イマここに生きる!オーガニックオーダー、暦のお話〈 霜降 次候「霎時施(こさめときどきふる)」〉
2020年10月28日~11月1日
七十二候 第53候 霜降 次候「霎時施(こさめときどきふる)」
小雨が時々降るような時期ということですが、時雨が降るようになる時とも捉えられます。
夏の激しい雨ではなく、しとしとと静かに浸みていくような雨に変わるというところに季節の移ろいを感じます。
時雨(しぐれ、じう)は、主に秋から冬にかけて起こる、一時的に降ったり止んだりする雨のことを表す言葉です。
『じう』という音は『慈雨』という言葉も想起され、まさに、真夏に疲労した心を落ち着かせ、学問に向かわせてくれるような気がします。
また、今回調べてみたところ、
「時雨」は漢語としては元来、「ほどよいときに降る雨」を意味し、転じて教化を比喩する。
という一文も出てきました。
『教化(きょうか、きょうけ、きょうげ)』という言葉は、元は、『善行により人々を安寧に導く』という、仏教に由来する概念でした。
慈愛の雨が浸み込むように、善行を捧げ、人々を安寧に導くような世界観は、それだけでとても美しく、癒しを感じます。
この時期の雨は、タイミングによっては肌寒く、冷えに悩まされることもありますが、自分にとって潤うものを探し、慈雨として受け取れると良いなと思います。
昨年の11月、『時雨香』という聞香の席に列席させて頂きました。
ちょうど時雨の日で、先生が教えて下さるお香のお話しと、古典の中にある時雨について、そしてしとしとと止まない雨が降る中で、香りのたち方が、また一味も二味も違うように感じ、世界の奥深さに触れさせて頂いたことが思い出されます。
雨が続くと気鬱になりがちですが、特別な体験は優しくその後も生活を美しくみせてくれるようです。また、そう教えて頂いたように感じます。
二回目の満月
この候のうち、10月31日は今月二回目の満月です。
今年最も遠い月と言われていますが、例え遠くても、ここ数日の月は本当に美しく、胸に響きます。
先日、オリオン座流星群が話題にもなり、今月一杯くらいは僅かながら観測できるのだとか。
夜空に恵まれた候ですね。
今日も観月しましたが、とても美しく輝いているので、お天気がもてば満月の日も良い晩になるのではと楽しみにしています。
★↑追記・良い月の出でした(^^)✨↑★
アーユルヴェーダでも、宵の口の観月は心身を養うものとしてすすめられています。
月光と星明かりは違うものではありますが、どちらも輝くような美しさがシャワーのように降り注がれて、心身が洗われるように感じます。
いつでも恵みが用意されているようだなと思います。
この時期の養生
この候に入ると、秋土用もそろそろ折り返しです。次の候が終われば立冬、暦の上ではいよいよ冬に入ります。
季節の環を念頭において、自分は今どのあたりにいるだろうか?と注意してみると、調子を整えやすいですよ。
この時期は、日差しがあたたかいのでつい薄着になりがちですが、冷えないように気をつけて、上着一枚を忘れずに用意してあげてほしいなと思います。
つい自分に厳しくしてしまう方は➔➔➔自分のからだが大切で大好きな自分のひとり娘
と思ってみてはどうでしょう?
不思議な例えかもしれませんが、かわいいかわいい大切な娘です。絶対に冷えないように、少しでも冷やしたら丁寧にあたためてお世話してあげるのではないでしょうか。
自分を大事にすることに慣れていない、うまくできないという方は、このイメージで秋を過ごしてみて下さい。いつもと違う快適さを知ることになるかもしれませんよ。
食べ物と陽気
もしとても好きだったとしても、夏野菜はそろそろ控えめに。
どうしても食べたいときは、温めるメニューにしたり、温かいものと一緒に頂くようにすることをおすすめしています。
メニューに悩んだら、意識的に根菜を取り入れて、からだを温めるようなメニューを取り入れ始めてみてくださいね。
陽気についてはどうでしょうか。
場所によって違いますが、このブログは、首都圏から東海地域辺りを念頭に書いています。
この辺りの地域は、少し冷えを感じる時もありますが、気をつけていればまだ過ごしやすい時がしばらく続きます。
今年は混雑する場所は控えた方が良さそうですが、お友達やパートナーと連れ立って、夕方の華やいだ街でお食事、落ち着いたカフェやバーでゆったりとしたひとときを過ごすのも、この時期の楽しみのひとつでしたね。
出歩けなくても、同じ本やDVDなどで映画を観て会話を楽しんだり、一緒に住んでいたら、より楽しく過ごすにはどんなことができるか、アイディアを出し合うのも楽しいかもしれません。
わたしは時々『おうちバー』を開いて、カクテルを作ります。
音楽や照明を整えたら、最高の場所のできあがり。
出来ないことより、出来ることをみつけて、穏やかに愉しんで暮らすようにする心は、素晴らしい養生だなと感じます。
20201028
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