自分の敵は自分で、そいつの正体は「未来依存症」という時間ドロボウ
いつか何者かになれるはずだ
そう思いながら生きることで、時間は永遠に引き延ばされてしまい、逆説的に「今」というものがその人には存在しなくなってしまいます。
これは「未来依存症」と呼ばれるもの。
人間のDNAに、ゲノムレベルで書き込まれているトラップ。
ある種の現代病でもある。
僕らから時間を盗みとる、時間ドロボウだ。
これ、超こわいんだよね。
「自分」という個体を生き延びさせようとすることで、時間がどこまでも間延びしてゆき、結局「生きている今」がどこにもなくなる。
これはいわゆる「デキる人」に起こりやすい現象でもあります。
脳内は常にタスク管理に追われていて、PDCAを回すことを人生だと思っている人。
いつも「やるべきこと」があり、その「べきこと」に向かって進んでいくが、その人の瞳に「今」が映ることはない。
いわゆる、手段が目的になり、本来の目的を見失う、ってやつですね。
ビジネスマンじゃなくても、脳内がタスク管理に追われているのが現代人です。
僕らは、引き延ばされた時間の中を生きている。
ず〜っと続く「間延び」。
退屈なことにも気づかない退屈さ。
まるで、永遠に生きられるかのような錯覚。
まるで、自分という生き物がずっと存在するかのような錯覚。
どこまでも止まらないエレベーターの中で続けられるママゴトみたいに、生きることから張り合いが失われ、カラダから元気が失われていく。
膨大なタスクが動き、それを管理する脳が集まる都市空間では、時間がどこまでも間延びしてゆき、僕らは生きている意味を見失う。
自分がいつか死ぬ生き物であることを忘れる。
生まれたことすら思い出せない。
死を意識できない時間と空間の中で、その穏やかさに身を任せていると、あとで絶対に後悔するはずだ。
僕らの敵は、僕らの時間を間延びさせて、どこまでも生き延びようとする僕ら自身だ。
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