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いとしきからだ いとしきいのち
Twitterである外国人が言っていた。
『絶体絶命を分解すると糸 色 体 糸 色 命になってそれを読むと”いとしきからだ いとしきいのち”になる。だから日本語は美しい。』と。
ああ、本当に美しい。
愛しいそれらだからこそ、その末路を決めるのはその人自身であって
私たち、たとえ肉親であっても、その決断を咎めることも諭すこともしてはいけないのだろう。
でも、残された私たちは何にこの虚しさを、怒りを、悲しみを、表せることができるのだろう。
『死』という概念と事実を受け入れる、ただそれだけのことなはずなのに私はずっと拒絶をしている。
私はまだ君が二十歳になった時にプレゼントしようと思っていたお酒を注文リストに入れっぱなしで、
君に似合いそうな洋服をもう着ないのに取っておいてしまっていて、
そしてもう2年も経つのに君のお墓に会いに行けていない。
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NEWSをつければたくさんの人が亡くなっていて、その人たちには家族や恋人や友達やたくさんの繋がりがあって、でもそれは私の生きている範囲外の事柄で、かわいそうとは思ってしまうけれど特段それ以上の感情はなく数時間後には忘れている事柄で。
でも、いざこちら側に立ってみればこんなにも弱くて脆くて情弱だ。
大切な人たちを守れる大人になろうと生きていたはずなのに、一番に守りたかったはずの身近な人は一番選択して欲しくない方法で去ってしまった。
生き続けることにも覚悟が必要なのだから、
死ぬことにも覚悟が必要ということを体現した彼女は紛うことなき強さを持っていた。
強い子だった。
そうやっていうしか他がないのだ。
生きていて欲しいも、
死なないで欲しかったも、
こちら側のエゴでしかなくて
たとえきょうだいであったとしても貴女の地獄は貴女にしか分からないもので。
幾度たらればを繰り返しても『いない』ということが事実であって、
私はその事実を静かに諾うことが唯一つの彼女への弔いなのだろう。
生きていて欲しかった、
なんて声を出していうにはもう遅いのだけれど
でも、私はもう誰にもそんな言葉を掛けたくないから
会いに行ってあなたたちがどんなに大切かを伝えよう。
「好きだから会いにきた」
その言葉を大切な人たちにかけ続ければいい。
生きていて欲しいも、
死なないで欲しいも、
こちら側のエゴでしかなくて
たとえそばにいたとしてもあなたの地獄はあなたのもので。
その地獄があなたを奈落の底へ落として
あなたが愛しいそれらを手放す決断をしたとするなら
私はただ受け入れるしかないのだけれど
もし、許されるのなら
必死に手を伸ばすから掴んで欲しい。
私はもう悲しみが覆い尽くして怒りが静かに身体を蝕むことに疲れたんだ。
私は私で、あなたはあなただけれど、
私の人生の先にあなたがいてほしい。
「お姉ちゃんとわたしって笑った顔そっくりじゃない?」
『ええ、そうかな。似てないよ。』
君がいなくなってから私はよく笑うようになったんだよ。
君の名前の由来は
『花が咲くような笑顔で周りを照らせる子』
君はそんなあたたかい人だったよ。
どうか安らかに。
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