イマここに生きる!オーガニックオーダーの旅、暦のお話 〈大雪 初候『閉塞成冬(そらさむく ふゆとなる)』〉
2020年12月7日~20日 二十四節氣 第21番 大雪(たいせつ)
2020年12月7日~11日 七十二候 第61候 大雪 初候
『閉塞成冬(そらさむく ふゆとなる)』
太陽黄経が225度のときで、雪が激しく降り始めるころと言われます。
『暦便覧』では、「雪いよいよ降り重ねる折からなれば也」と説明されます。
今年は平年より暖かいスタートと言われますが、来週からはしっかり冷えることが予想されています。
生活の諸々で冷えを予防して、温かくすごしていきたいものです。
本格的な冬の入口で
大雪に入ると、いよいよ冬の感が増してくるようです。
度々訪れる海辺の色にも、冬の色彩が見え始めました。
今日のニュースでは、ある地域では葉野菜の収穫ももう少しと、真っ白く霜が降りた畑の風景とともに報道されていました。
今年は台風が少なかったことで、白菜の出来がかなり良いのだそうです。大根も豊作。ですが、流通量を調整するために出荷できないで潰してしまうものが相当数でているということも取材されており、心を尽くして作物を育てた農家さんの複雑な想いや胸が痛むというコメントが紹介されていました。
流通のシステム上仕方がないとはいえ、大切に育てた方手ずから、トラクターで立派な野菜を潰していく映像は、何度みても慣れることがなく、こちらも胸が痛むものです。
そういった野菜達も、畑の養分になったり、決して無駄にはなさらないのかもしれないですが、気持ちを慮ると忘れがたいものです。
フードロスと新たな展開
フードロスについて取材研究されている方々の講演や勉強会、配信記事を何年か見てきています。近年、フードロスを減らすため、新しい試みがいくつも起こっており、ビジネス上の展開もあるということでした。
フードバンクが行われることも以前より増えたようにも思います。
また、経緯は違いますが、コロナ支援でSNS上にも食品の情報グループがいくつもでき、生産者さんのご苦労を伺い、直接お買い物できる機会が増えました。
既存ルートが無くなったあとも、こういったサイトで売り上げが補填できたということを伺うと、新しい展開のきっかけになるかもしれない感があり、ほっとするような嬉しさを覚えます。
豊作のとき特有の畑の悲しみも、農家さんが不利益にならない(できれば利益拡充で)新しい仕組みが作れないものかと思います。
こども食堂だけでは足りず、おとな食堂も必要な時代と叫ばれています。
わたしたちは、どんな橋をかけることができるのでしょうか。
五行とイメージでみる冬の色
以前も触れたことがありますが、陰陽五行でみる冬の色は『黒』。
紅葉が終わり、霜が降り、曇り空、キーンと冷えて雪…となると、冬の色は『白』をイメージしてしまいますが、五行式体表では白は秋の色です。
ここからは、独自の想像。イメージの翼を広げる時間です。
漢方のお勉強を始めたばかりの折り、授業で五行式体表を初めて見たとき、冬の色は『黒』と知って、前述の通り不思議に思いましたが、基になる陰陽思想を念頭に捉えてみると、なるほどとも思えます。
わたしはデジタル全盛以前は、自分の作品はモノクロフィルムを使うことが多かったので、毎日毎日ネガポジ反転の世界をみていました。
ですから、白は黒、黒は白です。
フィルムは反転でも、映写すれば普段のように見えますから、今思えば、体感的に陰陽対のような感覚を養ったように感じます。
陰陽の世界観は、太陰太極図で示されるように、陰エネルギーと陽エネルギーのめぐりで世界の在り立ちを捉えます。
陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があり、こうしてめぐりめぐる動きの中で世界は成り立っているのだよ、と示されています。
冬の色が黒で表されているのは、冬に弱りやすいとされるところに黒い食物の持つ栄養素が助けになったり、日照が少ない季節だから暗い表現をあてたのか?など、色々と考えられますが、もしかしたら眠り養う季節が表されているのかもしれません。
対になるのは秋の白ではなく、陽の季節ということで、生命活動や光の強さを表す意の白ととるならどうでしょう。
そしてさらにもしかすると、眠りを積極的な休みと捉えるなら、この黒は、反転した白とも取れるのではないでしょうか。深い眠りは積極的な養生、というわけです。
反転した白を養うのは相対する黒いもの、ということで、腎膀胱系の養生やそれを助ける食物がすすめられるのかもしれないな…と想像していくと、世界の奥深さに何層にもくるまれるような、不思議な感覚を味わいます。
取った行動が同じでも、何を思ってそれを行ったかで導かれる結果は変わるもの。様々な可能性に想いをはせると、イマここの奇跡を感じます。こういうことは、日々の味わいをより深くするのかもしれませんね。
20201208
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