人工知能とは何か。
GW研究第1回
この度、Skyland Venturesの木下慶彦さんに声をかけていただき、GW研究に参加させていただくことになりました。
僕の選んだテーマは人工知能です。
僕は人間のもつ認知機能(脳)や人間の感情(心)などに興味があるので、それらとAIを関連させながら知識と理解を深め、全10回のNote投稿でアウトプットしていきたいと思います。
僕自身人工知能に関してほぼ知識がないので、この企画で初めてまともにAIについて勉強します。内容的には初級〜になると思いますがご了承ください。
では早速今回の本題へ!!
AIとはArtificial Intelligenceの略称で、人工的な知能を意味します。
現在、一般的にAIと言われているものは厳密に言うとAI技術と呼ぶのが正しいそうです。
そもそも知能とは何を指すのか?
生物学的立場からは新しい環境に対する先天的および後天的な適応可能性と定義され,また心理的機能の面から知覚,弁別,記憶,思考などの知的な諸機能の複合としても定義される。(ブリタニカ国際大百科事典)
知能という言葉の意味は上記のように現されるようですが、抽象的な言葉であり定義が広義のものとなっていることが伺えます。
実はAIの正確な定義はありません。というのも、上記の通り知能という言葉に正確な定義が定められていない以上AIに定義を与えることができないからです。
さて、このほかにもAIに関連する重要な言葉として“心”を挙げたいと思います。この言葉もやはり非常に抽象的かつ多義的な概念であるため、その言葉の定義が曖昧になりがちです。
AIは心を持つことができるのか?
そもそも正確な定義を持たないこの概念をAIが持つことができるのかを考えることは難しいですが、個人的にこの命題に興味があるので次回以降のGW研究で少し深く掘り下げたいと思います。
人間とAIの共存について深く考えると定義の曖昧な言葉が関わっていることにより今後、AIに対する人々の認識における相違がより目立つのではないかと考えます。
汎用型人工知能(下で説明します)が完成すれば定義は明確なものになるかもしれませんが。
僕は今後人々がAIに対してどのような認識を持ち、AIに対する解釈がどのように変化して行くのか非常に関心があります。
ところで、AIについて自分の周りの人(日常的にAIについて考える機会を持っていないであろう人)はどう考えているのかふと気になったので聞いてみました。
人工知能って何か説明してみて?って聞くと
「何それ?ロボット?」 (47歳)
「脳を持った機械」(23歳)
「効率のよい社会を築くためのもの」(23歳)
「人の暮らしを良くするためのもので、悪い印象はない」(22歳)
「感情を持つことなく自ら考える力を持つ仕組み」(35歳)
といったような回答が返ってきました。これらの返答結果から、人々がAIに対して持つ一般的な認識を導くことはできません。しかし、AIという言葉を聞いたことない人も少なからずいるようです。
“脳を持った”というのは“脳と同等の機能を持ち合わせた”と解釈しました。
“悪い印象”を持たないという意見も面白いですね。
さらに、“感情をもつことなく”というのは非常に興味深い意見だと思いました。
AIについて少し調べると、ネガティブな意見を持つ方もいるようですが、技術者や日頃からAIに接しているような人に多いという印象を受けました。
あるいはAI技術に関わった後に何らかの理由で心的外傷(俗にいうトラウマ)を持ってしまった一般人がネガティブなイメージを持ってしまうこともあるでしょう。
今後AIは人間社会にとって必要不可欠な存在になっていくことが予想されますが、正しく普及させるためにはこのテクノロジーを享受する全ての人がAIに関する正しい知識をもつ必要があるのではないかと思います。
それではAIについて少し詳しくみていきたいと思います。
AIの種類
AIには大きくわけて2つの種類(特化型人工知能と汎用型人工知能)が存在するようです。
これらは順に弱いAI、強いAIと呼ばれています。
弱いAI(特化型人工知能)とは?
ある領域に特化して能力を発揮するAIのことを指します。
例えば……
画像認識によって対象の性別を判断する(音声認識はできない)
自然言語処理によって日本語を英訳する(画像認識はできない)
このようにできることが1つに限られている点が弱いAIの特徴です。
更に、弱いAIが持つ大きな特徴に
“人間による知的な処理結果を再現する”という点が挙げられます。
ここで着目したいのは、処理に至るまでの過程が不透明であるという問題です。
つまり、なぜAIがそのような判断を下したのか(思考回路)を人間が理解することは不可能であるということです。
これをブラックボックス問題と呼ぶそうです。(次回以降で詳しく触れます)
一方、強いAI(汎用型人工知能)とは
人間のように多数の領域において能力を発揮するAIのことを指します。
例えば…
ベイマックス
ドラえもん
則巻アラレ
ターミネーターなど
これらは視覚(画像認識)、聴覚(音声認識)、自然言語処理等による日常会話能力など複数の領域で能力を発揮できるのが特徴です。AIの研究に火がついてから半世紀以上が経過し、現在は第三次人工知能ブームの最中と言われていますが強いAIは未だに現実のものとなっていません。
2045年頃にはシンギュラリティ(AIの知能が人間のそれを超える地点)を迎えるとされ、これはその地点で強いAIが誕生していることを意味します。
ここで言う強いAIとは自律的に能力を高め、自ら進化できるAIあるいは人間の手を一切かりることなくどんどんアップデートしていくAIのことを指すと解釈するのが適切だと思います。
シンギュラリティ(技術的特異点)
AIについて学ぶと必ずと言っていいほど目にするのがシンギュラリティという言葉で、意味については先に触れた通りです。
本当にそんなことが起こるのか?という意見もあるようですが、この議論に関連しておもしろい動画を見つけました。
↓
Ray Kurzweil (TED Talk)
Ray Kurzweil氏はテクノロジーの進歩は指数関数的であり、コンピュータのもつ能力は人間の予想を遥かに超えるものであるということが話されています。
動画で紹介されている通り、ゲノム解析(生物のゲノムの持つ遺伝情報を解析すること)が始まった当初、それの完了には100年ほどかかるとされていましたが、約15年で完了してしまいました。
シンギュラリティは2045年頃訪れる。
もしかするともっと早くに到達してしまうかもしれない。
きっとその時は突然やってくるのでしょう。
ただ、大多数の人たちはシンギュラリティを迎えたことにすら気付かないのではないかと思います。
ガラケーが気がついてたらスマートフォンに変わっていた。
気が付けば周りの友達ほぼ全員がiPhoneを持っていました。
あっという間に新しい時代にシフトした。
今後、人類が未だかつて体験したことのないスピード感で時代が変わって行くのだと思うとワクワクしますね。
いつ変化したのかも分からない。人類に未来を予測する時間さえ与えない。
そんなスピードでAIが発展するその瞬間のことをシンギュラリティと呼ぶと理解しました。
まとめ
人工知能という言葉の明確な正義(意味)は存在しない
人工知能には特化型人工知能と汎用型人工知能がある
2045年頃にシンギュラリティを迎えるとされている
以上、今回はここまで。
初回ということでかなりざっくりした内容になりましたが、次回以降はもう少し踏み込んだ内容を書きたいと思います。