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フィンランドで起業支援金をもらうまでの道のり
フィンランドでは、事業を始めるにあたり、起業支援金、Starttirahaを受給できます。これは、失業手当と同額の手当てを、最長で一年受け取れる制度です。
起業支援金 Starttirahaとは?
そもそも、フィンランドの起業支援金とはどのような制度なのでしょうか?
まず、起業支援金は、新たな事業活動や雇用を促進することを目的としたTEサービスです。TEはTyö- ja elinkeinotoimisto(雇用経済開発室)という機関で、失業者の求職などを手伝っています。
そして、起業支援金は1ターム6か月間支給され、2タームまで延長することができます。また、支援金の金額は、失業手当とほぼ同じです。
つまり、フィンランドの起業支援金のシステムは、起業してから一年間、事業が安定するまでの間、生活を保障してくれるのです。
失業手当は受け取れない
フィンランドでは、収入が一定以下の場合、失業手当を受け取ることができます。ただし、起業支援金を受け取った後は、収入がいくら少なくても、失業手当を受け取ることはできません。
これは、一年経っても収入が安定しないのなら、仕事を探しなさい、と言われているような気もします。
どんな事業でも対象
それでは、どのような事業が起業支援を受けることができるのでしょうか?TEのサイトによると、以下のような条件があります。
フルタイムで勤務し、継続可能な事業であること
事業の分野において十分なスキルを有していること
起業家として活動するのに十分な能力を有していること
事業計画や財務計算ができ、採算が合うと試算できること
資金調達、事業所、許認可などの必要な情報を把握していること
1,2を証明するためには、4に挙げられているビジネスプランをしっかりと書きあげる必要があります。また3については、TEが斡旋する起業支援のコースを受講していれば大丈夫なようです。
新規の事業が対象
また、すでにフルタイムで事業を開始している場合は、給付の対象になりません。それだけでなく、すでに会社登録を済ませている場合も、給付対象にはならないので注意が必要です。
対象者はフルタイム以外
次に、起業支援金の対象者を確認していきましょう。
在留許可証は大前提
そもそも、大前提として、フィンランドで起業をする権利があることが必要です。つまり、日本人ならば、仕事に制限のないタイプの在留許可証を有している必要があります。
当初、私は在留許可証がBタイプ、つまり起業する資格がないものでした。そのため、在留許可証がAタイプに更新されるのを待って、手続きを開始しました。
フルタイムでなければOK
そして、起業する資格があっても、全員が受給できるわけではありません。フルタイムで仕事をしている人は、この支援金に応募する資格がありません。つまり、失業者や、パート勤務や学生などが対象です。
ただし、納税状況などから、すでに十分な収入があるとみなされた場合は、給付の対象にはなりません。
金額は失業手当相当
それでは、起業支援金はいくらもらえるのでしょうか?私の住んでいるタンペレのあるピルカンマー県の場合を紹介します。
2021年の実績は、1日あたり33.78ユーロでした。週5日働くので、1ヶ月あたり約700ユーロです。この金額を6か月、延長申請をすれば12か月受け取ることができます。この金額は、失業手当と同程度です。
また、この起業支援金は、個人的な課税所得とみなされます。ですから、ここから税金が差し引かれる、または後々税金を払う必要があります。
次の記事では、起業に役立つ無料サービス、起業支援金の応募方法を紹介します。
https://pieceofoishi.com/finland/me/startup-service/
https://pieceofoishi.com/finland/me/howto-startupfund/