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漫画家がTwitterで宣伝する時に気にして欲しい事
Twitterで素敵な作品を読んだり、知ったり出来るのは嬉しいけど、あまりにも「買うまでのハードルが高すぎ!」みたいな宣伝が多かったので、宣伝する漫画家さんには「こうして欲しい!」みたいな点をまとめました。
検索してまで買ってくれるのはコアな層
☑︎ 世の中の人は受動的コンテンツが好き
☑︎ 検索するためにはリテラシーが必要
☑︎ 検索して買うのはハードルが高い
まずこれは認識して欲しいのですが、検索してまで買ってくれる人は、そもそもかなり書籍への興味・関心が高い層です。
漫画家・小説家になる人は、元々コンテンツへの興味・関心が高い層であることが多いので忘れがちですが、世の中の人は「コンテンツに対して、そんなに興味がない」という状態です。
TVやYouTubeなどは、最初にある程度選んでしまえば、受動的でもコンテンツが楽しめてしまうため、「タイトルを覚えて、検索して、購入する」という行動は非常にカロリーが高く、購入までのハードルが高すぎます。
そこを乗り越えて検索したとして、お目当てのサイトを見つけるにはまだまだハードルがあります。
「タイトルを間違えていた」「似たようなタイトルの本がサジェストされて、検索上位に出てこない」などです。
このように、検索して買うという行動はリテラシーの高さが要求されるため、いかに検索させずに買わせるかが重要になります。
限りなく購入までの導線を短くする意義
☑︎ 迷わせない、正気に戻させない
☑︎ 好き!欲しい!と言った衝動を大事にする
サンプルを読んで貰って、「よかった!買いたい!」と思ってもらっても、時間が経てば人間は正気に戻りますし、「生活費が〜」とか「他の娯楽に使いたい」と気持ちが傾く可能性が高くなります。
時間が経つと気持ちが覚めちゃう例はこの記事とか読んでみてください。
なので、ちゃんと勢いに乗ったまま買い物が出来る様に誘導してあげる必要があります。
必ず「買える」URLを載せる
☑︎ 書店に行くのは面倒&検索したくない層に購入させる
☑︎ URLがあれば、購入する可能性が高まる
☑︎ 主要なサイトを網羅して、ハードルを下げる
「書店に電話して取り寄せてください」は、まずハードルが高すぎてダメです。
電話するという行為自体を忌避する人がいますし、書店に行くこと自体がカロリーの高い行為なので、この時点で顧客をとりこぼしてしまいます。
ここのアピールはリテラシーが高めの層やコアなファン層へ向けるため、引用RTで言及していくスタイルが良いと思います。
(一見さんに向けた販促ツイートで、真っ先に要求する事ではない。)
Twitterで宣伝するという事は、「Web上やアプリなどスマホ完結させたい層」が圧倒的に多いという事を踏まえて、出来る限りすぐ買える、あるいは予約出来るURLを載せてください。
書店や実際の本の売り上げが〜とかは、ビジネスモデルの話であり、購入者にはなんの関係もないです。
リテラシーのない層に売れなくても良い、という事であれば構いませんが、電子書籍で生の本であれ通販であれ、何よりもまずコンテンツが売れなければいけない状況でしたら、絶対にURLをつけてください。
また、URLは一つだけではなく、出来る限り主要なサイトを網羅してください。
Amazon、楽天、hontoなど、利用者が多いところは絶対に載せる必要があります。
1冊の本のために、わざわざサイトに住所やクレカを登録するという手間やリスクをかけてくれる層はコア層です。
ライト層は自分に馴染みのある環境があれば、安心して購入してくれることも多いので、出来る限り載せてください。
ツリーは一気に投稿する
☑︎ 画像はTwitter用に最適なサイズに加工しておく
☑︎ 宣伝文言、販促URL、タグは予め用意しておく
☑︎ 短時間で一気に投稿する
WiFiや回線が遅い層のために、Twitterで圧縮+劣化してしまうような大きい画像は投稿せず、Twitter用に最適化された画像を用意してください。
読み込みが遅いとそれだけ読まれなくなってしまう可能性が高いので、イライラを下げるためにも無意味に大きい画像は避けてください。
あくまでもサンプルですし、実際に作品を購入すれば、ちゃんとした画質で楽しめるので、Twitterでは販促用と割り切ってください。
また、スムーズに投稿するために、宣伝用のメッセージや購入URLは事前に用意しましょう。
拡散用のタグはエンゲージメントに直結するので、日頃からなるべくリサーチしてストックしておいてください。
それなりに熱狂的なファンが付いていれば、告知漫画を投稿してすぐ拡散が始まります。
拡散されている最中なのに、肝心の販促URLまで載りきらないままだと、ただの無料漫画で終わってしまいがちなので、タイムラグを短くするためにも準備を済ませて手早く投稿してください。
新刊が出たら、必ず1話のサンプル&告知を流す
☑︎ 新刊が出るタイミングは露出が増える
☑︎ 既刊+新刊という状態は「面白い作品」という信用が稼げる
☑︎ コロナでサンプルが読めないという事態も想定する
新刊が出るタイミングは出版社も告知をかけていますし、露出が増えるタイミングです。
突然ですが、「単純接触効果」はご存知ですか?
