旅立ちの朝
大学進学の為に地元の佐世保を離れることになり、出発の日、朝早くから佐世保駅には仲の良い友人たちが集まってくれていました。
閉まるドア、ゆっくりと進み出す電車、そのスピードに合わせてホームを走り出す友人・・・絵に描いたような定番の別れのシーンに、絵に描いたようにドアのガラスに顔を寄せ涙を流していたのは当時18歳の私です。
それから約30年後の今日、息子が上京するということで、空港へお見送りへ。
まだ高校1年生の16歳ですが、行なっている活動が忙しくなり、単身上京し、高校も東京の学校へ転校することになりました。ここ半年ほど、コロナの影響で父親は出張が減る。息子はなぜか出張が増える。という不思議な状態が起こっていました。
当時の私と比べて、多くの人に囲まれ、その中で自分のやりたい事をはっきり言える姿は、羨ましく感じる時があります。
空港での定番の別れのシーンが思い浮かばず、たいした演出することもなくお互いお出かけレベルの言葉しか出てきませんでしたが、それがもしかしたらこの時代の定番かもしれません。
出張で毎日のように通っていた空港の景色がちょっとだけ違って見えた、そんな旅立ちの朝です。