ハースストーン勢に贈るPC購入ガイド

こんにちはこんばんはahirunです。普段ハースストーンというゲームで情報発信やイベントなどをやっています。(参考:BeerBrick.com

今回は、ハースストーン勢向けにPC購入時に重要となるPCスペックやパーツ選びのコツをお伝えしようと思います。

この記事は、今年から始まる世界規模のバトグラ公式大会『Lobby Legends』に向け、本気でランキング上位や大会での勝利を目指すためにPCを買い換えようと思っている方の参考になればと作成しました。

約20年ほど自分でパーツを買い換えながら自作PCを使い続けているので、『PCってどうやって選べばいいんじゃ』という方の助けになれるはず…です。

注:自作PCをお勧めする記事ではありません!PCに慣れていない人は、BTO(Sycomやガレリアなどのパーツを自分で選んで購入するPC)が最適です!

画像4

前置き

長らくハースストーンは、高スペックPCを必要とせずスマホでも安心して遊べるゲームだったのですが、バトルグラウンド(以下バトグラ)のリリースで事情が変わってきました。

元々バトグラには、

ボブの酒場(雇用フェーズ)時間 ‐ 戦闘時間 = 次のボブの酒場時間

という、戦闘時間が長くなると雇用フェーズで損する仕様があります。

そのため、ボブの酒場の売り買いで強さを発揮するヒーローを選んだ時にPCやスマホのスペックが低いと、戦闘時間のアニメーションが長引き、ボブの酒場の時間が短くなって実力を発揮しきれないケースがあります。

バトグラに対する理解度は高いのに外的要因で実力が出せない...というのは本当にもったいないと思います。とはいえ、PCを新調するのには十万円単位のお金がかかるので、これを読んでしっかり準備し、購入に臨んでもらえると私も嬉しいです。

パーツの選び方(主要パーツ)

さて、ここからが本編です。いきなりマニアックな話になりますが、それなりの知識を持って買ってもらいたい(損をしてほしくない)ので、パーツ毎に話していこうと思います。

これらを読んだうえでBTOないしメーカー製PCを買えば、かなり満足度の高いPCが購入できるはずです。

パーツ別の説明に入る前に、先に個人的におすすめの主要パーツを挙げておきます。

CPU:Ryzen 9 5900X
グラボ:GeForce RTX 3060
マザーボード:チップセットにB550を採用したもの
SSD:M.2 NVMe Gen4系 2TB
メモリ:64GB

これらは今私が使っている構成とほぼ同じもので、「最新FPSがグラフィック高以上+144Hz(※)で遊べ、画像編集(Photoshop)や動画編集、配信が快適にでき、5年以上パーツを変えることなくパフォーマンスを維持する」ことを目標にパーツを選んでいます。

それ以上のものを望む場合や、逆に必要ないという方は、これから記載する各パーツの項でお財布と相談しながらそれぞれ調整してみてください。

黙って20~30万のお金を出せる方は、↑の構成で今すぐ買っちゃって大丈夫です。

※低、中、高、ウルトラの4段階があるうちの「高」です。

CPU

画像1

一番選択を誤ってはいけない重要なパーツです。ゲーム前提ならグラボが一番重要じゃないの?と思う方もいると思いますが、グラボは他のパーツに影響しないので、選び方は非常に単純です。

CPUはゲームへの影響がそれなりにありながら、画像編集や動画編集、配信に大きな影響を持つパーツです。

それに加えて、CPUはマザーボードやメモリ、SSDなどのパーツの選定にも微妙に関わってくるため、ここを間違うと無駄に損をします。

メーカー選び

CPUメーカーにはCore iシリーズを手掛けるIntelと、Ryzenシリーズを手掛けるAMDという二大巨頭がいますが、今はRyzenシリーズのAMDが強いです。

正直なところ好みで選んでもいい部分ではあるのですが、いかんせんIntelは消費電力と発熱量が高いデメリットがあるので、騒音が気になるPCになったり、電源のグレードを上げざるを得ず、PC購入の合計額が上がる可能性があります。

