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4浪なのに1留して24歳大学2年生になる僕は、今後どうなりたいのか。


「今後どうなりたいか。」

3年前の僕は、医者になりたかった。自分は医者になると信じていた。浪人3年目の真っただ中にいた僕は、医学部に行くために必死に勉強していた。人はどうして考えることがきるのか不思議で、医学部に行って脳について学びたいと思っていた。医者の父親にも、「お前は医者に向いている」と言われていた。自分が将来医者になることは、疑いようもなかった。



「今後どうなりたいか。」

2年前の僕は、物理を学びたかった。この世界はなんで存在しているのか、どんな仕組みでこの世界が成り立っているのか、物理を学ぶことでそれを知りたいと思っていた。浪人4年目の物理の授業で先生が語ってくれることを聞いて、毎週興奮していた。物理の授業を聞いているときの自分が好きだった。早く大学に行って、より専門的に物理を学びたいと思った。



「今後どうなりたいか。」

1年前の僕は、おもしろい人になりたかった。僕は人が好きで、誰かのために何かをしているときの自分が一番好きだった。将来は自分がおもしろいと思う人たちと一緒に働きたいと思った。そのためにはまず自分がおもしろい人にならなきゃいけないと思っていた。人と違うことをしていたかった。



「今後どうなりたいか。」

半年前の僕は、編集者になりたかった。自分は人の話を聞くのが好きで、それが自分の一番得意なことだと思った。自分がおもしろいと思う人の話を聞いて、その人の良さを、本を通して他の人に伝える仕事ができたら最高だと思った。好きな人の話を聞きながら、その人と一緒に仕事ができる、編集者という仕事。自分にこれ以上ぴったりな仕事はないと思った。



「今後どうなりたいか。」

3か月前の僕は、自分の物語をおもしろいものにできれば何でもいいと思った。自分がおもしろいと思った人はみんな自分の物語を持っていた。僕は人が好きなんじゃなくて、その人の人生の物語が好きだったんだと思った。だから脱サラした予備校講師や、年の離れた芸能人といきなりボクシングしてしまう編集者が好きだったんだと分かった。僕は物語が好きだ。だから自分の物語をとにかくおもしろいものにしたい。そう思っていた。



「今後どうなりたいか。」

1か月前の僕は、ユーチューバーになりたかった。これから来る動画の時代の波に乗りたかった。「意識高い系ユーチューバー」を名乗って、いろんな人に会いに行く動画を作ろうと思った。そうすれば僕が好きな人たちと仕事ができるし、その人たちの物語も動画を使って紹介していける。自分の物語もおもしろくなっていく。そう思った。



「今後どうなりたいか。」

先週の僕は、何者かになりたいと思っていた。僕はおもしろい人が、その人の物語が好きだったんじゃなくて、ただ自分より大きな何かにすがりたいだけなんじゃないかと思った。自分に自信がないから、自分がおもしろくないと分かっているから、自分より大きな何かと自分を重ね合わせて自分はすごいんだと思うようにしていたのではないか。自分に自信が持てないなら、何かを成し遂げて自分が何者かになるしかない。そう思った。



「今後どうなりたいか。」

今の僕は、「何者か」になる必要はないんじゃないかと思っている。「何者か」というのは、なろうとしてなれるものじゃない。何者かになるなら、ありのままの自分が生きやすい環境に身を置き続けた結果、いつの間にか何者かになっていたというのが自然だと思う。これからは環境整備の時代なのかもしれない。いやどうだろう。わからない。



「今後どうなりたいか。」

明日の僕は、どう思っているんだろう。



「今後どうなりたいか。」

かつての僕がなりたかった未来の自分は、みんなどこかに行ってしまった。今この瞬間の自分がなりたいと思っている未来の自分だけが今の僕のそばにいる。未来は一つしか選べない。


「将来これがやりたい」というはっきりとした目標はまだ見つかっていないけど、今はまだ焦らずに、自分のところに来た球をひたすら打ち返していくことに徹しようと思ってる。自分が夢中になれる何かを見つけて、そのためのスキルアップをしていくのは20代の中盤からでも遅くはないと思う。





もうすぐ24だけどwwww


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