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生成AIで問われる3つの質問
はじめに
生成AIは人間のように話すAIができたというので世界の話題。地上波TVでも登場し、流行語大賞にもなった。
2023年に最初に問われたのは次の3つの質問:
生成AIは本物か?
生成AIの勝ち組は誰か?
生成AIは自分のビジネスにどういう影響を与えるか?
第一の質問:生成AIは本物か
人間のように考える機械(AI)への人間の興味は尽きない。AIの熱狂と失望はいままで繰り返しおきてきた。
一時の流行ではなく本物。2024年1月のダボス会議でもパネリストに生成AIは産業革命の蒸気エンジンに匹敵するかという質問があり、全員同意していた。
第二の質問:生成AIの勝ち組は誰か?
2023年の勝ち組はNVidia, OpenAI, Microsoft。Googleの基礎技術を花咲かせたOpenAI、ゲームエンジンからAIエンジンへ脱皮して花開いたNVidia、しっかりOpenAIを取り込んだMicrosoftはいずれも慧眼。
第三の質問:生成AIは自分のビジネスにどういう影響を与えるか?
これはいまだに未解決の課題。
ビジネスは生成AIにブレーキを踏み続けている:
自社の秘密情報が漏洩する
ハルシネーションが起きて信頼性が低い
意外に生産性向上が得られない(従前の組織のままでは当たり前)
検討すべき課題
同じ人間、同じ組織、同じワークフロー、同じ人事政策で生成AIをはしっこに使っても変わらない。
では、生成AIを前提に組織を作り替えることができるか、というと、組織は組織防衛、現状維持が原則、たくさんの人が長期的契約を前提に行動している。難しい。
技術は進化しているが、組織には巨大な粘性があって、組織改革は十年単位でかかりそう、というのが2024年初頭の所感。