IntelもAlder Lakeというコードネームが付いた最新版のCPU(Core i〇 12xxx系)でゲーム系のパフォーマンスが大きく上がっているので、FPSを240Hzでグリグリ動かしたい人には良い選択肢となりますが、少なくともハースストーン+αという方にはお勧めしません。

型番選び

7万円コース:Ryzen 9 5900X
5万円コース:Ryzen 7 5800X
4万円コース:Ryzen 7 3700X

予算で選んで問題ありませんが、できればRyzen 9 5900Xを購入してください。恐らくRyzen 7 3700Xは2、3年くらいで「最近ゲームがちょっと重いかな...?」と感じるようになると思います。

Ryzen 9 5900Xなら、5年くらいは概ね現役で使えるはずです。ここの3万円の差をどう感じるかは個人差があると思いますが、人によっては安い買い物になるでしょう。

Ryzen 7 5800Xでも問題ありません。

CPUはマザーボードやケースと密接にかかわっているパーツですので、(BTOなら)基本的には買い替えできないと思って下さい。やるかやらないかはさておき、グラボやメモリは後から手を付けられますが、CPUはCPUクーラーの性能や物理的な問題もあるため、買い替え難易度は高いです。

最初にしっかりお金を出して長持ちするPCにするか、後からPCを買い換えることになるかはここで決まります。

グラボ

画像2

チップセットメーカー選び

まず大前提として、Geforceシリーズを作っているNVIDIA製チップセットとRadeonシリーズを作っているAMD製チップセットがあります。

GIGABYTEとかASUSというメーカー名は、これらのチップセットを使いつつ独自のファンを付けるなどして製品を提供しているメーカーです。

性能はチップセットで決まるので、まずはGeforceかRadeonかをえらぶことになりますが、おススメは圧倒的にGeforceです。理由は安定性。

ざっくりいうと、Radeonは画面がチラついたり、カクついたりする可能性がGeforceより高いのです。

Geforceに比べると性能比で2割程度値段が安く、ゲームが起動しないなどの極端なトラブルが発生するわけではないので悪くはないのですが、単体パーツで6万~20万もするグラボでリスクを負うのはちょっと分が悪いです。

自作できるスキルがあれば、気に入らなかったら中古屋に売って買い換えることもできますが、この記事を読んでいる人には難しいはずです。

ですので、Geforceシリーズを選んで下さい。

販売メーカー選び

前述したGIGABYTEやASUSなどのメーカーです。

あまり重要でないので適当でいいです。メーカーごとに独自ファンなど様々な機能を用意していますが、グラボの性能は9割9分チップセット(3080とか3060という部分)と搭載メモリで決まるので、ほとんど気にする必要はありません。

一応サポートの手厚さの差などもありますが、BTOならサポートはBTOメーカーになるので、この点についても関係ありません。

型番選び

他のパーツに比べて型番毎の値段の開きが圧倒的にでかいため、選択の余地はあまりなく、単純にお財布と用途で選ぶことになると思います。

Geforce GTX 3080 Ti:20万円コース。FPSのグラフィック設定を最高設定や、240Hzで遊ぶ人向け。ガチのFPSプレイヤーを目指すなら買わないと嘘。

Geforce GTX 3070 Ti:14万円コース。FPSのグラフィック設定を高設定にしつつ144Hzで遊ぶ人向け。ガチFPS向けではないが、ほとんどのゲームで144Hz+高設定のグラフィックが楽しめる。(高フレームレートや4Kは除く)

Geforce GTX 3060:8万円コース。FPSのグラフィック設定を中~高にしつつ144Hzで遊ぶ人向け。最新のFPS含む3Dゲームは十分高いグラフィック設定で遊べる。

これ以外にも、5万円程度でGeforce GTX 3050が購入できますが、あまりお勧めしません。性能のわりに値段が高く、AAA級タイトルは数年でグラフィック低設定でもフルHDで遊べなくなる可能性があります。

ハースストーン専用と割り切るなら問題ありませんが、2年後3年後もPCゲームはハースストーンだけと断言できないのなら、結局PCやグラボを買い換える羽目になると思います。