ザイオンス効果とは、はじめのうちは興味がないものでも、何度も触れているうちに好感をもつようになっていく効果のことです。
ザイオンス効果の対象は幅広く、対人関係以外にも音楽や衣服、においや味、単純な図形や記号にいたるまで、さまざまなものに対して同様の効果があることがわかっています。
本屋に新刊が並び、広告などが打たれたり、作品の露出が多くなるという事は、消費者に対する接触が多くなるという事です。
ある程度、無意識の好感が持たれている状態であればサンプルを読んでもらえる可能性も上がります。
しかも、既刊がある上での新刊が出るという状態、つまりシリーズ物の新刊が出るという事は作品が「面白くなければ続かない≒面白いはず」というイメージから、期待や信頼感を得やすい状態だと思います。
なので、新刊が発売されるタイミングで、しっかりと1話のサンプルなどを流して販促行為を行う事は新規ファンを増やす事に繋がるのではないでしょうか。
また、コロナの影響でサンプルの立ち読みもままならず、新刊だけ積まれることも予想されます。
Web上でサンプルを読むことが出来ていれば、もしかしたら書店に寄った際に購入される可能性を上げられるかも知れません。
まとめ
☑︎ 販促ツイートには必ず「購入(予約)出来るURL」を載せる
☑︎ 画像はTwitter用に加工
☑︎ 販促用に拡散力の強いタグをつける
☑︎ 新刊や電子書籍が出るタイミングで都度販促ツイートを行う
販促ツイートは売る為にやるものですし、フリマアプリメインで活動するハンドメイド作家のような素人感は不要だと思っています。
漫画家はマーケティングのプロではないので、販促ツイートで中々お金を出さない人に向けて買ってもらえるようにアピールするよりかは、しっかりと今買ってくれる人に対してどれだけアピール出来るかが重要だと考えています。
インスタやTwitterはある程度流れが早く、層によって隆盛しているタグの違いもあったりするので、似たようなジャンルで活動されているSNS活用が上手い作家さんをフォローしておき、日々良い感じのタグをストックし続けておく事が肝心です。
(本当は出版社がきっちりマーケティングして作家に指導するべき)
新刊が出る時、紙と電子書籍でタイムラグが発生するパターンもかなりあると思っていますが、電子書籍が出たタイミングで再び販促するメリットは「生の本を買わない層」へのアピールをする為です。
部屋の雰囲気を壊したくない、買ってまた売るのがしんどいという層は、電子書籍が出ていない場合、買わない選択肢を取る事があります。
そういった層に電子書籍が出たタイミングで販促出来れば、より多くの人に買ってもらう事ができます。
売れているインフルエンサーの方でも、販促ツイートは驚くほどバンバンやっていますし、自信を持ってガンガン押していきましょう。
正直、黙って謙虚にしていれば売れるフェーズはとっくに過ぎました。
黙っても売れてる人は相当凄いのですが、販促ツイートを検討・実施する時点でそのフェーズにはいないと割り切って宣伝をかけていきましょう。
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