記憶と音楽 水の回
こんにちは。奥山さるです。
音楽って、風景や体験などの記憶をよみがえらせるきっかけになることが多いなあと感じます。今日は、個人的な「水」と曲にまつわる記録を残しておきたいと思います。(文体の乱れは心の高まり。)
1、水滴に包まれたい
キタニタツヤ「記憶の水槽」
正直このnoteを思いついたのもさっきこの曲を聞いていた時です。今雨が降っていて、どうしても聞きたくなったんです。この曲は私にとって、記憶を引き出す曲というよりは、環境が聞きたくさせる曲です。つまりは水を感じると聞きたくなるんですね。朝にシャワーを浴びる時や、本来なら南向きの窓がうっとうしくなる時間帯に雨と雲しか見えない時。そんな時にどうしても全身がこの曲を渇望します。できることなら水槽に溺れてかつ水滴に包まれてしまいたくなる。
(ほんと私見、おまけ→)ちなみにこの曲のおすすめポイントを言いたいので言うのですが、歌詞・リズム・声の三拍子ぞろい。歌詞はもはやいいところを選べないくらいだし、雰囲気とは裏腹に小気味良い調子で存在感のあるドラムやベースがストライク、かすれ声なのに深みがある。
2、一度しかない金曜日
星野源「Ain't Nobody Know」
実はこの曲は今日聞いたのでたったの二回目だ。もっと言えばMVの映像を見たのと歌詞を多少意識して聞いたのは今日が初めてだ。YouTubeで公開されたばかりの頃のとある金曜日に歩いて家まで帰る時に聴いて、しっくり、いや、もはやずんぐり来たことだけは覚えている。本当は金曜日かなんてわからないのだけど、私は毎週金曜日は歩いて帰ることにしていたので、歩いていたということはたぶん金曜日だ。もう空は完全に黒く青く沈み切っていて、でも街灯がたくさんあって、だから雪が落ちてくるのがちゃんと見えた。最初の一音を耳にした瞬間どこの店の前にいたかも思い出せる。小さな店だったな。たぶん美容室かなにかだろう。改めてMVを見ると、冒頭から雨!しかも飲み物も出てくる。雪の中聞いてずんぐり来て、なおかつ今回「水」というセンサーにひっかかったのにはそれなりの根拠があるというものだ。冷静に考えて、一度しか聞いていないのに半年以上たった今わざわざ思い起こせるというのは運命としか思えない。
当たり前だけど、同じ金曜日は来ないし同じ夜は来ないのだ。
3、雨に打たれたかった8月25日
ヨルシカ「雨とカプチーノ」
2019年8月25日日曜日。私は部活を引退した受験生。家で勉強しないだらけ属性なので学校に行きたいのだが、今から雨が降るらしい。自転車20分移動、リスク高し。もっと早く起きてればな。朝早くから学校に行ってればな。正直勉強をサボりたい気分でもある。そこで私は思いついた。ならばいっそ雨に打たれたい!!
謎展開により、雨対策一切なしで出かけた。しかも学校ではなく遠回りになる山のふもとの公園へ!小学3年の遠足で行って以来、たまーにしか行かないことで個人的にブランディングしてきたあの公園。しかも山だからなんか知らんけどパワースポットそう。勉強疲れにもってこいだと思う。そして私はいつも行かない店舗のファミマでバナナフラッペに初挑戦して腹ごしらえをした(うまいけどやっぱりチョコだな~)。このレシートのおかげで日付がわかったことは言うまでもない。いよいよ公園につき、広い広い原っぱの前に自転車を止めて上へ歩き出す。木でできた階段をのぼりながらYouTube を開く。空は今にも雨粒をこぼしそう。ひらめいた。「雨とカプチーノ」!一度だけ聞いてはまらずにいたが、これは二回目にふさわしい絶好の機会!ポチ!
そこからの記憶はない。しかし私がこの曲にはまるのはまだまだ先だった。惜しかったね。でもやっぱりこの曲との思い出と言えばこの日だとは思う。
しばらく公園にいると雨が降ってきた。今だ!急いで自転車に乗り学校へ向かう。私はこうやって雨に打たれたかったのだ。
私は雨の中を歩くのが好きなんだ。そうすれば、誰にも泣いているところを見られなくて済む。
I always like walking in the rain, so no one can see me crying.
( https://meigen-ijin.com/charliechaplin/ )
私はこの言葉が大好きだ。たぶんこういうことだと思う。泣かずして泣きたかった。まあその時の私は気分爽快でおそらく満面の笑みだった気がするが、頭のどこかでは泣いていたかもしれない。
水には何もかもを洗い流す効力があるような気がしている。生まれ変わりの力みたいな。涙だってそのためにあるんじゃないかな。
4、なぜかシャワーで
SIX LOUNGE「メリールー」
春から一人暮らしを始めた。外出の機会が少ないため、昼下がりに早めに入浴することが増えた。電気をつけずにシャワーを浴びていると、しょっちゅうこの曲が聞きたくなる。また、この曲にはまったのは3年前の6月で、梅雨の時期であった。だからなのかもしれないが(たぶんそう)、水に触れるとこの曲が思い出される。ほかにはサムネイルが空の水色で、紅茶が出てくるくらいしか水感はないが、とりあえず水のイメージがある。
またまたおまけで私見を述べると、声・歌詞・音色の三拍子最高。単なる好みなんだけど、ボーカルの声が切なかっこよい。歌詞は直線的で熱くなる。いかにもバンドな音色もまた直線的でまた熱い。しかもこの曲は個人的記憶がアツい。まず菅田将暉のANN(たしか)でかかった時、0小節目のイントロでビビビッと来たのだ。正直そんなに直感的に強い共鳴を感じたのは初めての事だった。それからドはまりして自転車通学中に何とか聞けないだろうかと考え、ヘッドフォンを買い、リュックの中のスマホにつないで最大音量にし、ヘッドフォンを首にかけて通学したものだ。しかも、自分の小遣いで新品のCDを買ったのもおそらくこの曲が入ったアルバムが初めてだったと思う。
ここまで読んでいただきありがとうございます。なんとこの記憶と音楽シリーズは続く予定です。曲のネタがすでにいくつかありますので。ではまた。
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