マザーボード

画像3

あまり深く考えず、チップセットにB550と書かれているものを選んでください。安くて必要十分以上の性能を持っています。

CPUにRyzenを選び、後述するSSDの「M.2 NVMe SSD Gen4」を使うなら、そもそもチップセットはB550かX570しか選択肢がありません。

で、そのうえでB550とX570で何が違うかといえば、X570だと拡張性が増してそのぶん1万円~3万円ほど高くなるというだけです。

例えばハイスペックなSSDを複数枚使い、10TB近い大量のファイルを扱いたい人ならX570を選ぶ必要がありますが、普通は要らないはずです。

動画編集したいし~という方もいるかもしれませんが、一時的に扱うファイルはSSDを利用して、保存用にHDDを使えば問題ありません。

SSD

画像5

今のSSDはとても安く、性能が高いM.2 NVMe SSD Gen4の1TBですら2万円程度で買えるため、M.2 NVMe SSD Gen4+1TB(2万円)かM.2 NVMe SSD Gen4+2TB(4万円)のどちらかを買えば間違いありません。

メーカーが多く、同じメーカーでも型番で性能が大きく異なるのが普通なので自分で選ぼうとするとやや難しいのですが、CFD販売のPG4VNZシリーズか、Samsungの980 PROシリーズが無難だと思います。

PCの記憶媒体は種類が多く普段PCに触れていない人には分かりづらいと思うので、ざっくり説明しておきます。

HDD:ハードディスク。4TBが8千円程度で買えるが、転送速度は100~200MB/秒と遅い。データ保存用。ゲーム用PCでCドライブに使ってはいけない。

SSD(2.5インチ):昔主流だったSSD。1TBは1万円程度、2TBは2万円程度で買えるが転送速度は500MB/秒程度。

SSD(M.2 SSD):今の主流。安いものなら2.5インチと同じ価格帯で購入でき、転送速度が2,000MB/秒を超えている。最新のGen4は倍の値段で、転送速度が6,000MB/秒を超える。

値段と性能を見てもらえば分かりますが、M.2 NVMe SSD Gen4(M.2 SSD)以外を選ぶ理由はほとんどありません。データをいっぱい保存したい人は、CドライブにM.2 NVMe SSD Gen4を利用したうえで、HDDを別途購入して下さい。

容量は懐具合で決めてしまって構いません。ただ、今のAAA級タイトルは、1つのゲームで80GB~100GBの容量を必要とします。そのため、保存するデータやOSのこと、いくつかのゲームをインストールしておくことを考えると、1TBは絶対必要です。

メモリ

32GBあればまず間違いなく足りるのですが、64GBにしてもいいです。お財布に余裕があるなら64GBにしてください。

ふんわりとした個人的な感覚ですが、メモリを64GBにしておけばPCの寿命が1年~2年くらい延びるはずです。

また、メモリは同一PCでは同型番を使うのがセオリーとされています。後から増設しやすいパーツではあるのですが、既存メモリとの相性問題が発生したりいい製品を買っても性能が十分に発揮できなかったりします。

この辺は細かい説明が面倒くさいわりに、それほど性能や金額に影響しないので割愛します。2万円しか出せない人は32GBを、4万円出せる人は64GBにしてください。

メーカーはどこでもいいです。メモリそのものの性能が結構変わったりしますが誤差に近いです。それよりも容量を重視してください。PCゲームを遊ぶなら16GBは少ないです。

BTOで買おう

これで主要パーツの知識は大体得られたと思います。あとは、Sycomなりドスパラなりで、予算や用途にあったPCを買ってください。

これらの知識があれば、BTOメーカー毎にそんなに価格差がないことや、巷で高いと言われているBTOメーカーが実は特定の組み合わせだと安いことがわかると思います。

安いBTOパソコンは性能もそれなりで、特定のショップが最強!というのはありません。

最後に

電源や水冷クーラー、購入によい時期などについても書こうかと思ったのですが、ひとまずこれで終わりにします。気が向いたら後で追記します。

質問や追記してほしいことがあれば、Twitterで声をかけてください。





いいなと思ったら応援しよう!