天皇制
天皇制について学んだことを書きます。
改元が起こり天皇制が少し身近なところにやってきたので、天皇制に関する本を読んでみた。どうやら今回の明仁天皇の退位は違憲だったらしい。憲法第2条に「皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と記載されているんだから当たり前に違憲だった。
なぜ明仁天皇が憲法に違反すると知りながら生前退位を希望したのかというと、明仁天皇は象徴天皇としてまず第一に「国民の安寧と幸せを祈ること」を大切に考えてきたが、それと同時に「時として人々の傍らに立ち,その声に耳を傾け,思いに寄り添うこと」を重視してきたのであり、自身が高齢化に伴いこれらの行為が充分に果たせなくなるのならば、今のうちに天皇の座を退きたいと考えている、と私は本を読んで理解した。
そもそも明仁天皇の述べたような象徴天皇のあり方は憲法にも皇室典範にも記載されていない。国の定めている天皇の職務によれば、明仁天皇には宮中で国民の安寧を祈ってもらえればそれで足りる。実際に天皇の生前退位に対し難色を示した知識人たちは天皇は天皇の座に就いていることが重要だ、といった趣旨の発言をしていた。
でも国民は明仁天皇のお言葉を聞いて強く生前退位を支持した。国の決まりだから辞めたくても辞められない、という天皇の状況は深刻な人権侵害であり国民に同情された。そう、天皇制は深刻な人権侵害なんだ。辞めたくても辞められない。なりたくなくてもならなきゃいけない。生まれてきた子供が女子だったら、声高に次の妊娠の予定を尋ねられる。私たちの先祖が苦労して苦労して獲得した、政治参加が許されない。
私には天皇制が今の日本に必要かわからない。天皇が日本の象徴ならば、あの人権侵害を内包した制度は日本を体現しているということなのか。