今何をしているのか、答えは何でもない日常にあると思う。
明日は12月18日の火曜日。来週はクリスマス、再来週は元旦で今年ももう終わり。時間が流れるのは早いな。そんなことを思いながらTwitterを見て、ツイートにいいねしていく。今は12月18日の午前1時。ふとんの中にいる。ふとんの外でスマホを操作する手が冷たい。手を使わずにスマホを操作できればいいのに。
少し眠くなってきた。スマホを置いて電気を消す。午前3時。目を閉じて、意識が遠のいていく感覚を感じていると、突然スマホが鳴る。スマホを見ると、箕輪編集室のライターチームで僕が担当した記事を編集しいる人からのメッセージ。僕の書いた記事について、「もっと個性を出したい」と言ってきた。
僕の個性は、4浪だ。記事の中に僕は出てこないのに、どう4浪を入れるんだと思ったが、勢いに負けて強引に入れることに。書き換えて、タイトルにも「4浪」を入れて、OKをもらう。ふと窓の方を見ると、カーテンの外が明るくなり始めている。午前4時14分。明るくなるのが早い。関東の嫌いなところだ。
朝起きたら、昼になっていた。今日も1限に行けなかったな。少し自己嫌悪に陥りながら、Twitterを見る。僕が寝ている間にも世界は進んでいる。僕は世界に追いつこうと、画面をスクロールしていいねしていく。午後1時だ。おなかがすいた。今日はテニスサークルで練習があるらしい。久しぶりに運動しようか。
起き上がって、溜まっている洗濯物を洗濯機に入れる。一人暮らしは面倒くさいことが多い。洗濯機を回している間に、シャワーを浴びる。毎朝シャワーを浴びる習慣は、浪人中に定着したものだ。風呂場の外でガンガンという大きな音が鳴っている。家の洗濯機はいつも脱水の時に大きな音が出る。うるさい。
洗濯物を干して、学食で牛丼を食べてから、テニスコートに向かう。集合時間の午後5時まであと5分もない。少し遅れそうだ。授業が終わって最寄り駅に向かう人たちに混ざって、Queenの「Bohemian Rhapsody」を聞きながら歩く。2週間前にQueenの映画、「ボヘミアンラプソディ」を見てから、ずっとQueenの曲ばかり聞いている。
テニスコートに着いて、テニスを始める。最後にテニスしたのは11月の末だ。あの時発見した、ボールを打つときの上からなでる感覚を忘れていなければ、あの時みたいに思ったところにボールが打てるはず。僕は今、テニスでは絶好調だ。そう思っていたが、今日はあの時の感覚が戻ってこなかった。悲しい。
テニスをするとき、テニスは「狂気のスポーツ」だといつも思う。どんなに練習しても自分を信じないとうまくいかない。信じることは、ある意味狂気を伴うものだと思う。だからテニスは狂気のスポーツ。そんなことをツイートしようと考えてたら、あっという間に練習が終わった。コートの写真だけ撮った。
午後7時、テニスの練習が終わり、学校に戻って図書館に入る。パソコンを起動して、箕輪編集室の学生チームで企画した、年末の岩手旅行に向けたnoteの記事を書き始める。テーマは「今何をしているのか」。note記事は午後9時までに完成させることになっているらしい。あと2時間もない。間に合うだろうか。
「閉館の時間まで5分」、図書館の館内放送がそう告げている。今、午後9時40分だ。結局9時に間に合わなかった。他のメンバーはすでに記事を投稿したらしく、学生チームのメッセンジャーのグループがにぎやかになっている。僕は波に乗り遅れてしまった。パソコンを閉じて、図書館を出る準備をする。
図書館を出て家に帰る途中、いつもの弁当屋で弁当を買う。店主らしきおじさんは僕の顔を覚えていて、僕が来たときはいつも「お、こんばんは!」と言ってくれる。家で受け取った弁当を開けると、心なしかあのおじさんが僕にだけおまけでおかずを少し多く入れてくれてるような気がする。幸せな勘違いだ。
弁当を食べ終えてパソコンを開く。波には乗れなかったが、記事は完成させようと思う。ここで無謀なアイデアを思いつく。それぞれの文章のブロックを140字にしてTwitterみたいな世界観を出したい。僕のツイートは長文のものばかりだ。よくそのことで文句を言われる。Twitterのような世界観は、出せているだろうか。
「今、自分は何をしているか」。その答えは、何でもない日常にあると思う。
僕は何者でもないただの大学生だ。夜更かしばかりで朝起きられず、洗濯物をためがちで、授業をサボってばかりで、Queenにハマっていて、体を動かすのが好きで、意識高い系の、期限を守れない、Twitterばかり見ている大学生。
ここまで書いて、12月19日の午前1時。まだ風呂にも入ってないから今日も夜更かしすることになる。明日も1限があるから早く風呂に入って寝たい。明日はちゃんと起きられるだろうか。風呂に入る前にTwitterを開いて、僕がパソコンと向き合ってる間に進んだ世界を追いかけ始める。僕は日常に戻っていく。
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