMicrosoft)に分配するという契約です。

ACI

部分的にはミスリードなAGIの定義は1000億円の利益という報道です。しかし、真実の一端を語っていることも事実です。
Suleyman は ACI (Artificial Capable Intelligence) が重要だと言っています ([suleyman])。判断し実行し価値を生み出す人工知能です。ACIを判定する例としては、Amazonに店を構え、人に興味をもたせ、人が買いたがる例のをドロップシッピングで入手し、利益を上げる、というのをあげていました。
現実世界で結果をあげる人工知能ということです。そのためには現実との接点(クレジットカードの発行)や人間の説得の社会スキルが必要です。

成績のいい人と仕事ができる人は違う

試験の成績のいい人と仕事のできる人が違うというのはごく一般的な認識です。2024年にさまざまな指標で生成AIは人間を超えました ([ai300lab])。いよいよ試験の成績を超えて仕事の結果を測る時代が来ました。試験の再現性は難しくなっていますが、人工知能も一歩現実社会に近づいたと思います。
仕事ができる生成AIをどう作るかが企業社会で重要になります。
仕事ができることは (a) 能力がある、(b) 仕事に対応する(オンボーディングする)、の2つの要素からなります。能力の拡大同様にオンボーディングが重要になると思います。

むすび

OpenAIがリマインダーを実現するタスクを発表しました ([itmedia])。2025年は生成AIが仕事ができるかどうかを競う年になりそうです。人間なら当たり前のオンボーディングですが、これからは生成AIのオンボーディングには何が重要かを意識し実施していくことが重要です。

参考文献

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